#1742 三菱eKクロスEV、日常でどこまで使えるか、どんな乗り方をするならオススメか、検証してきました。


 三菱からデビューしたeKクロスEVの動画の製作をしてみようと、素材をあれこれ撮影してあるのですが、どうつなげようか、どう表現しようかと、戸惑っており、いまだにアップできていません。いや、何もできていません。でも、考えたら、文字でもアップできていませんでしたので、とりあえずは文字でまとめてみます。そうすれば、動画を作るきっかけになりそうな気もしますので。車両のインプレッションは#1732に残したとおり大絶賛です。バッテリーを含めたEVユニットによって増した車両重量が、シャシーにしっとりとした動きを与えていまして、軽乗用車が不得意としていたリアシートにおける乗り心地に大きく改善したところなんて、怪我の功名(といったら怒られそう)的で、こういう設え、すごく好きなアプローチだったりします。あ、パワーやレスポンスはいうまでもありませんな。とはいってもですね、いくら個々のスペックが優れていようとも、実際に、どこまで日常で使えるかは、数日試してみないとわからないもの。ということで、三菱のeKクロスEVを借り出して、あれやこれやとテストしました。

 まずは、パワーユニットに関するスペックを。
   駆動用バッテリー容量 ……  20kWh
   充電時間 普通充電  ……  約8時間で満充電
        急速充電  ……  約40分で約80%充電
   一充電航行距離    ……  約180km(WLTCモード)
   モーター出力     ……  最大トルク 195Nm

 となっています。今回は、数日の付き合いになりますから、充電はどこかでしなければなりません。なので、いちばんのキーは、どこで、どのタイミングで、充電するか、にありました。で、まず確かめたかったのは、本当に約180kmも走れるのか、そこまで走れなくともどこまでその距離に近づけるのか、でした。借り出した後は、少しの下道を走った後にいきなり有料道路に乗った、つまり、電力消費の面では不得意とされる高速での走行を行うこととなり、少しの心配がありました。ただ、目的地までの距離は約40kmほど。ま、大丈夫だろうと、有料道路に乗ったらですね、途中チェックをすると、約20kmを走行したところで、バッテリーは12%減(バッテリー100%分に換算すると約167km走行可能)、目的地へと到着してみれば45.2kmを走行してバッテリーは29%減(同じく155km走行可能)に留まっていました。速度はトロトロではなく、流れにしっかりと付いていき、時に追い越しも行うという、普通なドライビングをしてのこと。意外にも低電費で驚きました。そして、さらに驚いたのは、残りどれぐらい走れるかを、走り方ほかを考慮して残距離表示がですね、かなり正確……、といいますか、残距離を気持ち少なめに表示しているので、ドライバーは安心していられる、そんな頼れる残・距離計となっていました。そう、EVに限らずなんですが、未知(未体験)の工業製品に触れる時って、それがどこまで頼れるんだろう、信頼できるんだろうと思ってしまうものです。ところが、たかが、この、残りの走行可能距離を示してくれる計器が、こちらの思った以上の働き(表示)をしてくれると、途端に安心感が生まれてきて、クルマそのものに対しての信頼感、親近感まで沸いてきます。そんな感覚をいきなり味わうことになるとは思わなかったので、ちょっと驚いてしまいました。

 最初の充電は、アリオを中心に、ほかにいろいろなショップが集まっている駐車場で行いました。充電スポット検索を事前にwebで確認したところ、そこには急速充電スポットは2か所あるとのこと。ところが実際に行ってみると、スポットが立体駐車場にあるのか、地上の平面駐車場にあるのかが分からず。と、迷っていると、充電スポット案内看板を発見。それに従って駐車場に入ったところ、すぐにT字にぶちあたったものの、どちらにあるかの表示はなし。よくわからないまま、結局のところ地上の平面駐車場場内をウロウロして、ないなぁ、と立体駐車場へと上がって行ってみたものの、やはりどこにも見当たらず。昨今のモール街の大型駐車場は、一方通行的に走行ルートが決められているところが多く、勝手にグルグルも回れないのでたいへんでした。と、このままだと駐車場を出てしまうぞ、と思ったところに、発見。これはあとで分かるのですが、大きな駐車場では、建物の出入り口に近いところに設置されてことが多く、出入り口を探すことがポイントとなります。
 と、急速充電スポットを発見したのはよかったんですが、なんとですね、張り紙がしてあってトラブルで使えませんとのこと。充電スポットをリサーチできるwebには、場所はもちろん、急速か普通か、営業時間まで書かれているのですが、そこが使える状態かどうかまでは記されていません。つまり、行ってみて、今回のように、おっとどっこいということがあるわけです。仕方ないので、もう1台あるという、別の駐車場へと移動することにしました。で、移動中に見かけたのですが、アリオには普通充電器がたくさん並んでいました。ただ、現状、EVは多くはありませんから、その普通充電器のところに、EV以外のモデルも停めてもいいよと、張り紙がされていました。

 結局のところ、もう1台の急速充電器は先約に使われており、バッテリー残量もそれほどシビアではなかったので、とりあえず普通充電器に接続。そして、帰ろうと駐車場へと戻ってきたところなのですが、急速充電スポットが空いたのに、わざわざ普通充電スポットにて充電しているEVモデルがいました。ん? なんでだ? と、不可思議を覚えましたが、気付きましたよ。EVは、外での充電スポットを利用するためには、ビジター的な充電会員になるか、自動車メーカーなどが用意している充電サポート会員にならねばなりません。ちなみに、後者は、リーズナブルな料金で電力を利用することができまして、たとえば、三菱の場合は入会金1650円のほかに、月額料金1650円の支払いで、急速充電は有料となるものの、普通充電は無料で充電することができます。そうなんですね、あのEVモデル、無料となる普通充電をあえて選んでいたようなのです。
 いうまでもなく、普通充電は時間を要します。そうすると、EVでやってきた人たちは、その間はモール街で過ごすことになり……、モールとしては、お客さんの足を引き止められることにつながる、と。言い方はちょっと違うような気もしますが、win-winってやつなのか、片方winなのかわかりませんが、そんなメリットが店舗側にはあるようです。
 ちなみに、普通充電器を利用していたそのEVモデル、美しく乗っている感じなく、見栄えもあまりよろしくなく……、と、ここでさらに気付きましたさ、あー、なるほど、少し古くなったEVをリーズナブルに手に入れて、そして、無料となる普通充電を活用することでランニングコストを抑えた乗り方をしているのか、と。はぁ、なるほどねー、賢いねー、イマドキだねー、と感心しきりでした。なんだか長くなってきたので、次へ続けましょうかね。

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