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#1749 パン屋さんに、ごぼうのペペロンチーノに、洋菓子屋さんほか、歩いて見つけた、自分だけのご近所スポットな話。

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 最近、やたら歩いています。歩くようにしています。って、かつては歩いていました。周辺はもちろんのこと、都心に出た時も。時間さえあれば、やたらと歩いていました。でも、いつしか歩かなくなっていました。ま、コロナ禍で家にいる時間が長くなったってこともあったんですが、いつしか、歩かなくなっていました。そうすると、もっともっと歩かなくなるもので、体重も、コロナ罹患後からドンと増えてしまいました。体重が増えるだなんてこと、なかったのですが(ちなみに学生時代から体重はほぼ変わらず)。  で、先月、健康診断にて体重が過去最高を記録したことを機に、意識的に、食生活はもちろん、歩くことを含めた運動ほか、心がけるようにしました。なので、最近は、時間がある時は再びに歩いています。今日は、週明けの準備でどたどただったのですが、隣町にある銀行窓口へ行かねばならず、ほか、行きたいところもあって、歩いてきました。結果、10kmオーバー、丘陵を上っては下りてを繰り返したので、そこそこに負荷がかけられたかな、と。  ただまぁ、歩くとですね、何かしら発見がありまして、おもしろいものです。右は近所にある団地の中を歩いていて見つけた、パン屋さん。寂しさ漂う商店街に出店して大丈夫? という驚きもありましたが、とはいえ、頑張っているスタッフたちを目にすると、自分も頑張らねばと思えてきます。  左の写真は、先日の散歩で発見したカフェでのランチ。ひとりでご飯することが不得手な者としては、かなりドキドキなランチだったのですが、ごぼうのペペロンチーノを頼んだら、こんな驚きがテーブルへとやってきました。食べやすかったかと訊かれると、決して食べやすかったわけではありませんが、無類のごぼう好きとしては、大満足なランチとなりました。それにしても、自分が入店するまで、誰もいなかったのに、入った途端に、ほぼ満席に。平日の14時過ぎだったというのに。不思議なカフェです。  ということで、今日は、このほかにも駅前にある昭和なカフェやら、洋菓子屋さんやら、酒まんじゅうを販売しているお店やら、クルマで通過するときになんとなく認識はしていたものの、そこをゆっくりと過ぎ去ったことで違った見え方があれやこれやとできました。おもしろいものです、ほんとうにおもしろいものです。というか、我が家の近辺、結構、愉しいんじゃないか? と思えてきました。引っ

#1746 スバル・クロストレック(日本仕様)の価格帯から見えている、今後の展開。

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 本日、スバルのクロストレック(旧XV)の日本での販売価格が発表されました。北米と比較すると、意識的に、それも相当に抑え込んでいますので、よくがんばりましたなぁ、といった感があります。一方で、予想どおりの価格帯にラインナップを広げたことは、少し前にリリースされたロッキーのOEMモデルであるREXの価格帯を意識したものでありながら、しかし、間が抜けてしまっているのも、また事実です。  右に表組み(税込金額)としてまとめましたが、眺めていただくと220〜250万円台がすっぽりと抜けていることが分かります。そして、さらに気づくのは、旧モデルの価格帯をカバーしているのが、新たに追加されたFFグレードであること。そうなんですね、このFFグレードには高くなったと感じさせない役割がありますし、もし、それに気づかれたとしても、機能、装備充実を謳うことで、価格アップをフォローできるという、理由付けまでしっかりと織り込まれています。まぁ、それは、事実であり、スバルらしい価格体系とも言えるもの。いずれにしても、その間の空いてしまった価格帯には、後々に、いや、近いうちにか、なにか突っ込んでくることは明白です。それが、ロッキーのターボモデル(4WD)なのか、クロストレックのガソリンモデルなのかはわかりませんが、クロスオーバーモデルとして何かがないとおかしいラインナップになっていることだけは確か。言い換えると、このBセグメントクロスオーバーゾーンはボリュームゾーンですから、抜けたままにはいかないはず。トヨタから、ヤリスクロスを借りてくるとも思えず、さてはて、どうするのでしょうかね。  そうそう、クロストレックの日本仕様は、やはりサスペンションを専用にしているようで、全高1550mmを守ってきました(ルーフレールなどない仕様)。さすがに乗り味に固さは残っていないと期待してしまいますが、どうなんでしょうね。そのうちにレポートしましょうかね。

#1743 三菱eKクロスEV、日常でどこまで使えるか、どんな乗り方をするならオススメか、検証してきました。その2

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 その後、自宅へ帰るために、千葉からアクアラインを利用して川崎へと渡ったわけですが、フルを目指して充電していなかったこともあり、八王子まで戻るにはどこかで充電しなければなりませんでした。調べると、アクアラインの海ほたるにひとつあるのですが、それこそ、戻りの観光客に巻き込まれそうだったので期待せずに通過し、川崎市内にある三菱ディーラーを目指しました。街道沿いにあるディーラーでしたが、時刻は20:30にも関わらず、真っ暗。といいますか、まぁ、ディーラーは閉まっている時間帯ですから、充電スタンドも真っ暗。あまりに真っ暗すぎて、ロープが張ってあるんじゃないだろうかと目を凝らすほどに見えないくらいに真っ暗。それでも、入って行くと「侵入」を検知されて照明オン(写真はその状況)。できれば、入ってからではなく、入る前からある程度照らしておいて欲しいなとは思うのですが、ただ、ムダな電力消費にもなりますから、あれでいいのでしょうかね。  とはいえ、やはり照明がなにもないディーラーへと入って行くのは少々怖いもの。男性でもこう思うわけですから、女性はなおさらのことでしょう。ちなみに、この真っ暗な中での充電は、以前、BMWi3で無料充電スポットを巡るドライブを行った際にも体験しています。あの時は、どこかの市役所でしたが、それこそ、入り口も分からなければ、スタンド場所も分からずでしたっけ。今回は、充電を開始してクルマを置いたままに、近隣のスーパー(徒歩10分ほど)へトイレと買い物のために出掛けましたが、途中、24時間、充電スタンドを開放している日産ディーラー(写真右上)を発見。もちろん、真っ暗でして、そう、三菱も敷地内に入るまでは、こんな感じの暗さでした。入り難いでしょ?  翌日は、湯河原に住んでいる知人を訪ねつつのドライブを予定していました。ですので、朝、出掛けにフル充電していこうと思っていたのですが、こういう面倒って、先延ばしするんじゃなくって、その日のうちにやっておくとラクチンだからと、自宅近くのENEOSへと立ち寄りました。ここ、普通のガソリンスタンドなんですが、なんと、急速充電スタンドもあります。さらには、この敷地の端にはミニストップ(スタンドとは経営は別)があり、充電時間をコンビニで過ごすことができるのです  このガソリンスタンドにコンビニやカフェがあるスタイル、最近、よく目にしま

#1741 乗用車用タイヤと違って、SUV用タイヤは走行シーンによって3タイプがあります、ってな、動画撮影。と、その裏話。ダンロップ・グラントレックシリーズ(MT2、AT5、PT3)の紹介。

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 夏に、もうひとつ動画の仕事がありました。当初、社内用もしくは販売店用の撮影だと聞いていたのですが、気付いたらYouTubeに公開されてようで、それを身近な人から教えてもらいました。ただ、特別に社内用向けを意識した語りをしていないので、一般公開されてもなんら問題はないのですが。動画の内容は、ダンロップのSUV向けタイヤであるグラントレックシリーズの3タイプの紹介でした。クロカンモデルに長く携わっていると、SUV用タイヤには大きく3タイプがあることをあらためて紹介したほうがいいと思うことがあります。なぜならば、これまでSUVに触れてこなかった人たちは、タイヤは、エコか、スポーツか、コンフォートか、で捉えるのがフツーであり、このSUV用タイヤの、走行シーンによってタイヤを選ぶという感覚を知らないからです。ということで、この手の解説は、いまさらでありながらも、続けねばならんことだもと思っています。ちなみに、同じくタイヤを紹介している #1737のタフト+ジオランダーX-AT では、MTとATの間に位置する毛色の変わったモデルをインプレッションしていますが、ああいった動画での語りも、前提として今回のような3ジャンルの説明をしたほうがいいなと、あらためて感じています。  さて、動画撮影の話を。撮影班は前泊してほかのシーンを撮影していたようですが、自分は指定されたとおり当日の朝に集合しました。なんか、先生みたいじゃん、とか思いつつ。で、撮影前に、開発者の方に助手席に乗っていただきあれこれと話をうかがいつつ、改めてのチェックを行いながら……、あれ、いつしか、撮影されていたという、そんな流れでした。動画の中で語った自分の意見は、脚色することなく素直に思った言葉であり、一方で、開発者とのやりとり部はあちらの回答を意識した質問を先に投げ掛けたりもしています。ということでビギナーさんでも分かりやすい内容としたのですが(企画の意図どおり)、この動画を目にした、うちの母親(自動車免許なし、クルマのこと知らず)がですね、視聴後に、ヨンク用のタイヤは3種類あるのね、と語っていたので、内容、構成についてはバッチリだったと思われます。  そのほかの撮影裏話としては、今回のカメラマンさん、これまでスチールで散々にお世話になっていた方なのですが、動画撮影は初めて。で、この人、自由に語ってください

#1740 ジープ・グラディエーター、すごくいいんだけど、ネックは価格。そうそう、八重洲出版のJeep spirit vol.2発売しました。

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 執筆したムックが発売の運びとなったようなので、そこで取材したジープ・グラディエーターの話を。このクルマですね、ラングラーのホイールベースをさらにストレッチし、アンリミテッド(5ドア)のラゲッジルームをばっさりと切り落としてそこをベッドにしてしまったモデルで、つまりは、ダブルキャブなピックアップトラック。ただし、その全長は5600mmもありまして、アンリミテッドでは4870mmでしたからなんと730mmも長くなっています。ちなみに、ホイールベースは3010→3490mmと480mmもストレッチされていますので、デザイン上ではなんかバランスに欠けるなぁといった印象もあります。ラングラーを見慣れていますしね。で、この全長、ドライビングという面では、乗りづらさを感じるだろうと思ったのですが、想像していたほどには感じない。そもそも、現行ラングラーは最小回転半径が小さくなっており、取り回しにそれほど苦労しないことも功を奏しているのでしょうな。とはいっても、全幅は1900mm近くありますので、狭い路地でのすれ違いなどには気を遣いますけども。あとは、時間貸し駐車場を探すのに苦労します。さらに、賃貸に住んでいる方は車庫証明を出せる駐車場を探すに苦労するでしょうね。  そんなグラディエーターですが、トラックゆえにどこまで不快さがあるかと思いきや、むしろ快適性にあふれていました。それはレギュラーモデルのラングラー以上かもと感じたほど。本来、ピックアップトラックのリアサスペンションは相当な荷重に対応させるためにリジッド式を採用し、そこにリーフスプリングを組み合わせるのが常。そして、荷重が掛かることを想定したセッティングが行われているために、空荷では、ひたすらにリアがはねてしまう、つまり、乗り心地がよろしくないものです。ところが、このグラディエーターは、ラングラーをベースにしているため、そうなのですよ、リアサスペンションにコイルスプリングを組み合わせたコイルリジッド式を採用おり、空荷であっても乗り心地が悪くない。そして、さらにはロングホイールベース化により直進性が高められていることはもちろん、それなのに曲がるじゃん、という、まさにフツーな感覚にあふれています。このあたりは、トヨタ・ハイラックスとは作り込みに対する考え方が大きく異なっているところで、あちらは、実用性を最優先したモデルであり、

#1732 軽自動車にEVってすごくありだよね、を感じさせた、日産・サクラ、三菱・eKクロスEV。

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 何か書いていないなと思ったら、日産と三菱からデビューした軽乗用車EVのことについてでした。前回の東京モーターショーにて、日産がその存在を予告していましたので、あれから3年近くが経過してようやくかといった感がありますが、同時に、え、専用プラットフォームではなかったことに驚きを覚えました。ま、深く考えてみたら、現在、パワーユニットは、内燃機関から完全モーターへの移行期ですし、軽自動車枠がこの先どうなるかも分かりませんから、当たり前といえば、当たり前のことでしたけども。  というわけで、日産からは「サクラ」、三菱からは「eKクロスEV」というネーミングでデビューした両モデルですが、デザインや装備の組み合わせ方に違いはあれど、プラットフォームを共用していることはご存知のとおり。ってか、この話をすると、この事実を意外にご存知でない方も多いようで。えっと、両社の合弁会社であるNMKVが手掛けたモデルとなっていまして、モーターやバッテリーといったパワーユニット関連はもちろんのこと、シャシーまで共用しており、サスペンション形式が同じであるだけではなく、使っているパーツも同じ。ま、外装デザインや装備差によって、車両重量が下グレードでは10kgという差になって現れていますが。  ということで、ここでは両モデルをまとめて評価します。特に感心したことは3つありました。ひとつ目は、エアコンをオンにしようと、少々ラフなドライビングを行おうと、つまり、EVにとって意地悪なことをしようとも、バッテリー残量表示に「突然」の落ち込みが見られないこと。これは公道走行でのレベルであり、もっともっと意地悪をすれば、知りませんよ、知りませんけど、日常使いでは不満を感じるレベルではなく、そういった唐突感がないところまで、しっかりと設計していることに、イマドキを感じました。メーカーとしては、高速走行をした場合、エアコンをオンにした場合、さらにはバッテリーが劣化した状況などを、かなり想定して、180kmという航続可能距離を設定したとのこと。そうなんですね、あの180kmという距離には、かなりのゆとりが与えられた数値となっていまして、目指せ180kmなんて走り方も可能であり、そこにおもしろさがあるかな、とも感じました。  ふたつ目は、軽乗用車とEVの相性の良さなんですが、それを語る前に、まずもって、このボディに対し

#1731 FR・コンパクト・クーペをダイレクトに表現していた、BMW2シリーズクーペ。

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M240i xDrive Coupe  BMW・2シリーズクーペって、本国では発表になっていたけど、日本でもデビューしていたんだっけ? と、振り返ってみれば、去る3月1日に日本で発売を開始していました。括りとしては、2シリーズに押し込められていますが、その中にあってプラットフォームを共用しないという異端ポジションとなっている、モデル。そうなんですね、どこかでも書いたけど、ほかの2シリーズ(カブリオレ除)がFFであるのに対して、あえてFRを選んだ、モデル。時代の流れからしたら、大きく利益を出せないようなモデルをよくデビューさせたなと、感心しきりな、モデル。ちなみに、しっかりとは調べてはいませんが、北米マーケットに詳しい方によると、あちらにはこのパーソナル志向の強いコンパクトクーペというマーケットがあるとか。ただ、それはかつての安ければいい的なFFなクーペではなく、サーキット的なハイパフォーマンススポーツカーをイメージしたFRなクーペだとか。その火付け役でもあったBRZ/86(あえてこの順!)が北米でかなり売れているとのことで、現行型は北米を優先した発表・発売が行われたほどでした。 220iMスポーツ  ということで、BMWからデビューした2世代目となる2シリーズクーペですが、先のモデルよりも、そのあたりを強く意識したモデルに仕上がっていました。今回は、2.0Lターボエンジンを搭載した220iのMスポーツ仕立てと、直6/3.0Lターボエンジンを搭載してMさん(!)が手を加えたM240iの2台を連続して、日を変えて乗りましたが、結論を言ってしまえば、M240i大絶賛の一方で、220iMスポーツは遠慮したほうがいいモデルだと感じてしまいました。ちなみに価格は220iMスポーツは550万円、M240iは758万円で、その価格差は208万円もあるんですが、まぁ、ここまで出せる方は、200万円差なんてあまり気にならないでしょうから200万円プラスしてM240iを選んだほうが幸せ度はどーんとアップすると思います。下取り価格に、そこまでの差が出てこないことは覚悟の上で。  で、その理由ですが、と、その前に、シャシーの違いに触れておきましょうかね。実は、ともにそれぞれのグレードに合わせたMスポーツサスペンションを搭載しているのですが、駆り出したM240iには、さらにオプション設定されて

#1730 アルカナと印象がずいぶん違っていた、ルノー・ルーテシア E-TECHハイブリッド。

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 気がついたら1か月が空いていました。ここに残しておきたいネタはたくさんあったのですが、あれやこれやとエンバーゴが掛かっていて、そこに多忙が重なり、タイミングを見失っていまして。ということで、まずは……と思って、写真ライブラリを探ってみると、おっと、ここからですか……、ルノー・ルーテシアに設定されたE-TECHハイブリッド搭載モデルから。 同ユニットは、ひと足先とばかりにアルカナに搭載され、そのインプレッションは #1719ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。  にて、残していますが、あのですね、えっとですね、印象が違った。あちらはどちらかというと、あれこれと初だったこともあって、特別であることを演出しすぎたかのような違和感を覚えましたが、こちら、ルーテシアは違った。すべてが素直、といった印象で、つまり絶賛系。同じユニットなんですが、商品性やらバランスの取り方によって、こうも印象が異なるものかと、驚いていたりします。ま、言い換えると、ルノーらしさでもあり、海外ブランドの場合、こうした仕様違いで、好みかどうかは大きく変わって来るものだったりもしますけど。  で、ルーテシア。そもそものガソリンエンジン搭載モデルに対して、その実直たる設計に打ちのめされ、そしてオーバークオリティ加減に、ここまでは不要だろう? いや、でも、この走りは、ボディ、シャシー、シート、デザインまで、ひとつでも欠けたら成立しないよな、と感じさせるものでした。つまりですね、ベースポテンシャルはすこぶる高く、Cセグにプレミアムを感じさせるモデルという手法は、もはやBセグまで降りてきたといった感がありました。そんな高いポテンシャルがルーテシアにありますから、新しいユニットを搭載したところで、悪いわけはなかった。たとえば、ステアリングフィール。そこには行き過ぎたクイック感などなく、素直な印象でして、具体的にいいますと、ステアリング切り始めから操舵感がしっかりとあり、もちろん、タイミング遅れはありますけどそれを消し去ろうとしたというよりも、全体のバランスから、このぐらい残しておこうか、という開発者の対話が見えるかのよう。コーナリング時のアクセル踏み増しに対しても実にリニア。パワーフィールそのものも、ステアリング操舵量やペダル踏み込み量に応じた、そうな

#1727 もうAirサブブランドはやめたほうがいいと思うAppleの戦略と、これから襲ってくる物価上昇(円安)の恐怖を感じたって話。

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 今回、朝起きて、いきなりの衝撃を受けたMacBookAir(M2)について思うところを少々語りましょうかね。MacBookAirは、薄いこと軽いことを命題として2008年に登場したモデルで、簡単な話、光学ドライブを取り去っただけとも言えるのですが、当時、まだまだ需要のあった光学ドライブを取り去るという大英断は、iMacでFDドライブを捨て去った大胆さに通じるところもありました。ちなみに、当時を振り返ってみると、気軽に持ち運べる端末は絶対的な支持を得ていまして、ネットブックと呼ばれるスタイル(Windows)が不可思議な人気を得ていました。もちろん、そこには低価格もあっての人気でしたが、実際には、メモリ容量、レスポンスといった面で、実用性に乏しいという強烈なマイナス面をもっており、流行前にすぐに消えていったという印象があります。実際、スティーブジョブズも使えないモデルと批評し、アンチテーゼ的なモデルとして、2010年にストレージをHDDからSSDへとスイッチさせてさらなるコンパクトを実現したMacBookAir11インチを追加します。まさに、軽さと薄さと使えることと、低価格をバランスさせたモデルですな。  すでに、全体のレスポンスを鈍らせているのはHDDへのアクセススピードであることはわかっていましたが、アクセス速度の速いSSDを採用することによって、性能の高くないCPUを組み合わせても、不足を感じさせないどおろか、十二分にレスポンスを語れる仕上がりに。そして、このスタイルが、Appleとして、また、PC系を含めた、ノートブックのメインストリームとなっていきます。しかも、Windowsまで動くMac(MacbookAir)は、性能やらを比較するとWindowsノートよりもリーズナブルだ謳われたのもこの頃から。ただですね、時代は流れ、ストレージにSSDを採用することが当たり前になると、macbookそのものを薄くするというアプローチを採用し、それまでAirがアドバンテージとしていたトピックとはならなくなっていきます。そこで、Airは、ベーシックなノートブックであることをアピールしたものの、サブネームの付いたモデルのほうがリーズナブルって、ぱっと見理解できないですよね。つまり、ユーザーを戸惑わせるサブブランド名となっていきます。  これは、iPadにも採用したのですが、

#1726 Mac製品の値上げに、WWDC2022での肝心な発表が一瞬霞んでしまった話。

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 日本の今朝方ですね、アメリカ本国で、Appleの世界開発者会議(WWDC22)の基調講演がありました。いわゆる新製品発表会でもなく、また、業績発表でもなく、あくまでも開発者向けの会議。WWDCスタート時は新製品発表もありましたが、最近では、秋から年末にリリースされる新OSの新機能発表を中心として、ただ、プラットフォームとして何がしかの関係ある時だけ新製品発表を加えていました(2019ではMacproとモニタを発表)。つまり、最新を探るに楽しい「会議」となっておりまして、開発者ではなく使う側であっても、どんな新機能が登場するのかを知ることは楽しみであり、最近ではライブではありませんでしたが、その基調講演を見ることにそれなりのワクワクを感じていました。  で、今回ですが、そんな理由から新製品への期待はなく、むしろ、1年ごとにOSや機能をアップデートしていかなければならない、このサイクルに疑問を感じていましたが、結論としては、かなり印象に残る WWDC2022基調講演 でした。そう、いい意味でも悪い意味でも印象に残るWWDC開幕となりました。基調講演は日本時間の深夜2時からスタートするのが恒例なのですが、一昨日あまり寝ていなかったことから24時ごろには爆睡し、気付いたら朝6時になっていました。で、国内外の知り合いから届いていたメッセージを見ると、M2搭載のMacBookAirが登場したとのこと。ほうほうと思って、まずはデザインやらをチェックしにいくと、なんと16万4800円から、となもし。と思ったら、従来のM1チップ搭載モデルも残っており、そちらは13万4800円から。なんだ、この日本円での高値は……、からの、まさかと思って、今回改良を受けなかったモデルをチェックしてみれば、                Macmini          8万80円                →        9万2800円〜                MacStudio   24万9800円〜      →      27万8800円〜                iMac         15万4800円〜      →      17万4800円〜 ※旧価格は、発表時(税抜き前表示)に1.1を掛けた数値で、不正確なところがあります。おおよそに捉えてください。  おいおい

#1725 フィエスタのブレーキパッドとローターを交換したら、ほかが気になり出したという話。

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 ジムニーがいなくなってフィエスタ1台体制になったらですね、フィエスタの走行距離がぐんぐんと伸びています。それでも、コロナ禍前よりは伸びは少ないですが、伸びてます。ただ、フィエスタ1台になって、フィエスタをノビノビと堪能していたかといえば、そうでもありませんでした。ま、オフロードへ入って行けないというストレスもありますが、それとはちょいと違いまして、恐る恐るドライビング、ブレーキペダル操作に気を遣っておりましてね。少し前、広報試乗会へとフィエスタで出掛けた際、帰り道の箱根な下りでブレーキフィールからジャダーを感じ、パッドというよりローターが要因であることを感じ取っていました。ただ、パッドはまだ残っているからもう少ししてから、パッドとローターともに交換しようと目論んでいました。  ちなみに、このフィエスタのブレーキフィール、以前にも触れていますがすこぶる好みでして、すごくいい。この世代のフォード・フィエスタはマツダの先代デミオとプラットフォームを共用しています。んが、味付けとなるフィーリングはフィエスタオリジナルチューニングがあちこちに見られ、ブレーキフィールもそのひとつ。具体的にいいますと、ペダル踏み込み量にしたがって制動力がキレイに立ち上がってくるキャラクターでして、今どきのブレーキフィールとは異なるもの。もちろん、そのストローク量も多め……、と、好みそのもの。ですから、できることならば純正にしたいという考えもありましたが、純正パーツを利用すると工賃込みで約9万円との見積もりが……。  そんなこともあって、交換を躊躇していましたが、昨今ではかなりひどくなってきており、発進した直後からブレーキペダルに頼らず停止する方法を模索していたりして、まさに、乗るたびにストレスを強く感じるように。んで、本日、意を決して、交換。で、交換後のフィーリングですが……、パッドはOEMのフツーのキャラクターを選択しましたが、それでも制動力の立ち上がりは早く強くなっていますので純正と比較して気を遣います。ただですね、それとは別に、ジャダーがないってこんなに気持ちいいもんだっけか? と、ちょっと感激していたりもします。ブレーキを心置きなく踏める自由とでもいいましょうか、……、違うか。  で、で、そんなフィーリングに心地よさを感じて走っていたらですね、ターボエンジンの頭打ちフィールが気に

#1724 すこぶる考えられていた展示手法に圧倒された、トヨタ博物館の話。

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 トヨタ博物館へと出掛けてきました。先の大型連休から今年の7月18日(月)まで開催されている 企画展「Here’s a Small World! 小さなクルマの、大きな言い分」 の取材です。その内容は、この企画展のタイトルに集約されていますが、と言いますかね、タイトルとして秀逸でして、小さなと大きなの字面から途中に読点を入れているところまで、これ以外に考えられないと言わんばかり。これ、すごいですね、ほんとすごい。  と、まぁ、すでに現地に赴く前から、すでに感心していたわけですが、これが、実際に足を運んだら、すばらしかった。この手の企画って、ヒストリーに沿って紹介するのが定番ではありますが、この企画展では、テーマを「光る性能」、「独創的なデザイン」、「操る楽しさ」の3つに分けて展示。それぞれのテーマ性を明確にしたテキストはもちろんですが、たとえば、「操る楽しさ」ゾーンでは、ヨー慣性モーメントとは云々なんて数式まで堂々と「描き」、広く理解してもらえるかどうかはさておき、イメージとして、つまりはそこにビジュアル的な要素を与えてしまうという手法を用いていまして、圧倒されました。言い換えますとね、アート系含めて、展覧会、博物館へ足を運んだ時にたまに出会う「やられた感」であり、正直、自動車メーカーの博物館への期待とは異なる驚かしに、企画者の意図としてクルマを文化と捉えている、ということが、ダイレクトに伝わってくるものでもありました。  ということで、当初は、その企画的について書こうと思ったのですが、6月上旬には誌面で展開されますので、ここでは、そのほかのトヨタ博物館で受けた衝撃の数々を記していきましょうかね。ここトヨタ博物館は、大きく、クルマ館、文化館と名付けられた2つの館に分けられていますが、まぁ、その仕立てたるや、先に触れた企画展の練り込まれ方そのまんまが表現されておりまして、感心しきり。クルマ館のメイン展示では、もちろん歴代のクルマをタイムラインで並べているものの、そこに欧州、国産、北米という異なる3つの流れを車両配置を用いて表現していたり、その中にスポーツカーといったテーマが設けられており、もう、見飽きません。  そして、そのクルマ館に、今年の4月にオープンした 「クルマづくり日本史」 がこれまた素晴らしかった。いわゆる、日本におけるクルマ産業はいかにして生まれたかをテ

#1723 ここぞとばかりに誇示しないパワーフィールが、心地よさを作り上げていた、BMW118d。

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 続いては、BMW1シリーズです。これまでのFRベースからFFへと変更を受け、キャビンスペースを大きく広げた現行モデル。結論からいえば、BMWがFF? なんて批判する時代は過ぎ去ったことを感じさせました。むしろ、FF化によってリアシートの足下スペースがしっかりと確保されていますから、これでいいのでしょう、いや、これがいいのでしょう。もちろん、プラットフォームでいえば、MINI CLUBMANや、日本名クロスオーバーと共用していますから、そういったBMWグループにおける目論みを考えるとなおさらのこと。見えてきます。逆にいいますとね、いわゆる小さいミニは今後どうするんだろうか。彼らだけでやっていけるんだろうか、なんて勝手に思うところもあったりするわけですが。  というわけで、そんなBMW1シリーズですが、ディーゼルエンジンを搭載した118dをテストドライブしました。パワーユニットは2.0Lですが150PS/35.7kgmバージョンであり、この一見やる気なさそうな、でも、トルク35.7kgmもあるの? ってなユニットのポテンシャルたるや、これぞ実用といわんばかりのフィーリングをしっかりと作り上げていました。もちろん、アイドリング中はディーゼルかつ直噴特有の燃焼音を轟かせていますけど、ちょいとアクセルを踏み込んでも過激なトルクを発生させることなくトルクをズイズイと増して行く。いやー、トルクって、ほんとステキと言いたくなる、あのフィーリング。そんでもって、ちょいと踏み込むと4000回転までグーッとパワーが盛り上がってくる、軽快感まで併せ持った最新ディーゼルユニットのポテンシャルが感じられます。  ハンドリングについては、試乗会で乗った時にはFFであるとか以前に、実はもうちょっと操舵感があってもいいのではないか? と感じていたのですが、今回はそんなことを感じさせず。乗り心地については、BMW流の固さとバネ下の重たさを感じつつも、とにかく接地感が豊かで、高速走行になれば、先のディーゼルユニットとのうっとり感にリンクするかのように、ひたすらに安心かつ快適を披露。つまりは、なかなかよく仕立ててあるじゃないかと感心しきり。そして、どちらのタイヤをはいていらっしゃるのだろうかと確認すれば、おっと、ハンコック。もちろん、BMWお墨付きマーク付き(実際に刻印がされています)。  ちなみにハン

#1722 現行型MINIの中で、ベストバランスじゃないか? を感じた、MINI COOPER S CLUBMAN ALL4。

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 乗り込んでいたつもりが、乗り込んでいなかったモデルを乗り込んでいます。そう、公道試乗会という短時間では分からないポテンシャルを観察する(したい)と思う車種を選んで、テストドライブしています。そんな1台が、このMINI COOPER S CLUBMAN ALL4。ってか、このMINIの車名表記、グレード名が先に来るので、ぱっと見、分かり辛さがありまして……、云々。というわけで、でっかいほうのMINIの、クーパーSですな。ちなみに、MINIにはでっかいのと、ちっさいのと、2ラインあると語っても、良くも悪くも理解されません。でっかいの=5ドアと思われてしまう節がありますし、セグメント分けって感覚が広く一般にはないこともあって。ま、現行型CLUBMANは、いわゆるプレミアムCセグメントに属するモデルで、ほかブランドのモデルでいえば、フォルクスワーゲンのゴルフにあたります(小さいほうはVWでいえばポロね)。  さて、クーパーSといいますか、昨今の高出力かつスポーティサスペンションを組み合わせたグレードとして、BMWでは2シリーズグランクーペM235iにて、相当な感激を受けましたが、今回も同様でした。アダプティブサスペンションがプラスされていることもありますけどね、組み合わされている18インチは、標準の17インチよりも行き過ぎなはずなんですが、それを感じさせないどころか、路面トレースが実に美しい。アンジュレーションを心地よくなぞり、もう、4輪がばらばらに動く様が気持ちいい。もちろん、工事後の継ぎはぎ路面では、落ち着きのなさを感じさせるところもありますが、気にならない。深くストロークした際のリバウンドフィールには、確実に突き上げ感から逃げようとした仕立てが意図的に込められていることを感じさせますが、よくやってるじゃんと評価したくなるほど。なんていうんでしょうかね、クーパーSたる走りを確立しながら、日常使いに言い訳をしない、このスタンス、もう天晴れです。    といいつつ、助手席Aピラー付近からビビリ音が出ているあたりに現行型デビューからの年月(登録年月日じゃなくってね)を感じさせたりしますが、いや、いいでしょ、このバランスと、すべてのマイナス面が吹き飛びます。そして、この仕立て。この車両にはMINI YOURS TRIMというパッケージが採用されており、スポーツシートはもちろん

#1721 奥が深そうと誘いあれど、あの渋滞には耐えられません、ってな、湯河原・真鶴地域。

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 大型連休は動くことなく、じっとしていました。これまでだったら、能登行きも知人の都合に合わせていましたが、知人のひとりがフリーになったこともあって、ハイシーズンに出掛ける必要性が消えまして。ということで、じっとしていました。ま、コロナ禍は終わっていないというスタンスでもありますので。で、連休が過ぎ去ったので、でかけてきました。あちこち。そのひとつが、例の湯河原。2週間少し前に訪れた時には新緑の勢いが目立っていた風景も、連休が明けると、どことなく成長期が止まったかのような安定性、つまりは、より落ち着いた感が生まれていました。今回、訪れたのは、在住の知り合いからはちょっと海を見てくれないかとの依頼もあってのこと。で、真鶴から湯河原の海を見て回ったのですが、あらためて訪れ、また、観光という視点で見つめ直すと、おもしろい発見がいくつもありました。牡蛎の養殖を行っていたり、シラスを専門としたこじんまりとした直売所があったり、唐突に地ビール醸造所があったり、さりげなく海岸沿いの公園にはきれいに整えられた町営テニスコートや海釣り公園があるなど。しかも、意外にも小さな漁港に駐車場が用意されていたりして、都会から近い海は、そういった観光客(クルマ事情)にも対応できるスタンスがあるんだなぁ、と感心しきり。ま、言い換えると、都会の人向け、お気軽観光地という面が強いんですが、ま、そこは捉え方次第かなと。里山里海たる能登のダイナミックさとは、半ば対称にあるようにも感じました。  ただまぁ、深さがあるなと感じさせたのは、知らない湯河原・真鶴が、歴史を含めて、たくさんありそうだなと気付かせてくれたところ。って、途中の食事どころで目にしたんですが、真鶴手帖という小冊子がありまして、これがよく編集されていましてね。正直にいえば、あと少しを感じたところもありますが、奥付けを確認(編集者のさが)すると、たぶん、真鶴町が発行元とあり、価格も付いていませんから、低予算の中でまとめ上げたんだろうなという、苦心が目に浮かびます。その割(失礼!)には、よくできていたと思いまして、これ、一冊手元においておきたいなと思い、販売していないならば、話を聞こうと役場へと出掛けてみれば、やっぱり非売品、でも、無料配布もしていないとのこと。ただ、有料での販売を考えているとのことだったので、これは、良くできているから、早々に売っ

#1720 多くの人が通過してしまうところだけど、とってもいい絶妙なバランスを作り上げていた湯河原

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湯河原惣湯Book and Retreatの入り口にある玄関テラス  自分の、人と同じはあまり好きではない、言い換えると、人が興味ないことに興味をもつというキャラクター(!)は、どこから来ているんだろうか、と思うことがあります。ま、そこに価値を求めて、んー、自分ってスゴイじゃん、とかって思っているわけでもなく、実はよく分かっていません。メインストリームが嫌い、とも違うしな。たとえば、足繁く通う地でいえば、八ヶ岳にしても、北杜市に代表される山梨県側ではなく、かといって、長野県に入ったところにある茅野やらでも、また、その反対側に位置し、電波望遠鏡による観測所のある野辺山でもなくて、そこって、八ヶ岳山麓なの? といわれてしまう地域が好きだったりします。能登半島でいえば、輪島とか、棚田とか、七尾とかは、好きくなくて、といっても半島の先にある珠洲市全域が好きというわけでもなく、その中でも人気(ひとけ)のあまりない外浦が好きだったりします。あ、書いていて気付きました。それを自慢したいわけではなく、たんにひねくれものなんですな。もし、ひけらかしたいならば、ここに、地名やら、店名やら、住所やら、載せていますもんね。  さて、そんな地のひとつに湯河原があります。伊豆半島の付け根、神奈川県と静岡県の境にある地、そもそも、父親の実家が神奈川県西部であることもあって、そもそも馴染みのある地ですが、地名から伝わってくるお上品な響きほど注目されていない(とはいっても注目されているけどさ)こともあって、わりと好きな地域だったりします。ま、もう少し言えば、その手前の根府川のほうが好きだったりします。みかん畑へ上って行く道とか、海岸へ繋がっている道とか、手付かずがたくさん残っているところとかね。で、話を戻して、湯河原。最近、東京からあの地域へと居を移した知人がいまして、海岸から山側まであれこれと紹介してもらって、その魅力を再認識しています。  で、そんな誘いもあって町内を散策してみれば、以前から観光スポットとして知られていた「万葉公園」が、湯河原惣湯Book and Retreatという名称を得て、雰囲気を大きく変えていました。ま、イマドキの言葉でいえば、癒やしな空間。源泉掛け流しの湯がある惣湯テラス、足湯とカフェとコワーキングスペースが集まった玄関テラスと、もう、その言葉遣いにむずかゆさを感じるの