#1552 装備から走りに至るまで、想像以上に攻めていた、ホンダN-BOX。
ここ、これだけ放置したのは初めてではないでしょうか。その理由はなんとなくあるんですけど、ま、いいや。と、久しぶりに書いてみますが、ほかにも記さなければならないコトがあれこれありつつも、昨日テストドライブしてきたホンダN-BOXを採り上げておきます。いや、採り上げておかぬほどの衝撃があったもので。
で、ホンダのN-BOXですが、どこが変わったの? と思えるエクステリア(ノーマル)、売れているならば早々に変える必要はなかったのではないか? そんな疑問がありましたが、今回のフルモデルチェンジの理由がわかりました。すべては先制といいましょうか、投資といいましょうか、ホンダなりの策がありまして、そのヤル気といいましょうか、本気に、かなり打ちのめされて帰ってきました。あのですね、いい。とても、いい。違いが明確なほどに、いい。所詮軽自動車じゃんと言われてしまう部分もあります、ありますけど、もはや、それ、どうでもいいんじゃない? と感じさせるあれこれがあります。
まずは、インテリア。なんだか分からないけど、居心地がいい、という快適さがあります。なんていうんでしょうね、分かりやすさをこれでもかとアピールしていないという、媚びていない感。デザイナーはニュートラルな感覚を大切にしたといいますが、まさに、そんな感じ。メーター類を高くに配置し、シンプルなデザインとしたことで、すっと目に入ってきますし、先進安全装備系の表示もそれに連続してセンターに配置されていて、これもいい。標準車のツートーンも嫌みがない。ま、言ってしまえば、普通の感覚なのですが、こちらが気兼ねしなくていい分、楽である、そんな快適性があります。まぁ、ただ、ひとつだけ言ってしまうと、ナビやらのインフォテイメント系モニタが手で操作できる位置にありまして、これがメーター類と距離がある。つまりですね、老眼には焦点を合わせるのに、意図的に眼球を動かさねばならないという、面倒があります。ま、操作させるパネル、視線移動を少ないままに見えるパネル、そんな位置関係ですから、仕方ないことなのですが。
で、走り。あのですね、初代がウィークポイントとされていたことを払拭し、さらに先まで手に入れているといった感がありました。ま、要素的なことを簡潔に述べてしまいますと、真っすぐ走るようになった。あとは、コーナーにおけるスタビリティがとんでもなくハイレベル。姿勢が決まると、外乱に動じずといった感じで、コーナーを駆け抜けていきます。このコーナー専用にチューニングしたのでは? と思ってしまうほどに。いうまでもありませんが、コーナーに道路の継ぎ目があっても、飛びません。あれ、挙動を崩すには軽自動車の制限である140km/h以上が必要じゃないか? と思えるほど。いや、試してはいませんし、試すシーンもありませんでしたので。それぐらいにいい。乗り心地については、コンフォートとカタカナで記したくなるレベルではありませんでしたが、不快感はもちろん、不足は全く感じず。ターボは中回転域でのこもり音が気になりますが、まぁ、許せる範囲。
さらに、先進安全装備については、ACCやステアリングアシストを除いた、軽自動車専用仕様かとおもいきや、フルタイプ。つまり、車間距離を維持しながら追従を行い、ステアリングの操舵(アシスト)までも、行います。実は、今週は、ほかブランド含めて3タイプのACCを試しているのですが、まぁ、ほかの2タイプが先進を走っていますので、比較すると、このN-BOXのシステムには物足りなさを感じますが、軽自動車でありながら、標準装備としてきた、そのスタンスに拍手喝采。ついでにLEDヘッドランプなんかも、同様にね。変えるべきことは変え、変えぬことは変えない、そんなスタンスが明確であり、潔さといいましょうか、とにもかくにも好印象。ついでに言いますと、カスタムのデザインテイストもこれならいいと思います。個人的に、昨今のメッキの面積をいかに多くするか合戦には、うんざりしていましたので。そういった意味から、流れを作り、引っ張っていく、そんな提案型リーダー的な存在が、とにもかくにも、好印象なのです。
つまりですね、買いの要素だらけなのであって、言い換えますと、ライバルとされる軽自動車を購入する理由まで少なくしてしまうという、そんな攻めがあります。考えてみますと、この攻めのスタンスって、Nシリーズならでは。初代の取りまとめを行った浅木氏のスタンスそのまんまに引き継がれていましたし、後を引き継いだ白土氏も同じスタンスでした。で、感じたのは、やっぱり、人なんだな、ってこと。ま、そのあたりは、来月発行の軽自動車情報に記しますけども。