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#453 ビジネスホテルのユニットバスは実は不要だった、という話。

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 金曜日に箱根にて新型車試乗会、そして日曜日に伊豆にてトークな仕事があり、あれこれ考えた末に、東京に戻ることなく、静岡県東部に滞在しておりました。もちろん、帰京したほうが費用はかからないのですが、年度末&週末&春休みという渋滞悪条件を考えるとわずらわしさが真っ先に思い浮かびまして、…中略…、2泊滞在を決意しました。まぁ、結果、原稿書きもできましたし、静岡の知人たちと会えましたので、こういうのも良かったのではないかと思ったりしています。  宿ははじめてのところでした。5000円未満でありながら、チープさがないことを条件に探して見つけたんですが、到着してみれば価格以上の心地良さがあり、びっくりでした。で、そのオドロキは、たんに価格以上ではなく、へぇ、なるほどね、こういう考えもあるのね、というオドロキのほうが多くて、そういう意味でも愉しめました。  たとえば、写真のシャワーブース&トイレ&洗面台。これ、部屋にいわゆる仕切りドアはなく、ベッドの向こうにガラスを隔ててあります。つまり、ワンルーム状態。ただ、ふっと考えてみると、どうせ一人なわけですからドアなんぞ不要ですし、いわゆるユニットバスを押し込み仕切ってしまうよりは、広さを感じさせることができます。しかも考えてみれば、ビジネスホテルのユニットバスって、湯に浸かることってほとんどない。そう考えると大浴場があればいいわけですし、って、このホテルはまさにそういう考え方からか、大浴場がある。  そう、いわゆるビジネスホテルの定番レイアウトとは、実は合理的ではなく、あれやこれやと無駄があったことを発見したわけです。ただ、住む場合のワンルームレイアウトはまた別の話なのかもしれません。大浴場ってわけにはいきませんから。  というわけで、原稿を書きつつ、こんなことも書きつつ。部屋が心地いいので、筆も自然と進みます。 まさに結果よし。あ、この言葉、好きだったりします。原稿にも多用していますな。

#452 復活チェロキーから読み取れる、再定義されたジープのこれから。

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 新型チェロキーの存在に続いて、先日、その詳細が公になりましたが、資料を眺めていると、Jeepは、自らが置かれた立場と、これからどうあるべきかを、再構築したかに思えてきます。SUVというジャンル分けがされながら、そこには様々なキャラクターを持ったモデルが混在しています。何がダメとか、あれが正統派という話ではなくて。  そういう混沌とした中にあって、復活チェロキーは、ジープたるテイストを、ほかとは違うアドバンテージとして、全面・前面に表現しています。それは単純にオフロードを走れるとかいったものではありません。固定オーナー向けではなくて、中途半端さのない、なんでも使える感が強いとでも言いましょうか。簡潔な言葉を使えば、まさにオールマイティ。  復活チェロキーの仕立て方は、以前とは大きく変わりましたが、まぁ、チェロキーが目指していたカジュアル・スポーティというコンセプトは最新型も旧型も変わっていないことに気づくと、いいじゃんと思えてくるところも、またジープらしさとでもいいましょうかね。  最新V6/3.2Lに9速ATのパフォーマンスにも期待できますし、実は2.4Lのほうのスタンダード感も気になります。上の写真は、今回加えられたビジュアルのひとつですが、んー、カッコイイ。ひたすらにカッコイイ。ちょっと惚れてしまいました。 ただ、気になるのは、今回公開された写真の中に、足が伸びている写真がないことぐらいでしょうかね。どこまで何ができるか、それを紹介するのは、そう、メディアに期待されていることかと、そう思います。

#451 メインマシン入れ替えを決めた最後のひと押しは、Flashだったって、話。

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 なんだかんだいいながら、あれやこれやと迷いながら、結局、買いました、Mac miniを。現行型の2.3/Quad。OS10.6と10.8のデュアルブートを考えて、先代iMacにしようかと少しばかり迷ったりもしましたが、 思い切ってMac Miniへとスイッチすることにしました。Mac miniを選んだ理由は #387 を参照いただくとして、 なぜ、買い換えを決意したかといえば、とある自動車メーカーの海外ホームページを見ようとした時に、最新のFlashが必要とアラートが出たため。  いうまでもなく、PowerPC対応のFlashはかなり前にサポートが打ち切られており、 最新バージョンのFlashをインストールできません。 それでもホームページが見られないって事態にまでは至っていなかったのですが、こうして、もう無理ですよを突きつけられると、終わりを強く感じ、そこで何か吹っ切れた感を覚えまして、で、Mac miniを注文と。Flashごときに、と思うところもあったんですけどね。ま、きっかけです、きっかけ。 というわけで、PowerPCの遺産アプリケーションは、G5にて対処しようかと。そもそも多用するPowerPCアプリケーションもありませんから。  で、セッティングが終わって、本格的にメインマシンとして使えるようになったので、ケーブルやら配置やら整えたんですが、いちばん困ったのはMac mini本体の置き場所でした。コンパクトだし、何より薄いのでディスプレイとディスクの間に滑り込ませようかと思ったのですが、ふっとG5の上においてみたら幅がほぼ同じ。というわけで、この親亀・子亀スタイルに決定。ちなみに、性能(ベンチ)は親の7倍ほど。こんなに小さいんですけどね。

#450 エンジン、装備を自在に選べる自由度と、わかりにくさが同居するN one。

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 取材でN oneを借り出しました。インプレッションメインではなく、撮影メインだったので、売れ筋という赤ボディ・黒ルーフ、で、プレミアム。 エンジンはたまたまターボですから、グレード名はプレミアムツアラーになりますな。いい意味でのやんちゃさがあることも、このモデルのポイントとなっていますが、いかんせん、まとまり切れていない感を覚えたりもしました。試乗会の時はあまり感じなかったのですが。  そもそも、このn one、ターボとNA、スタンダードとプレミアムと、その組み合わせの自由度が高く、高く、高く、高すぎて、自分でもクルマを理解しようとした時に、一瞬、何が何だか分からなくなってしまいました。なんでも選べるという選択肢の多さは、時に戸惑いを生むという、まさにシーナ・アイエンガー教授の言葉そのままですが、まさにそんな感じ。とは言いながら、クルマにおいては、この選択できる幸せは大賛成でして、では、なぜ、混乱したんだろうと、あれこれ考えたら、なんとなくわかりました、あれです、グレードありき、だから。いや、結果、グレードなんですが、輸入車のグレードはここまで戸惑いがありません。  たとえば、まさに仕様が多すぎるBMWの3シリーズなんて、エンジンはガソリン2、ディーゼル1、ハイブリッド1と合計4機種で、トリムラインはスポーツ、モダン、ラグジュアリー、で、レギュラーの4つ。でも、わやくちゃにならない。 それは何故か。エンジンはこれにする、トリムはこれにする、結果これになるというアプローチゆえにそこには分かりやすさ、納得しやすいさがあります。海外の自動車メーカーのホームページでは、自分のクルマを作るという感覚で仕様を選んでいくのですが、まさにあれこれと選ぶ際の順序に見合っているのだと。ただそれだけのことかなと思いましたが。結果、グレードという構成は同じなんですけどね。  あ、肝心なN oneについてのあれこれを書く間もなく……。とりあえず、 いったん切ります。

#449 伝えるという意図は同じでも、手段が違う、語るという仕事の話。

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 ムービーにて語るという仕事の依頼が来ました。そもそも、フリーになった時、こうなれたらいいなという理想3本柱がありました。ひとつはインタビューされること、2つ目は動画や講演会やら語りを求められること、3つ目は自身の名前で単行本を出すこと。これで3つ目以外はすべて実現できたことになりますが、ここまで、長かったなぁと振り返りつつも、まぁ、良く実現できたもんだと感心したりもしています。こういう書き方をしますと、誤解を生む可能性があるのですが、そもそも書くことは苦手です。共通一次試験の国語(マークシート)の現代文(200点中100点配分)にて漢字以外すべて外したことがあるほどに。  では、何故、ライターをしているかといえば、端的に言えば、自分が感じたもの、発見したものを、他の人に伝えるという仕事がしたかったからに尽きます。まぁ、いつしか書きますが、ただ、その手法は文字ではなく、動画だったので、道は少々ずれていたりしますけども。といっても、語り手になろうとは思っていなかったかな。  そんなこんなで依頼があった語りの仕事ですが、不思議なもので、最初に就職した会社からのオファーでした。フリダシに戻ったとは違う、なんていうんでしょうかね、縁というか導きというか。で、そのコンテンツですが、新型クラウンについてあれこれと語りました→ ■ (クリック・別ページにて)。 ちなみに、台本やらは考えずに、行き当たりばったりで話はじめてます。その割には いいんじゃないかと自分で思ったりもするんですが、いかんせん、体がぐにゃぐにゃと動き、頭がぐらぐらとしており 、かっこよくない。これは昔からなんですが、意識しないといかんですね。 そうそう、17インチがベスト的な発言をしていますが、かなり個人的な意見からすれば16インチがいいなと感じてたりもします。はい。

#448 ちょっと後回しが発端となり、すべて後回しという、繰り返しな人生。

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 あれこれと、先延ばししても、あまりいいことはないと分かっていますし、先延ばししないように心掛けているつもりですが、ついつい堕落していくものです。性格でもありましょうが。あれこれと振り返るに、このぐらいだからと積み、それがやがて重なり、面倒もどんどんと積まれ、そして、放置、と。考えてみれば、そればかりを繰り返し、最後にどうなったかというと、引っ越し、という荒技に至っています。引っ越しサイクルが6年と言い放っていますが、それは意図したものではないんですが、実は、最後の手段的な行動であることは間違いありません。  今の住まいはまだ2年と少しですから、強硬手段に出るまでには至っていませんが、引っ越した当初のあれこれの目論みは崩れてきています。扉の前には物を置かないこと、これ大前提としてたのですが、どうも怪しくなってきたので、本日、扉の前だけでも物を整理しました。あとは、何かを取るために、何かをどかさなきゃいけない、をなくせば、完璧ですな。たぶん。  なんてことをしていて気付いたのですが、最近、名刺の整理をしていないなぁと。思い切って手を付けようと、名刺箱を取り出してみれば、なんと2008年から手つかずの状況。自分の場合、名刺交換をするのは、自動車メーカーやインポーターの方々、そして編集に携わっている人たちですから、仕分け数は多くないのですが、いかんせん山積みに手を付ける気がしなくて。  というわけで、こんなことを書いているわけですが。さすがにこのまましまうワケにもいかず。さて、はて。心掛けているだけではダメですな。行動しないと。

#447 ディーゼルを読み解くキーは、スペックではなく、フィーリングって話。

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 日本でもディーゼル車が増殖し始め、注目度も高まりつつありますが、やはりそこには無理があるような気がします。って、普及が無理なのではなく、実用性と演出を取り違えていやしないかって意味合いで。まぁ、なんとなくは書いていますから、お気づきの人もいると思いますが、たとえば、CX-5は考え方やらコンセプトはとてもいいんですが、結果、トルクにしてもフィーリングにしても、シャシーにしても、行き過ぎ感だけが先走ってしまっている感があります。で、どうしても気になってたのが、そのフィーリング。ターボ付きであってトルク変動が強く、結果、ギクシャクを煽るシーンがあり、爽快な気分に浸らせながら、突然、現実へ引き戻されるかのような、あと少しがあるのです。このエンジンのフィーリングについては、エクストレイルにも言えることです。  最初は小排気量ターボだし、こんなもんかなと思っていましたが、やはりヨーロッパ勢のディーゼルに乗ると、こんなもんでは良くないことが分かりました。まぁ、追いつけないところではあるんでしょうけど、どうにかしなきゃいけないところでもあります。そんな中、デリカD:5に追加されたディーゼルに乗ったらば、そのフィーリングを上手く仕立て上げていて、おや、と思ったらば、日本仕様にしてあるとのこと。タービンまで小型化して。  あれこれ、いろんな人に話を聞いたところ、そもそも、ヨーロッパ仕様のディーゼルは、相当な高速域(日本の法定速度を超えるところ)をターゲットとしているようで、そのためにああいったフィーリングになっているのだと。もちろん、その速度域での燃費もちゃんとみているそうで……。って、つまりですね、そのままに日本へ持ってきても、以下略。  と言いながらも、先のCX-5の開発陣は気付いていまして、アテンザで修正しつつ、根本的な策を練っているようですから、あと少しの時間が必要なのかもしれません。なんて思いながらヨーロッパのサイトを眺めていたら、あるじゃない、150psのディチューン版が。CX-5だけではなく、エクストレイルにもある。ただ、ハイパワーモデルを出してしまった後ですから、いまさら出力を下げるわけにもいかんのでしょうな。  写真は、CX-5のスチールホイール仕様。って、スチールホイールだよね、これ。サイズは17インチらしいんですが16インチに見える。個人的には、19イ

#446 イマドキに応えてくれるスペーシアと、イマドキにならなくていいアルト。

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 スズキのスペーシアですが、何故、パレットから名称を変更したのかと思ったら、やはりスペースを感じさせる言葉を車名に採り入れたかったためだそうです。そこには、東武鉄道の特急の名称とのリンクは全くなく、話題性すら狙っていなかったそうで、そこに、トヨタとスズキの差を感じました。いや、いいとか、悪いとか、 ではなくて。  さて、そんなスペーシアですが、これがクルマとしての走りから、あれやこれやまで、よく練られてました。走りについては、なにせタイヤから上物までが一体となっているフィーリングが強く、 重心高を感じさせないところが特筆モノ。結果、スタビリティとアジリティはとても高く、ハンドリングまで含めて、良い加減でバランスさせています。軽自動車ゆえに懸念されるパワーも、一連の副変速機付きCVTのおかげで、NAであっても低速域から不足ないパワーを発生させていますし、気を許していると法定速度をオーバーしてしまうほど。その分、過渡域のキャラクターの薄さを感じてしまうのですが、まぁ、気にはならないかな。ターボについては、音・振動は気になりますが、パワーについては、フィーリング含めて、不足なし。いやはや。  と、褒めまくりですが、 つつけばいろいろ出て来ます。パーシャルスロットル時に存在をアピールする振動やら、ブレーキは停まると感じさせるでしょうけど、あれでいいのでしょうかなど、あれやこれや云々。ただ、トータルで考えると、価格を考慮すると、いいところで落とし込んでいると思います。  ちなみに、この日の試乗会では、改良を受けたアルトECOにも乗ったのですが、そのベーシックたる作り込み方と、これで十分感に圧倒されました。 そして、最近のクルマは、これで十分ではなくて、十二分になりすぎていることにも気付きました。 先の スペーシアは、イマドキの快適さに慣れ、捨てられない人々向けであり、まさにワガママに応えてくれるモデルですが、この アルトは、イマドキの快適さに対してどこかに疑問を抱き、そして、必要、不必要を仕分けようとしている人々向けかな、と。 まぁ、 ある意味、スペーシアとアルト(エコであろうとなかろうと)は対極にあると思います。 現在のグレードや装備展開とはまた別の話で、クルマのキャラクターとしての話。 どっちがいいとか、悪いではなく。  なんていうんでしょうかね、アルトは、こ

#445 賛成も、反対もできる、これからのジープが向かおうとしている先。

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 新型チェロキーが発表になりましたので、ほほぅと本国のリリースのタイトルを探ったらば、そのタイトルがJeep Cherokee Returnsと。ん? 復活? あ、そうか、日本ではチェロキーの名が残されていましたが、本国では消えていましたっけ。というわけで、その新型のチェロキーですが、リバティのポジションを継ぐにしても、どこへ落とし込むのかはとても興味深いものがありました。いまさらクロカン方向に振れませんし、いつの間にか増殖していたカジュアルSUVには重ねられず。で、ジープを見渡せば、上にはグランドチェロキーがあるし、下にはパトリオット&コンパスがいます。つまり、チェロキーは、そのコンセプトに、エントリーもラグジュアリィも掲げられない。まぁ、そうなったら、もうスポーティに振るしかないですな。  ってな考えがあったかはどうかは知りませんが、復活チェロキーはスポーティ路線を狙ったようで。そのデザインにしても、好き嫌いはともかくとして、破綻が見られないといいましょうか、上手く描き上げられていると思います。特徴的なのは下側のグリルですが、フロントマスクとして全体を捉えると、特に違和感はなかったりもします。デザインの妙ですな。  ところがですね、このデザインは2014年型のグランドチェロキー(画像右)として先に採用(発表)されていました。チェロキーでこのデザインを採用するから、グランドチェロキーも合わせた(統一した)んでしょうが、こうして比較するとどちらがオリジナルかを考えるまでもなく、グランドチェロキーにはやはり無理があるように見えてきます。 個人的には、何かに 恐れおののいたとか、だらしなく口を開けたかのように見えてしまいまして……。  まぁ、そんなデザインはともかくとして、ジープがこの先を見据えて、ブランドを大きく変えていこうとしている意気込みが、先のチェロキー、2014年モデルのグランドチェロキーから、しっかりと伝わってきます。ふと気付けば、日本での最新ジープはファッション性を前面に強調した展開をしていますが、アメリカ本国とはクルマに対しての考え方が違うことやら、社会性やら含めて、その手法を否定することもできず。なんてことを考えると、新しいジープは、そういう素材としても“使える”クルマに仕立てようとしているようにも思えてきます。いずれにしても、そんなジープの

#444 おまけではなく、ミニにはかかせないモデルだったミニ・ペースマン。

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 これで、7車種目なんだそうです。ミニ。もはや何が何だか分からなくなってきました、で、今回はペースマン。クロスオーバーモデルのプラットフォームをベースに、クーペスタイルをデザインしたというなんともかんともなモデル。しかもドアは3枚なのに、ミニシリーズの中ではもっと高い価格帯で、クーパーSの4WDは400万円が目の前に迫っています。デザインスタディとしてはとてもおもしろいんですが、その存在価値やら性能の落としどころが分かりませんでした、乗るまでは。そう乗るまでは。 ところが、乗ったらとてもいい。ミニらしいゴーカート感をベースにしながら、ミニ・クーペに似ていると思われるかもしれませんが、これが似ていない。あっちは尖った感がありますが、こっちにはSUVテイストをベースにした緩さがあふれています。そこに、3ドアというスペシャル感が加えられていまして、だから、ミニ・クーペとは似てないと。  試乗したのはクーパーとクーパーSの4WD。クーパーは、NAながらも中回転域トルクの豊かさとアクセル開度との見事なリンクはもちろん、ミニらしさがあふれていて、もう、感服。ところが、試乗したのは標準タイヤではなく、オプションの17インチ。まぁ、振り返ってみれば、 路面からの衝撃の吸収に対してほんのわずかな、ほんとにわずかな不満はありましたが、そんなことは全く気にならず状態でしたから、これもまたBMWマジックなのでしょうな。一方のクーパーS(画像左)は標準よりも2サイズアップの19インチという、まぁ、とんでもない組み合わせになっていましたが、これが許せてしまうという、なんともかんともなフィーリング。もちろん、マンホールやらの凹凸でも、見事なまでのドタンッ! を披露しますし、グリップ感も高すぎる印象があるのですが、シャシーがこれをしっかりと受け止めていて、バランスの範囲内。んー、恐るべしBMWと感じたのでした。  このミニシリーズもこれで完結であり、ひと段落かと思いきや、ベースのミニ(3ドアハッチ)がぼちぼちフルモデルチェンジ。この、話題性が途切れない、途切れさせない、と言いますか、飽きさせないところにも、いい意味でのミニらしさを感じたのでした。そう、そこにはクラウンの話題性とは、本質的に違う何かがあるのかな、とも。  あ、そういえば、買いのモデル云々、このミニシリーズを入れていな

#443 ピンクとフロントマスクに隠れたクラウンの本質とトヨタのこれから。

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 あのデザイン行き過ぎていやしないか、ピンクってどうなのよ、そんな話題が先行しているクラウンですが、まぁ、その話題性も狙ったもので、まさにトヨタらしさを強く感じます。が、一方で、その性能たるや、これまでのクラウンらしさといった面での語りが少ない。まぁ、陰に隠れてしまった感があります。  今回のプレス向け一般公道試乗会では、あれやこれやと異なる仕様にて23台を用意。まぁ、いうまでもなく乗り倒してきましたが、7台目で止めておきました。最近のトヨタはいい方向を向いていると書いていますが、このクラウンも好印象が多いモデルでした。クラウンとはなんぞやをベースに、質感を高め、そこにグレードという演出を展開するという手法は、正論づくし。サスペンションのストローク感に求めた豊かさはそのままに、その動きに質感と精密感を与えたというあのフィーリング。というわけで、それがいちばん強く表現されているのが16インチ仕様(ロイヤル)でした。試乗スタートは石畳(画像下)だったのですが、走り出した時、石畳が分からないほどにコンフォート感があふれていて、かなりのショックを受けました。しかし、それが、速度域を高めた時にまで繋がっていないところが実に惜しい。ただし、ハンドリングについては、高速域でのアジリティはとても高くて……、と個々に見ていくといいポイントはある。でも、つながらない。そこにクラウンのあと少しがあるのかなと、感じました。まぁ、その個々のレベルが高すぎるがゆえのことだとも思いますが。  一方、注目のアスリートの18インチ仕様はクラウンらしさを消すのではなく、しっかりと残したままに、クイックや非フラット感といったスポーティさを演出。商品としてはとても分かりやすさがあふれていましたし、高速域では安定性を含めた質感はロイヤルよりも高く、やはりシーンを限れば個人的には受け入れられる性能も見られたり。  トヨタは見えているんだと思います、クルマとは、どうあるべきか、が。あとはそれをまとめて、トヨタらしさを構築するだけ。そんなことを新型クラウンから強く感じたのでした。

#442 買ってもいいという前提付きな、ヨシダオススメなクルマ(その3)。

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 こういう話をすると、自然と国産車が外れてしまうのですが、これは意図的ではなく、そこは確実な違いがあるからで……。まぁ、価格で勝負すれば、燃費で語れば、国産車も土俵にあがってきますが、絶対的な性能という観点からすると、不足があることは否めません。でも、その一方で、ここであれこれ褒めていることもあります。そのあたりの理由、その1、その2でピックアップしなかったのかを含めて、云々。  まず、CX-5( #358 )の件。クルマとしてのレベルは高く、ディーゼルエンジンの存在を含めて買いの要素はあれこれとあります。が、しかし、コンセプトを表現しきれていないところがあり、それが自分にとってはマイナスとなっています。逆にいえば、今、買うのではなく、待てるなら待ったほうがいい、と。それはディーゼルエンジンのフィーリングと、19/17インチのどっち付かずな乗り味の件ですが、同じプラットフォームをベースとしたアテンザ( #422 )が、この件をクリアしていますから、CX-5でもやがて云々は明らか。そういう視点からすると、イチオシの手前に止まってしまうのです。では、アテンザはどうかという話になりますが、あと少しはあるものの、イチオシに入りますな。すみません、あっちで書き忘れました。  で、フォレスター( #405 )の件。SUVであることはさておき、クルマとしての完成度はとても高く楽しめるハンドリングとはなにかをバランスをもって作り上げ、ターボモデルやらでもそれを破綻させることなく表現していました。 それが一番わかりやすいのが、ボトムのMTモデル(価格を含めて)。そう、X-MODEやらアイサイトやらのギミックなしでも価値がある、つまり、ベースからしっかりと作り上げられておりまして、そんなところがとてもいい。そして、そういったスタンスに、 スバルのこれからを想像し、ほっとひと安心したりもしましたが。 で、そのスバルといえば、レガシィはどうなのかって? あの世界観を否定するつもりはありませんが、フォレスターで示した方向性がやがては……、と考えるとイチオシとは言い切れないかと。すみません、正直過ぎて。  個々のモデルという観点を少し外すと、トヨタが大きく変わりつつあることを挙げておかねばなりません。とは言っても、モデルによっては 演出感に頼り過ぎの面が 感じられますが、

#441 買ってもいいという前提付きな、ヨシダオススメなクルマ(その2)。

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 さて、話が止まらなくなってきました。DS3とか言い出すと、マツダ・ロードスターもそんな1台に入ります。次期型の話が公になっていますが、現行の最終型とされる2013年モデルの完成(熟成)度はすこぶる高く、その存在価値は新型とは異なるだろうと感じています。新型は想像以上にいいモデルになってデビューするでしょう、でも、現行型にあふれる良く悪くもなアナログ的感覚は薄れるでしょうから。ちなみに、個人的には“今の”86/BRZよりも、最終型ロードスターを選びますな、オープンカーですけども。あ、オープンといえばBMWのZ4もありました。これぞ、欲しいクルマ。 絶対的な価格は高いのですが、 性能相応な価格だと思いますし、むしろ安いくらいかと思えますが、……、以下略。  さて、ロードスターのように、デビューは少々前ですが 、いいクルマとしてピックアップできるモデルとしては、VWのティグアン( #398 )、ルノーのメガーヌ( #414 )、 BMWのX1( #378 )があります。 いずれもモデルライフとしては後半にさしかかっていますが、それぞれにいい熟成(進化)をしており、次期型が具体的に見えていないこともあって(比較できないからこそ)、買いとも言えます。どのモデルも、デビュー当初に表現したかったことをようやく実現できた感があり、それがコンセプトに見合っている点を含めて、とてもいい。もちろん、横並びの比較はできません。まぁ、ひとつ挙げるとしたら、 X1か。 旧来のBMWステアリングフィールの重たさ(ダイレクト感ともいう)が残っていて、それがシャシーフィールに見合っていて、とてもいい。デビューした時には、あれ? が多かったクルマですが、最新モデルは随分と変わっており、何よりもMスポーツが許せるではなく、Mスポーツがとてもいいと言える点も、自分ではオドロキのひとつでした。  ティグアンも同様の印象で、このタイミングでさらに飛躍してました。シャシーの質感の高さとエンジンが完全にリンクしていて、 FFでも十分だと 思わせてくれるところはなんともかんとも。 なんて言い出すと、メガーヌもバランスがとてもよく、ノーマーク的な存在であることも含めて、買いを強く勧められます。あ、強くは勧められるけど、分かる人にという前提付き。この場合の分かる人は、スマートとかそういう観点ではなくて。

#440 買ってもいいという前提付きな、ヨシダオススメなクルマ(その1)。

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 ふと、思ったのです。クルマに対して、あれやこれやと偉そうに語っているけど、ヨシダはどのクルマを選ぶのだと。で、クルマとしての完成度の高さ、つまり、買ってもいいと太鼓判を押せるクルマとして考えると、BMW116iか、プジョー208Allure( #430 )かという結論にたどり着きます。ほほぅ、ヨーロッパ車か、で、ハッチバックね、さらにはコンパクトカー。やっぱり自動車評論家的なのだね、と言われるかもしれませんが、純粋にイイクルマであり、素直に買ってもいいかなと思えます。まぁ、そこには自らのライフスタイルは考慮されていませんから、実際に買うかどうかは別ですが。まぁ、勧められることに間違いはありません。  そして1台には絞りきれませんでした。実は、この2車、被りそうで被らない。8速ATと5速MT、5HBと3HBという違いもありますし、ハンドリングやら乗り心地やらは、逆とは言いませんけど、それぞれに違う表現方法が用いられています。つまり、横並びな比較は出来ず、優劣も付けられません。208のアドバンテージは、緩さあふれるシャシー性能とMTと3HBであること。116iのアドバンテージは、まじめさあふれるハイバランスなシャシー性能と8速AT+1.6Lターボ。しかし、いずれにも共通するのは、それ相応の価格であり、バリューフォーマネーが強くあること。あ、日本の1シリーズに、3HB、MTがあれば、116iとなりましょうかね。  ちなみに、 ゴルフ1.2Lを入れなかったのは新型ゴルフ7デビュー前であるため。7はゴルフ6を大きく凌駕することは明かですが、逆に7デビュー後に、ゴルフ6でなければならない理由は少ないのかなと。で、 ボルボV40( #438 )を入れなかったのは、比較するとやはり1シリーズを選びたくなるから。では、 208AllureかV40か、と言われたら、V40を選ぶか。というように、 もう、それは見方を変えた瞬間に変わるという、ある種の支離滅裂ぶり。  それを言い出すと、実はシトロエンC3がいちばんって話もありますし、DS3のMTでしょって、広がり過ぎて、それこそとっちらかって収拾が付きません。いや、自分の中では整理してありますし、その買いの理由も事細かに説明できますけども。  というわけで、いったん切ります。そして、その2へ続く。

#439 ガソリンエンジンはかなりサブ的、実はEVメインなアウトランダーPHEV。

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 そういえばアウトランダーPHEVについて、書いていませんでした。このモデルのトピックは、その車名が示しているようにプラグインハイブリッドEVであることに尽きますが、そもそも、プラグイン・ハイブリッド・EVという名称が、分かりやすくもあり、その奥底を表現しきれていないと感じました。このネーミングをなぞると、プラグインハイブリッドという部分だけがクローズアップされ、残りのEVがおまけのような印象を受けます。ところが、このモデル、メインはEV。走行時のほとんどはEV(モーター走行)で、ガソリンエンジンは充電用というスタンスにあり、まさにレンジエクステンダー的。ガソリンエンジンの動力を駆動力として利用することもありますが、それはバッテリー容量がほとんどなくなった場合(それでも60km/h以上)か、120km/h以上。つまりですね、日本においては動力として使われる機会はとても少ないと。そう、EVと捉え、動力源としてのガソリン+モーターという日本でイメージされるあのハイブリッド的な感覚は薄いのです。ちなみに、ガソリンエンジンからの動力が加わっても、それまでのEVフィーリングは変りません、というか感じさせません。ですから、EVにガソリンエンジン的なパワーが加わることを期待しても、肩透かしを喰らうかもしれません。まぁ、分からないことに、“技”があるわけですが。  と、走りだけを語ると、ここで終了するわけですが、このクルマのトピックは、家庭用のバッテリーとしても利用できることにあります。つまり、あれやこれやと使えます。分かりやすいのは災害時。ゆえに自治体やら、放送局から引き合いがあるようですが、まぁ、その可能性は、たんに万が一という枠を超えて幅広く。たとえば、 キャンピングカーでの期待感を考えると、サブバッテリーを積まなくていいとか、 最大1500Wまで使えるとか、走りながら充電できるなどなど。そう、 三菱ならば、むしろデリカD:5と組み合わせることで、そのトピックを分かりやすくアピールできるはず。ですから、デリカD:5への搭載モデルを早々にデビューさせたほうがいいかと。って、フルモデルチェンジのタイミングでしょうな、きっと。  いずれにしても、技術的には優れていると強く感じました。先のフィーリングの件も含めて。ただ、あまりにも技術をストレートに商品化していて、そこにこのモ