#439 ガソリンエンジンはかなりサブ的、実はEVメインなアウトランダーPHEV。

 そういえばアウトランダーPHEVについて、書いていませんでした。このモデルのトピックは、その車名が示しているようにプラグインハイブリッドEVであることに尽きますが、そもそも、プラグイン・ハイブリッド・EVという名称が、分かりやすくもあり、その奥底を表現しきれていないと感じました。このネーミングをなぞると、プラグインハイブリッドという部分だけがクローズアップされ、残りのEVがおまけのような印象を受けます。ところが、このモデル、メインはEV。走行時のほとんどはEV(モーター走行)で、ガソリンエンジンは充電用というスタンスにあり、まさにレンジエクステンダー的。ガソリンエンジンの動力を駆動力として利用することもありますが、それはバッテリー容量がほとんどなくなった場合(それでも60km/h以上)か、120km/h以上。つまりですね、日本においては動力として使われる機会はとても少ないと。そう、EVと捉え、動力源としてのガソリン+モーターという日本でイメージされるあのハイブリッド的な感覚は薄いのです。ちなみに、ガソリンエンジンからの動力が加わっても、それまでのEVフィーリングは変りません、というか感じさせません。ですから、EVにガソリンエンジン的なパワーが加わることを期待しても、肩透かしを喰らうかもしれません。まぁ、分からないことに、“技”があるわけですが。
 と、走りだけを語ると、ここで終了するわけですが、このクルマのトピックは、家庭用のバッテリーとしても利用できることにあります。つまり、あれやこれやと使えます。分かりやすいのは災害時。ゆえに自治体やら、放送局から引き合いがあるようですが、まぁ、その可能性は、たんに万が一という枠を超えて幅広く。たとえば、キャンピングカーでの期待感を考えると、サブバッテリーを積まなくていいとか、最大1500Wまで使えるとか、走りながら充電できるなどなど。そう、三菱ならば、むしろデリカD:5と組み合わせることで、そのトピックを分かりやすくアピールできるはず。ですから、デリカD:5への搭載モデルを早々にデビューさせたほうがいいかと。って、フルモデルチェンジのタイミングでしょうな、きっと。
 いずれにしても、技術的には優れていると強く感じました。先のフィーリングの件も含めて。ただ、あまりにも技術をストレートに商品化していて、そこにこのモデルのウィークポイントがあるような気がします。それが今の三菱自動車工業に不足している“何か”ではないかと。
 ちなみに、レギュラーモデルよりも、乗り味における質感は勝っています。乗り心地、パワステ、e-Assistは、確実にPHEVのほうが上。それは、マイナーチェンジで行うような内容(技術)を先に投入しているって感そのものです。そう……、以下略。

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