#443 ピンクとフロントマスクに隠れたクラウンの本質とトヨタのこれから。

 あのデザイン行き過ぎていやしないか、ピンクってどうなのよ、そんな話題が先行しているクラウンですが、まぁ、その話題性も狙ったもので、まさにトヨタらしさを強く感じます。が、一方で、その性能たるや、これまでのクラウンらしさといった面での語りが少ない。まぁ、陰に隠れてしまった感があります。
 今回のプレス向け一般公道試乗会では、あれやこれやと異なる仕様にて23台を用意。まぁ、いうまでもなく乗り倒してきましたが、7台目で止めておきました。最近のトヨタはいい方向を向いていると書いていますが、このクラウンも好印象が多いモデルでした。クラウンとはなんぞやをベースに、質感を高め、そこにグレードという演出を展開するという手法は、正論づくし。サスペンションのストローク感に求めた豊かさはそのままに、その動きに質感と精密感を与えたというあのフィーリング。というわけで、それがいちばん強く表現されているのが16インチ仕様(ロイヤル)でした。試乗スタートは石畳(画像下)だったのですが、走り出した時、石畳が分からないほどにコンフォート感があふれていて、かなりのショックを受けました。しかし、それが、速度域を高めた時にまで繋がっていないところが実に惜しい。ただし、ハンドリングについては、高速域でのアジリティはとても高くて……、と個々に見ていくといいポイントはある。でも、つながらない。そこにクラウンのあと少しがあるのかなと、感じました。まぁ、その個々のレベルが高すぎるがゆえのことだとも思いますが。
 一方、注目のアスリートの18インチ仕様はクラウンらしさを消すのではなく、しっかりと残したままに、クイックや非フラット感といったスポーティさを演出。商品としてはとても分かりやすさがあふれていましたし、高速域では安定性を含めた質感はロイヤルよりも高く、やはりシーンを限れば個人的には受け入れられる性能も見られたり。
 トヨタは見えているんだと思います、クルマとは、どうあるべきか、が。あとはそれをまとめて、トヨタらしさを構築するだけ。そんなことを新型クラウンから強く感じたのでした。

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