#1774 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その2


 さて、続きです。ということで、それぞれのブース(ブランド)が表現したかったコンセプトは、果たして、どこまで来場者に伝えられたのかは、まったくもって分かりません。たとえば、日産のクレイモデル3台、CG2台という、計5台でコンセプトカーを表現していたことについて、会場に足を運んだという知り合いに話を聞いてみると、分からなかったと。そうなんですね、「ハイパーフォース」に目を奪われ、「ハイパーツアラー」にワクワクを感じたとこまでは強く印象に残っていたようですが、ヨシダイチオシだった「ハイパーパンク」については、ん? ってな、回答。まぁ、3連休の大混雑ぶりの中では、仕方なかったのだろうな、と思いつつ、逆に、ホンダのエリートジェットに乗った? とか、目立つモノに触れられた、それこそ列に並べた、といった言葉が返ってくることが多くありました。


 そういう意味合いでは、ダイハツのビジョンコペンあたりはすごく分かりやすく、また、その完成度も実車テイストにものすごく近かったこともあり、人を集めていた理由はストレートに分かりやすかった。まぁ、この表現方法こそが、従来のモーターショーだったのかな、と思うところもありました。ただ、個人的には、ダイハツでは、コンセプトを強く表現していた「OSANPO(オサンポ)」が強く印象に残りましたし、このテーマをうまく市販車に落とし込んで欲しいな、なんてことを感じていました。あ、ダイハツでいえば、考えてみますとね、コンセプトモデルとして、EVモデルでもある「UNIFORM TRUCK/CARGO(ユニフォームトラック/カーゴ)を展示しながら、会場の端には、早々にデビューを予告しているハイゼットのEVモデルが置かれていたことに、今回はひょっとしてなくても良かったのでは? と思わせるところもありました(ちなみにプレスリリースの中に出展車両としては書かれていなかった)。


 ブースコンセプトも、出展車両も楽しさがあったのは、三菱ブースでしょうかね。会場入ってすぐのところに位置していたこと、隣の日産ブースで「ハイパーフォース」に人が集まっていたこと、ほぼすべての市販車に乗ることができたBMWブースが目の前にあったことなどから、人が多く集まっていていました。個人的な意見とはなりますが、最近の三菱は、自らの存在価値を広めるのキーを見つめ直し、実直に展開しており、製品もすごくバランスよく仕上がっています。そんな中で、デリカD:5の今後はどうなるんだろうか、次期型は考えてくれているんだろうか、という回答として、「MITSUBISHI D:X Concept」を出展。前回のモーターショーで、わりと実車に近いテイストで登場していた、後のアウトランダーへと繋がる「MITSUBISHI ENGELBERG TOURER」や、サイズは違いますけどそのフェイスデザインはトライトンへと多くを引き継いだ「MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)」よりも、このD:Xコンセプトは実車に落とし込めないテイストが表現されていましたが、それでも、今、開発してますよ、待っててくださいね、的なメッセージが前面に打ち出されていて、良かったのではないか、とも感じました。

 あとは、BYD。どうせ、BEVはまだまだ普及しないよ、という、日本中に漂う空気感を打破するかのような勢いが、日本未導入モデルまで所狭しと並べられたブースから伝わってきました。勢いを感じたとでもいいましょうかね。デザインの好みはあるのかなと感じつつも、ドアの開閉から内外装の質感まで、すごくよく仕上がっていました。個人的にBEVに対しては、どうせ普及しないから、というスタンスを持っている人は、今は選ばないほうがいいと思います。現状において、困ることばかり考えて乗っていてもつまらないでしょ? それよりも、BEVの走りに対して、利便性について、ワクワクを抱ける人に選んで欲しいなと感じた次第。そういう意味合いもあって、このBYDに対しては、強い存在感を覚えたのでした。


 気になったブース(ブランド)にトヨタ車体がありました。そこには、コンセプトモデル含めた、これまでのモーターショーテイストがあふれていましたが、トヨタとは少々異なったアイディア感があり、あ、これいいなぁというモデルが展示されていました。それが、写真のX-VAN GEAR CONCEPT」。いわゆる、ミニバンとSUVをバランスさせたモデルであり、デリカD:5シリーズに似たコンセプトをもっています。ただ、印象的だったのは、そのバランス感覚もさることながら、インテリアに、こんなのあったらいいよな的な装備を施していたこと。たとえば、室内に電源レールが配置されており、そこにデバイスをつなぐことで充電可能とか。あとは、エクステリアにしても、ボンネットからリアまでストレートにつなぐラインが、すごく整えられていたし、キャビンボトム(シート座面を含む)までをブルーにして、上をアイボリー系でまとめた組み合わせも、ものすごく好印象でした。

 ということで、気づいたら、モビリティショー開催から1か月が経過していました。お祭りはあっという間に過ぎ去ってしまった、といった印象でしょうかね。それにしても、早かった。ということで、今回は、3つの媒体で、モビリティショーについて執筆しました。ただ、残念なことに、発行されてから、そのうちの1媒体がwebへ完全移行してしまうことを告げられました。いやー、時代なんですな、時代。そんなことも強く感じたモビリティショーでした。

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