#1267 思うところはあるけど、時代に即した正常進化だった新型エスクード。

 書かねばならないといいますか、書いておきたいネタが積もり積もって、という状況ですが、ま、ひとつずつ、ひとつずつ。というわけで、スズキ新型エスクードです。初代モデルを、トータルで4台ほど所有というか、購入というか、したことがありますが、ま、初代はシートポジションにしても、リアサスの設定にしても、エンジンパワーにしても、クルマとしてどうなんだろうと思うところがありました。1.6Lなのに中央道談合坂の上り坂でスピードをキープするのがやっとってどういうクルマだったんだろうか、と、談合坂を走る度に思いますが、ま、あの頃はそんなもんでしたっけね。
 さて、その4世代目モデルが登場しましたが、とうとう、完全なる乗用車ベースのモデルへとスイッチしてしまいました。オフロードを走らないならば縦置きエンジンレイアウト+パートタイム4WDベースにこだわる必要もありませんし、FFになれば何よりも室内空間を確保できますから、コンパクトを謳うモデルとしては、ある意味正当な進化だったわけですが……、ま、過去を知っている者としては寂しさはありますな。
 とか言いながらですね、クルマとしての完成度はとても高く、ちょっとビックリしましたし、ベースとなったSX-4よりも重心高がある分を、シャシーフィールに上手く転換していまして、とてもいい。個人的には、SX-4よりも好印象。たとえば、ロール。ロール量を抑えるのではなく、ロールさせながら、ロールスピードを上手くコントロールしていまして、ハンドリングフィールに実に見合ったもの。つまり、バランスがいい。それでいて、グリップ感もしっかりと伝わってくるので、そうなんですね、ワインディングが楽しい。もちろん、乗用車ベースとなったことで余計な動きを見せることなくなりまして、スポーティさを楽しめるといった感があります。
 エンジンは、SX-4と同じM16A型1.6L。パワースペック的には117PS/151Nmと大したことないんですが、これが高回転までしっかりと回る。SX-4ではCVTでしたが、今回は6ATになったことでそれを体感できます。発進時の加速で、ちょっと驚いたほどといいいますか、やっぱり、段付きギアがいいよね、と感じた次第。あ、思うにですね、ダウンサイジングターボを早々に搭載してくれたら、おもしろいのになと思うのは……、って、やっているんでしょうね。ただ、すでに発表されている1.0Lターボだと不足だろうから、1.2Lとか。ね、期待しますけど。
 さて、肝心なといいましょうか、今回からは語らないほうがいいのかもしれないラフロード性能については、まぁ、想定範囲内といった感じ。ハードなことといいますか、ま、ソフトなことすらしてきませんでしたが、砂利道で意図的にハンドルを切った際に、グリップ感が失われるシーンがあって、分かりやすく表現すると流れる。タイヤのキャラクターかなと思いつつ、期待が大き過ぎたかと感じつつ、深くはチェックできませんでしたが、かつてのエスクードと並べてはならないところかなと感じました。
 と、少しのあれこれはありながら、好印象だったエスクード。ひとつだけ惜しいなと思ったのは、今回のベースが大きく変わったこのタイミングは、名前を変えるタイミングでもあったのではないか、ということ。そう、海外名のビターラに統一してもいいんじゃないかって。
 それにしても4WDで217万円(税抜き)は、ライバルと比較するとリーズナブル感がありますな。ただ、公のプレスリリースには販売予定台数は年間1200台って……、ちょっと弱気過ぎる気もしますが。

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