#445 賛成も、反対もできる、これからのジープが向かおうとしている先。

 新型チェロキーが発表になりましたので、ほほぅと本国のリリースのタイトルを探ったらば、そのタイトルがJeep Cherokee Returnsと。ん? 復活? あ、そうか、日本ではチェロキーの名が残されていましたが、本国では消えていましたっけ。というわけで、その新型のチェロキーですが、リバティのポジションを継ぐにしても、どこへ落とし込むのかはとても興味深いものがありました。いまさらクロカン方向に振れませんし、いつの間にか増殖していたカジュアルSUVには重ねられず。で、ジープを見渡せば、上にはグランドチェロキーがあるし、下にはパトリオット&コンパスがいます。つまり、チェロキーは、そのコンセプトに、エントリーもラグジュアリィも掲げられない。まぁ、そうなったら、もうスポーティに振るしかないですな。
 ってな考えがあったかはどうかは知りませんが、復活チェロキーはスポーティ路線を狙ったようで。そのデザインにしても、好き嫌いはともかくとして、破綻が見られないといいましょうか、上手く描き上げられていると思います。特徴的なのは下側のグリルですが、フロントマスクとして全体を捉えると、特に違和感はなかったりもします。デザインの妙ですな。
 ところがですね、このデザインは2014年型のグランドチェロキー(画像右)として先に採用(発表)されていました。チェロキーでこのデザインを採用するから、グランドチェロキーも合わせた(統一した)んでしょうが、こうして比較するとどちらがオリジナルかを考えるまでもなく、グランドチェロキーにはやはり無理があるように見えてきます。 個人的には、何かに恐れおののいたとか、だらしなく口を開けたかのように見えてしまいまして……。
 まぁ、そんなデザインはともかくとして、ジープがこの先を見据えて、ブランドを大きく変えていこうとしている意気込みが、先のチェロキー、2014年モデルのグランドチェロキーから、しっかりと伝わってきます。ふと気付けば、日本での最新ジープはファッション性を前面に強調した展開をしていますが、アメリカ本国とはクルマに対しての考え方が違うことやら、社会性やら含めて、その手法を否定することもできず。なんてことを考えると、新しいジープは、そういう素材としても“使える”クルマに仕立てようとしているようにも思えてきます。いずれにしても、そんなジープの今と先を考えていると、自分が乗っている10年前のモデルが、もはや過去のものと思えてきます。

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