#1267 思うところはあるけど、時代に即した正常進化だった新型エスクード。

さて、その4世代目モデルが登場しましたが、とうとう、完全なる乗用車ベースのモデルへとスイッチしてしまいました。オフロードを走らないならば縦置きエンジンレイアウト+パートタイム4WDベースにこだわる必要もありませんし、FFになれば何よりも室内空間を確保できますから、コンパクトを謳うモデルとしては、ある意味正当な進化だったわけですが……、ま、過去を知っている者としては寂しさはありますな。
とか言いながらですね、クルマとしての完成度はとても高く、ちょっとビックリしましたし、ベースとなったSX-4よりも重心高がある分を、シャシーフィールに上手く転換していまして、とてもいい。個人的には、SX-4よりも好印象。たとえば、ロール。ロール量を抑えるのではなく、ロールさせながら、ロールスピードを上手くコントロールしていまして、ハンドリングフィールに実に見合ったもの。つまり、バランスがいい。それでいて、グリップ感もしっかりと伝わってくるので、そうなんですね、ワインディングが楽しい。もちろん、乗用車ベースとなったことで余計な動きを見せることなくなりまして、スポーティさを楽しめるといった感があります。

さて、肝心なといいましょうか、今回からは語らないほうがいいのかもしれないラフロード性能については、まぁ、想定範囲内といった感じ。ハードなことといいますか、ま、ソフトなことすらしてきませんでしたが、砂利道で意図的にハンドルを切った際に、グリップ感が失われるシーンがあって、分かりやすく表現すると流れる。タイヤのキャラクターかなと思いつつ、期待が大き過ぎたかと感じつつ、深くはチェックできませんでしたが、かつてのエスクードと並べてはならないところかなと感じました。
と、少しのあれこれはありながら、好印象だったエスクード。ひとつだけ惜しいなと思ったのは、今回のベースが大きく変わったこのタイミングは、名前を変えるタイミングでもあったのではないか、ということ。そう、海外名のビターラに統一してもいいんじゃないかって。
それにしても4WDで217万円(税抜き)は、ライバルと比較するとリーズナブル感がありますな。ただ、公のプレスリリースには販売予定台数は年間1200台って……、ちょっと弱気過ぎる気もしますが。