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#1698 夏前から続いていたジープ本への執筆で、自らのスタンスをあらためて認識できた、という話。

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 ジープな原稿書きが続いてきましたが、ようやく脱稿(したと思われる)。それぞれに異なる出版社から夏前から依頼をいただき、それはそれでありがたいことなのですが、書き分けがなかなか難しくありました。特にジープとはなんぞやというテーマが与えられまして、まぁ、たぶん、これは自分らしさを表現できる場と認識しながらも、過去にジープユーザー、でも、今のジープに何か違うを感じている者としては、ヒジョーに書き辛いテーマでもありました。ただ、幾度も書いていくうちに、ユーザーあったからだからこれ知ってるとかですね、教えてあげるよ、というスタンスで、限られた文字数内に収めようとすればするほど、自分好みではない文章になってしまっていました。ただ、あるとき、そういったパートをすべて取り除いてみたところ、むしろ上手く言いたいことを伝えられていることに気付きました。一方で、その省いたことっつーのは、体験や経験に基づいたものであり自己アピールに繋がっているのも、また、事実。ただ、取り除いた時に感じたのは、つまり客観的な視点で眺めたら、そのブロック(段落)って、とてもいやらしい、そして、卑しく見えましてね。  マスコミの中にいると、自分がー、自分がー、と、他人のことはおかまいなしとばかりに前へ出ようとする人が多く、それを、ワースゴイデスネー、と受け取る(らねばならないが正しい表現か)人々がいて、それを目にするのも、聞くのも、いやで、昨年の今ごろに立場を捨てたわけですが、そのブロックを眺めていたら、戻されそうになっていたことに気付きました。ま、フィエスタにも乗っていますとか、ノーマルでスタックランドファームへ出掛けています、といったプロフィール的なことは、執筆者の個人像をイメージしてもらうには役立ちますから、その辺りの加減が難しくもありますが。ということで、ここのところのジープ本には、ジープとはなんぞやはもちろん、改めて自分のスタイル、スタンスを再認識させられた、という、プラスが多くありました  で、写真の本は、今週発売された文友舎刊のジープカスタムブックVol.8。先日、ここでもちょいと触れた、タイガーオートの山中さんと対談という名の雑談を行い、それがP72より掲載されていますが、こうして製本され、全体と比較すると、文字、多すぎ。多すぎですが、実は掲載できない語りも含めて、落としたブロックは数多く。ま

#1697 ジムニー装着していたレカロシート、底が抜けました、って話。

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91年まで販売されていた初代ビッグホーンの純正レカロシート  ひたすらに下道を走っての遠出をして、帰り道も下道を走っていたらですね、とつぜん、シートが抜けた。そう、まさに落ちたといわんばかりに座面が抜けるように落ちた。ただ、完全に抜けてしまったのではなく、何かがまだ関与して落ちきれずに沈み込みつつあるって感じ。その地点から我が家までは100kmありましたが、落ち込みは止まり、なんとか帰宅することはできました。ちなみに、抜けたシートは、ジムニーに装着していたレカロシート。とはいってもですね、このレカロシート、初代ビッグホーンに装着されていた純正レカロシートでして、少なくとも30年以上前の生産品。まぁ、その間、装着されていなかった期間があるとはいえ、年代もの。前オーナーの、腐ってもレカロ、との明言とともにジムニーを譲っていただいたのですが、まさにそのとおりでした。サイドサポート部のウレタンはガタガタで触れるとはっきりとフレームを感じるほどなのですが、座ってみるとフレームはモモには当たらないし、レカロシートらしいサポート感は顕在。ということで、初代ビッグホーン用だったことも含めて、そこにこだわりすら感じていました。まだまだ、使えるじゃんって意味合いで。 ウレタンを支えていたゴムシートが破れました。  とはいえ、こうなってしまったからにはもはやシート交換かと思って、今どきの価格を調べてみると、円高時代の底値を知っている者としては、このジムニーがいつまで走れるかを考えると、新品に投資するのもなんだかなぁと思いました。一方、中古品を調べてみれば、え?、(たしか)20年前に6万円台とかでざらにあった(気がする)SR3(ルマンカラーね)が、美品とはいえ4万円? など、ちょっと手を出すに気にならない価格帯。さて、どうしたものかと思案しながら、実はこのジムニーを撮影する取材が控えていまして思案してもいられない状況……。と、そこで発見したのが、オークションだったかに出品されていた、修復歴(!)が記載された中古レカロシート。キーワードを頼りに探ってみると、なんと、レカロシートの座面落ちってのはそれなりにあるようで、補修パーツが販売されていました。 3980円で修復完了!  過去、レカロシートを含めて、社外シートをあれこれ付け替えた経験がある者としては補修できるなら! と喜んだわけですが、分

#1684 安いと発してしまった、ルノー・メガーヌR.S.のスゴサ。

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 ふと、最近、ルノーとダイハツオシが強いように感じますが、実際にいいから仕方ない。というわけで再びのルノー。昨日、マイナーチェンジを受けたメガーヌR.S.に乗ってきました。そもそもマイナーチェンジ前モデルからして大絶賛でしたが、その絶賛度はさらに引き上げられていました。で、なにが凄いって、全てでしょうかね。ハイパフォーマンスモデルたるスペックアップを果たしながら、一方で、コンフォートゾーンを広げるという、異次元ともいえる仕立てを極めていた、そのバランス感。走り出した瞬間にそれをすべて感じるという、この不思議感。アクセルオンの瞬間に扱いやすさを覚え、ちょっとステアリングを切っただけで伝わってくる愉しさ。精密さとでも言いましょうかね、アジリティという分かりやすさをベースとした仕立て。アクセルを踏み込めば強烈な加速感を……、といっても、これがジェントル。極太なんだけど大げさ過ぎないトルクを発生させたままに吹け上がっていき、高回転でパワーをポンとプラスする仕立て。つまりですね、日常的なドライビングに対してはポテンシャルを見せつけず、いざとなったらスゲーといわんばかりの仕立て。最大トルク400Nmオーバーマニアとしては、その扱い方、つまり、たんに極太を叩きつけていないスタンスに、拍手喝采といった感じでした、はい、ひたすらに。  このモデルの骨頂はシャシーにもあります。ただ、あまりにギミックが多くて、どこでイヤミを感じるだろうと探ってみれば、これがない。リアの位相を切り替えるにしても、素直さがあるというか、そもそもの回頭性をさらにもうひと段階高めている、そんな「アシスト」であり、それこそ空気をしっかりと読んでいる仕立て。つまり、頭が重いのに曲がりすぎるといった印象がない。ま、この辺りは、国産モデルのヨーコントロールと同じ感覚で、どこまでインをつくんだろうかといった印象ですが、その質感はひとつ上といった印象。もちろん、グリップは、グリップ力はもちろん、グリップ感が分かりやすくてですね、まぁ、ロールやら含めて、ドライバーとの一体感がすごい、すごい、すごい。  その中でも強く印象に残っているのは、緩やかなアンジュレーションが続くシーンで、欧州車の仕立てのいいモデルに見られるしなやかさが感じられることで、つまりは、ハイパフォーマンスモデルとは思えぬフィーリングがあったことでしょうか。そ

#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

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スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1674 フィエスタのテールランプ交換がかなり面倒だった話。

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 クルマで走ってて、前のクルマのテールランプが切れているのを見かけると、信号で停まった時にクルマから下りてまで教えてあげようかなと思うことがあるのですが、昨今の煽り運転系な人と勘違いされるのもなんだなと思い、していません。というわけで、この手の"トラブル"って、知り合いと一緒に前後で走っているとか、ディーラーやらガソリンスタンドで指摘されないと、なかなか気付きにくいんもんです。と、先日、知り合いからフィエスタのテールランプが切れていると教えられました。それにしても、なぜなんでしょうね、ヘッドランプ(もちろんハロゲンね)はほとんど切れることがないのにテールランプがブチブチと切れるのは。ま、ヘッドランプに対して耐久(耐振動)が弱いからなんでしょうか(相対的にヘッドランプのほうが高いともいう)。振り返ってみると、かつて所有していたグランドチェロキーのヘッドランプ(ハロゲン)は23万km走行して一度も交換したことがありませんでした。特殊な形状ゆえに、ディーラーで購入するしかなかったので本国から取り寄せて予備を用意してあったというのに……。ちなみに、テールランプとナンバープレートランプは幾度となく交換しました。  というわけで、いそいそと、フィエスタのテールランプ交換を始めたのですが、始めたのですが、始めたら、えらい面倒で、たいへんでした。記事で書くことはありましたよ、ボディデザインにこだわり過ぎたがゆえにランプといった消耗品交換がすこぶる面倒になっているモデルが多いとか、そんなあれこれを。ま、自分のクルマも、それに準じているだろうとは思っていましたが、ベースは、先代デミオですからして……と思っていたら、ランプユニットを外すのにフロアカーペットをはがし……、手を入れると確実に傷になるようなサービスへと手を突っ込んで、ようやくランプへ到達して交換。しかしですね、フロアカーペットをちょいと無理矢理に持ち上げたもので、これが元に戻せない。きれいに収めるためにはリアドアのサイドシル部分のカバーから外して、リアクォータートリムパネル(内側ね、もちろん)まで外さねばならぬ始末。ま、こういう性格だから、えいや! で押し込み、見えないところは力技で収めましたけども。あ、今回の行方不明ネジは、1本出そうでしたが、結果、0本となりました。  それにしても、ディーラーでお願いし

#1657 フィエスタとジムニーと、車検取得。まだまだ乗ります宣言。

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 2年に1回、散財な巡りがあります。所有しているフォード・フィエスタとスズキ・ジムニー、偶然なのですが、車検が12月でしかもサイクルも一緒で、つまりは同じ年の同じ12月に車検が2台。さらには、これもまた偶然なのですが2台ともに11月中に自動車保険の更新があります。そうなんです、最悪な出費が待ち構えています。それゆえにどちらかを手放そうかなと思うのですが、思うのですが、手放せない。費用が掛からないのはジムニーですが、だからといって、フィエスタもそれほどかかるかといえば、掛からない。グランドチェロキー時代(V8/4.7L)のことを考えれば、安いもん。だから、2台、車検を通してしまうんですが。  フィエスタは、6年目を迎えて4万kmを少し超えたところですが、これがトラブルレスな優等生なようで、これといって手も掛からず。あれだけダストをまき散らし、ホイールに付着させているブレーキパッドも、まだまだ残り7mmも残っていましたし、バッテリーも、ま、すぐには交換せずで良さそう。で、思うんですね、フィエスタを手放す時って何がきっかけになるのだろうか、と。たぶん、デュアルクラッチTMのトラブルなのかなと思ったりもしますが……。ちなみに、トランスミッションについては、もはや諦めています。といいますか、最初からフィーリングについては期待していません。だからといって、何かリズムがあるわけではなく、まったく気ままな、その雑なクラッチ操作に呆れ返りながらも、ま、こんなもんでしょと捉えています。  ところが、今年の初めだったか、夏だったかに、制御プログラム変更がありまして、で、車検のついでにお願いしたらですね、走りがですね、超・優等生に変わってしまった。ぎくしゃくは消え去り、つまり、飛び出しもないし、シフトフィールも滑らかでトルコンATかのよう。ちょっと前にエンジンオイルを交換してあったことと、タイヤを新調したこともあって、もう、走りが滑らか、滑らか。一新されてしまいました。この調子だとまだまだ乗れそうですな、というか、手放すにはもったいない。ちなみに買い取り値は約40万円、売り値は約100万円。売り値は理解できます、この乗り味に対する価値と、稀有って意味合い含めて。でも、ユーザーとして、このクルマの乗り味に対して、買い取り額はちょっと安すぎといった印象。こうなると、売るよりも持っていた

#1613 やっぱり、奥能登、なんだかんだで、奥能登。夏休み編。

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 ここを放置したままに、気付いたら9月になっていました。ということで、いまさらではありますが、8月の話をあれこれと。まずは、能登から。そもそもひとりで出掛けていた能登ですが、宿の方針もあってひとりだと割高になるとか、平日になかなかまとまった時間を先読みしてまで確保できないってこともあって、ここのところ、一般社会人の方々の長期休みに合わせて、知人と一緒に出掛けていたりします。  で、このお盆休みも出掛けてきました。なんだかんだ言いながらも、やっぱりですね、ひと気のない奥能登がいいとつくづく思いました。たぶん、そこらの観光スポットよりは少なかったと思いますが、それでも煩悩はあちこちに散見され、自らもいつしかそれに巻き込まれていまして。単純にですね、クルマの走らせ方がもうダメ。奥能登は、基本的にお互いさまがありましてね、道を譲るシーンにしても、お互いを遠くから認識した際からアクセルコントロール(ブレーキじゃないんだな)を行い、美しくすれ違うんです。ところが。我が者顔で走りまくる他府県ナンバー、いや、県内ほかナンバーもかな、は、自分優先であって、さらには追い越しにしてもこれ見よがし。怏々にして、そういうオーナーに限って、運転に過信しているところがあって、あまり上手とは言えないところもあります。なんつーんですかね、簡単に言いますと、直線だけ速い、つまり、コーナーは遅い、と。そういうことを目にして、なんだかなぁを感じてしまっていることに気付くと、やっぱり平日強行軍がいちばんだなと思いました。  と、なんだかいきなりマイナスなことを書き連ねましたが、やっぱりですね、奥能登はいいです。その良さをこれだけ足繁く通って分かっているつもりであっても、東京へ戻ってくると忘れてしまうものです。あの、わずらわしさがない何もないことの心地よさ、そこにただ暖かいだけの気遣い、笑いの絶えない人とのつきあい、素を生かした食の数々。そして、幾度も足を運んでいるのに、毎回発見や驚かしがあります。今回は、能登集合当日に、愛知県在住の知人が出発時にマンションを出る際にこけて、そのまま入院ってなイベント(失礼!)があり、そこからあれこれとイベントが続きました。あっちとこっちの奥能登の人間関係をさらに知ったとか、そして、昨年秋に出掛けた、奥能登国際芸術祭に出品された作品に再び巡り合ったり、実は前回見ていたよう

#1602 さらに良くなった最新型MINIと、愛車フィエスタを比較した、話。

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 早いもので、BMWに移ってからのMINIの3世代目モデルも、もう、マイナーチェンジだそうで。というわけで、早々に日本に上陸を果たし、プレス試乗会が行われたので、その話を。そもそも、現行型MINIに関しては、BMWフルオリジナルになったこともあって、わりと大絶賛していました。実のところ、フィエスタよりもMINI ONEが欲しかったりもしました。ただ、 #1583 で書きましたが、ごく最近デビューした欧州Bセグモデルからはもはやベーシック感が消え去り、言葉は嫌いですが、プレミアム感まで出て来ていまして、最近といえば、最近デビューしたばかりのMINIですら、そこに古さを感じていました。もちろん、BMWもそんなこと分かっていますから、さて、マイナーチェンジでどう変わるんだろうかってのは、ファンとしてとても興味深く思っていました。   と、まだまだ前置きは続く。今回の試乗会へ行くのに、フィエスタで出掛けることにしました。以前、タイヤを指定空気圧を整えたって話をしましたが、リアだけは高いままでしたので、リアも整えましてね。つまり、走りをチェックしたいところもあって、フィエスタで出掛けました。いや、恐れてはいましたよ、MINIの仕上がりのあまりの良さに、帰路、フィエスタの悪いところばかりが目に付くのではないか、って。なんてあれこれを思いつつ出掛けたものの、現場への到着が遅かったもので、残っていたのはクーパーS(先着順なもので)。最近のクーパーSはコンフォートな乗り味まで手に入れていますから、ますます、フィエスタとの差を感じるのではないかと恐れおののきつつの試乗となりました。  ま、さらに良くなっていました、MINI。あのですね、ハンドリングに関しては相変わらずのクイック感がありますが、そこに唐突感がない。クーパーSゆえにパワーを掛けるとフロントが抜けるフィールもありますけど、気にならない。とっちらかるわけではありませんから、それもまた味と感じさせます。それよりも感激したのはシャシーのしなやかさ。あのですね、あれはクラブマンやクロスオーバーに使われているひとつ上のプラットフォームで手に入れたフィーリングで、アンジュレーションある路面での気持ちよさったらありゃしないって感じでした。そう、サスペンションの動きがつぶさに伝わって来る。だから、安心感があるし、だからドライブが楽し

#1595 ジムニーもいいけど、フォード・フィエスタもとってもいい、って話。

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 さてと、今回能登まで走ってきたフォード・フィエスタの話をしましょうか。自分のところに来てから、もうすぐ2年、約1万5000kmを走りましたから、トータルで3年目、走行距離は3万kmを突破しました。ただですね、以前にも書いていますが、どうもしっくりと来ないことがあって、試乗会で感じた感激と異なる、違いをずっと思い悩んでいました。ま、それが、シャシーフィーリングなんですけどね.最初に感じたのは、しなやか、かつ、剛性感あるという、ヨーロッパフォードらしさといわんばかりの懐の深さでした。それは、エンジンパワーはフィエスタの1.0Lターボとしては最も出力が低いバージョンだったこともあって、シャシーの役不足を感じてしまうほどのもの。ところがですね、距離を走ったからでしょうか、ダンパーの動き(減衰フィール)にきめ細やかさはなくなり、ま、簡単にいいますと抑えがきかず、195/45R16サイズのタイヤのグリップ力と硬さだけが、妙に目立って、妙じゃないな、嫌みのように強調され、ロールスピードは速過ぎるは、コーナリングで挙動は落ち着かないわで、ダンパーやらブッシュの寿命か? それとも昨今の新型Bセグメントモデルのクオリティアップとは世代が異なるがゆえに、感じているのか? と分析していました。  いたんですけどね、あのですね、先日、釘を踏みつけてタイヤがパンクしましてね。で、パンク修理して、空気を入れて気付いたんですけど、前後とも280kPaに整えられていたものであまり気にせず、そのままに乗っていたんですが、この度、マニュアルにて確認したところ、フロントは240kPaで、リアは180kPa。え、180hPa? 昨今見かけなくなった、200kPa未満という指定。ただ、これは3人まで乗車とという前提で、4〜5人となるとこれが320kPa指定となっていますから、いかに、タイヤ空気圧の設定が乗り味を変えるかが、ここからも分かります。そもそも、まぁ、ハイグリップ指向のキャラクターゆえではありますが、それにしても、そうですか、といった感じ。  で、リアを高めにしつつ、フロントを指定空気圧に整えたら……、あのですね、あの乗り味が戻ってきました。まぁ、戻ってきたってのは正しくはないか。狭き範囲ながらサスペンションのストローク量を存分に生かしながら、ダンパーが適度にその動きを調整して、大きな入

#1590 3台のアクションカメラ、ようやく、使いはじめました、って、話。

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 あれこれと買い漁ったアクションカメラ。あれこれと購入して、そして知人も購入して分かったのですが、カタチやらスイッチの位置、そして、ケースやらの汎用性は共通であっても、UI、仕様は意外にもどころか、バラバラ。動画ファイルにしたって、そのフォーマット、圧縮率、バラバラ。スマホをコントローラー的に使えるWiFi接続も、アプリによってあれこれバラバラだし、繋がり難ったりしますし、ウリとなっているリモコンスイッチも、使ってみたら写真撮影でのシャッターを切る操作のみだったりとか。さらには、品質がバラバラ。ただ、これについては、昨今の品質のばらつきは交換で対応というスタイルがゆえに、気にならず。いずれにしても、購入したのは3000〜4000円でしたから、そもそもあれこれ期待はしてとはいえ、まさに買ってみなければわからない、購入するにあたってはそんな覚悟が必要となることを、あらためて感じました。  で、我が家には、あれこれあって3台ああり、基本的にクルマでのドライブレコーダーとして使うのですが、どれをどこに配置するかは、いまだに決まりません。そもそも、いちばんの悩みはいちばん左のフェイスパネルがホワイトのアクションカメラでして、これ、ホワイトゆえ、つまり、外から目立ち、いかにも撮影しています的なスタンスに見られるのもなんだかなぁと思っていましたが、試しに使っているうちに、堂々と使っていますをアピールしたほうが、ひょっとしていいのかもしれないと思うようになりました。  ということもあって、ホワイトのアクションカメラ、使い勝手と画質の良さからメインとして使うことは決定したんですが、問題は、リア用。これこそ、カメラの存在に気付いてしまうと、撮られていると強く感じられてしまいますから、どうしたものか、と。まぁ、ただ、リアカメラって、いわゆるバックカメラが配置されていたり、ドライブレコーダーで撮影している人もいますから、いいのかなとは思うのですが……。難しい。なんてこともあって、最近は、街中を走るクルマが、ドライブレコーダーをどう活用しているかをよく観察するんですが、今日は、撮影中のステッカーを貼りつつ、本当にリアにカメラを取り付けているクルマを見ました。あのステッカーって、ダミー的に利用するものだと思っていましたけどね。  そうそう、メイン使用となりそうな、ホワイトのアクションカメ

#1556 制御プログラム書き換えで走りに輝きを取り戻した、我がフィエスタ。

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 この年末に、フィエスタとジムニーが車検を迎え、ついでにともに任意保険も更新となります。車検のタイミングだけではなく、保険更新のタイミングまでピタリと合わせたつもりはまったくないんですが、すべてがまとまってやってきます。それにしても、ともに我が家にやってきた時、それぞれの車検残りはフィエスタが1年半、ジムニーは1年だったのに、この年末まであっという間のことでした。久しぶりの2台持ちをしてきて感じたのは、意外にもジムニー1台でどうにかなるってこと。能登も往復しましたし……。ただ、だからといってフィエスタを手放すのも、寂しい限り……。  なんて悩みは続きますが、ここではフィエスタの話を。こやつ、昨今の輸入車ですから、例に漏れず、昨今のメンテナンスパッケージを標準装備しておりまして、最初の車検、つまりメーカー保証期間まで、オイル交換やら点検が無料という扱いになっています。なりますので、先日、サービス工場(元フォード、今は別会社、でも、場所も、スタッフも変わりなく)へと出かけ、点検とオイル交換をお願いしてきました。その際、何か不具合ありますか? と訊かれ、特に不具合と言えるようなこともなく、何もありませんと言葉にしたんですが、したんですが、デュアルクラッチの件を言うだけいっていることにしました。いや、トラブルではないんです、ないんですが、デュアルクラッチの世代が古いがゆえに、実は、フィエスタ、かなりぎくしゃくがあります。それは振動があるレベルは当たり前で、ターボのセッティングもあって、飛び出し感まであります。ありますが、この手のフィーリングは慣れていますし、アイドリングストップが付いていないこともあって、それほどまでの不満には思っておらず、むしろ許容範囲内だと認めていました。でも、ちょっと話をしてみたところ……、エンジン&トランスミッションの制御が新しくなったプログラムが出ているようで、それに書き換えてみるとのこと。おっと。言ってみるもんだなと思いつつ、書き換えてもらったらですね、変わった。戸惑いは消え、ショックも消え、エンジンオイル交換直後ってこともあって、3気筒らしさも抑えられ、エンジンフィールも実にスムーズなったりして。ちなみに、診断ではトランスミッション側にエラーはなく正常の範囲内。そうそう、学習機能のリセットも今回行われています。  サービス工場を出てから、ハ

#1544 ハイパフォーマンスに止まらず、愉しさを極めていた、ルーテシアR.S.。

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 試乗記が連続します。で、続いては、ルノー・ルーテシアR.S.。レギュラーモデルについては #1531 にてあれやこれやと記しました。で、続いて、ルノースポールが手がけたR.S.、と。本日、発表、発売だそうで。  改良前の、現行世代のルーテシアR.S.については #647 にて記していますが、読み返してみると、インプレッション的には、ほぼ同じ。ただですね、操縦性における質感がすこぶる高くなっておりまして、簡単に表現しますと、誰でも愉しめる感が、大きく引き上げられたといいましょうか、扱いやすさが増していました。つまり、結果、速い。そんな捉え方をしてもらえるといいかと思います。  もう少し書きますと、路面のトレース性はかなり引き上げられた印象があり、荷重移動を感じやすいといいましょうか、しやすい。つまりですね、愉しい。タイヤのグリップ力はいうまでもなくハイレベルなんですが、そのグリップ力がどうかを伝えてくるグリップ感の豊かなことったらありゃしないですし、シートまで含めたクルマとの一体感まで、すべてが極上。ヨシダ流に表現するなら、あれです、ヨーロッパフォード車的な、ケツ(ドライバーのね)だけでクルマをコントロールできる、あの一体感。そのほか、1.6Lターボエンジンの極太トルクがもたらすパワーにしても、オンセンターフィールを極限まで詰めたステアリングフィールにしても、無理矢理感たる違和感がない、ない、ない、ない。すべてが自然であって、すべてが速さと愉しさに繋がっている、そんな印象です。  で、つくづく感じたのは、これだけの内容ながら、この価格、安いってことでしょうか。試乗したシャシーカップで309万円。Cセグのハイパフォーマンスモデルもいいけれど、これだけの愉しさが作り込まれているならば、価格差を考えると、ルーテシアR.S.(Bセグ)のほうがいい。ちなみに、今回のフェイスリフトでは、シャシーカップが復活となっただけではなく、大幅に値段が下げられたシャシースポール(284万円)、スパルタンテイストを強めたトロフィー(329万円)の3タイプが設定されており、どれでもお好みをどうぞという、そんなルノー(ジャポン)のスタンスにも拍手喝采。  ちなみに試乗会場は、前回のルーテシアR.S.の試乗会と同じ、箱根ターンパイク(周辺)。前回の印象が思い起こされ、シャシースポールが

#1493 あらためて感じた、フォード・フィエスタのやんちゃっぷり。

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 フィエスタ(走行距離1万5000km)が我が家にやってきたのは昨年の7月中旬のことでしたから、早いもので半年が経過しました。走行距離は予想以上に伸びていましたが、11月にジムニーが来たことで急激に抑えられ、ほぼ半年が経過した1月中旬でトータルで2万kmを突破となりました。半年で5000kmってことですな。ちなみに、最近、かつてのクルマの履歴が出てきて、それを眺めていたら、勢い余って新車で購入してしまったインプレッサSTi4は1年半で2万5000km、同じくのランエボはやはり1年半で3.8万kmでしたので、それに比べると随分と大人しくなったもんだと思います。といっても、インプレッサの頃は、1か月の走行距離制限を課していましたが。  さて、フェイスタに話を戻しましょうか。そんなわけで、いつも乗っているというよりは、間があってから乗ることも多く、乗る度に発見があります。その中でも印象に残るのは、いいところではなく、なんでこういう仕立てにしているんだろうっていうダメっぷりのほう。たとえば、アクセルワークに対してのパワーの出し方。あまりに機敏であり、かつターボの立ち上がりとクラッチの繋ぎを唐突に行うもんですから……、信号待ちではひとりギクシャクしているし、発進でも飛び出し加減が強くて、扱い難さにあふれています。そう、いちばん好みではないフィーリングだったりします。  ただですね、自分の好みに合わせるようにそろりそろりと走らせるのではなく、フィエスタの走り方に従って、逆に元気よく走らせようとすると、こんなに愉しいクルマはありません。軽快感を超えた先にある、やんっちゃぷりにあふれていまして、ひたすらに愉しい。その上で、以前にも書いた、コントローラブルなブレーキフィーリングがありますから、それらに浸ると、この仕立てに感心を覚えます。そうなんですね、なんだかんだいいながら、オモシロイクルマです。  ま、そういった走りをした際には、それなりの"高"燃費を覚悟しなければなりませんが。って、そうそう、ここのところ愛知県へ出掛けることが多いのですが、なんとか無給油で帰って来られます。といっても、燃料タンク容量は42L、走行距離は700km弱(往路は中央道、復路は新東名経由)ですから、燃費に換算すると約6L/100km(16.6/km/L)といったところ。排気量が1

#1455 運転しても、眺めていても、ひたすらに愉しい、ルノー・トゥインゴ。

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 トゥインゴです、ルノーのトゥインゴ。ただ、ヨシダ的なロングドライブではなく、ちょっと撮影で使いました程度ですので、じっくりとはインプレッションしていません。が、 #1418 で語りましたように、とにもかくにも愉しいのひとことに尽きます。それは、MINIに表現された愉しさとはまたちょっと違うものでもあり、でも、大枠においては共通項にもなっているという愉しさですな。  とにかくですね、このシャシーの粘りったら、これぞ粘ると言わんばかりの粘りよう。その安定性たるや、ハイレベルで、ドライバーを含め、乗員に安心感を与えてくれるもの。唐突なアライメント変化など見せません。それでいながら、RRたる操縦性に長けている。クイック気味に仕立てられてはいるんですが、ここにも唐突感がなく、コーナーでは少し深めにロールさせるあたりなど、対話性がトニモカクニモ豊かで、うっとりといった感にあふれています。乗り心地は、重量バランスもあってのことでしょうかね、上屋にもう少し重しを載せたいと感じるような硬さがありますが、ストローク量豊かなシャシーフィールによって、そんなのまったく気になりません。  で、そんな愉しさ、軽快感、スポーティさを助長してくれるのが、0.9Lターボエンジンとシングルクラッチ式2ペダルMT。とにかくですね、低回転域でのトルクが太くてですね、そこには扱いやすさと頼もしさがあります。そう、結果、スポーティ。高回転まで刺激的には回りませんが、これで十二分なのではないでしょうか、といわんばかりのトルクバンドも相まって、好印象。ちなみにですね、ショートホイールベースやら重量配分やらによるピッチングが懸念されますが、って、ありますが、あるんですが、不安にさせるレベルには届いていませんし、それどころか、速度を上げていくと、何か? と言わんばかりのフラット感を見せるんですね、これには驚きました。そんな速度域でのコーナリングは、言うまでもなく、とんでもなく安定していましてね、そこに深い、深い、深い、深い、対話性もあるんもんですから、もう、感激といった感じ。まさに脱帽ですな。  そんなトゥインゴを返却した後、フィエスタに乗ったらどう感じるかと自ら興味津々でしたが、意外にも、フィエスタのまとまりの良さに感心し、フィエスタの良さを改めて感じた次第。特にシートの作り方や、シャシーへのコストの掛

#1453 2台体制スタート、我が家にジムニーがやってきた、って話。

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 というわけで、クルマ、2台体制がスタートしました。以前にも書きましたが、グランドチェロキー以前は、2台体制でしたので、特別感はないのですが、無駄なことしているなぁ感はあります。同時に2台乗ることできませんし、駐車場代だって2台分、自動車保険だって2台分ですから。  そもそも、自分のクルマ選びにおいて、山やら、雪やら、オフロードやらを走れることがひとつの条件となっていますが、実はふたつ目があります。それが、クロカンモデルでは満たせない、スポーティを語れるモデル。そうなんですね、この2つのラインが、クルマ選びで譲れぬ絶対条件となっています。といっても、それはこんな過去の経験から。そもそも、免許がないころは、免許を取ったらクロカンヨンクが欲しいと思っていましたが、いざ、乗ってみると、実はスポーツカーテイストも好きであることが判明し、その両方を兼ねようとばかりに、乗用車系4WDターボを選んだところ、独立懸架サスでは砂浜でひたすらに潜っていくことを体験して(スタックしかかった)両方を兼ねることは難しいことを学び、で、2台体制、になった、と。ただ、振り返ってみますと、昨今まではグランドチェロキー1台体制になっていました。しかしですね、その両方をグランドチェロキーに期待したつもりはありませんでした。1台にしたのは、V8/4.7Lエンジンを所有するにあたって、さすがに2台体制は貫けなかったからだけのこと。ま、税金やら、燃料費やら、ですな。つまりですね、今回の2台体制は、本来の理想へと戻っただけのこと。ですので、フィエスタに決めた時点で、もう1台、できれば、ジムニー、でも、中古でも高値なので、パジェロミニかな、と探していました。  と思っていたら、夏前だったかにですね、知り合いがですね、なんとジムニーを手放すかも……ってな話が飛び込んできましてね。ということで、先日、そのジムニーが我が家にやってきました。17万kmと過走行気味ではありますが、そもそも前オーナーさんは、同業、かつサスペンションを眺めただけで、乗り味を言葉にできるほどに詳しい方ということもあって、状態はとても良く、大満足。で、ここのところ、フィエスタが留守していることもあって、ジムニーにやたらと乗っていますが、MTであることも手伝ってですね、ついついエンジンを回してしまいますし、ジムニーにたくさんあるダメを半ば感心

#1452 やっぱり良かったMINIのディーゼル、でも、フィエスタもいい、って話。

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 さてと、MINIのディーゼルモデルをロングドライブしておりました。最初は、3ドアのクーパーSD(直4/2.0L)、続いて5ドアのクーパーD(直3/1.5L)と。好みから言いますとね、完全に、クーパーD。エンジンはさておきですね、やっぱりシャシーが、クーパーSDはスポーツ性能に特化させている分、快適性という面で好みからは外れるかな、と。エンジンは、いい。とっても、いい。極太と言いたくなるトルクが発進直後から発生し、そのままにとんでもないスピード域へと誘うフィーリングは、とっても、いい。でも、そのシャシーが、スパルタン手前に止めているとはいえ、この年になると、もはや、好みではなくて……。その分、クーパーDは、ディーゼルらしい太いトルクと、ストローク量が少ないとはいえストローク感がバランスしており、とっても好印象でした。ちなみに、クーパーDのほうが、ホイールサイズは大きかったんですが、それでも乗り心地はクーパーDよりも良かったのです。といっても、クーパーDとて意外にものんびりと走らせる仕様ではなく、ちょっとアクセルを踏むとそれなりに加速していきますから、日本に導入されていないONE Dが、自分好みではないかとも感じましたけどね。  さて、課題である、我がフォード・フィエスタとの比較ですな。比較するとですね、開発された時代と言いましょうか、プラットフォームの世代の違い(メーカーは異なりますけど)に、大きな差がありまして、整えられた質感は、MINIのほうが断然上。断然に。それにともなってハンドリングの明確さもMINIのほうが圧倒的なハイレベルを誇っていますし、ボディ剛性も同様に。さらに、MINIクーパーDには、さらにMINI YOURSという、クラフトマンシップあふれるオプションによって、もはやコンパクトであろうとラグジュアリィを語れる特別な装備群に仕立てられており、フィエスタと比較するのが申し訳なく思えるほど。もはやそういった面でもひたすらに脱帽といった感じでした。ま、価格がね、オプション含めてほぼ500万円になっていましたからして。さすがに、ここまで価格差があるとね。  ちなみに、燃費は、これがですね、意外にも2.0LディーゼルのクーパーSDが悪くなかった。同じシーンを走ったわけではないので比較できないのですが、八王子から東京駅まで下道を走って、ご覧のとおりの2

#1441 クロスしたポロなんだけど、ワインディングがとっても愉しいって、話。

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 ほほぅ、FFモデルで、クロスオーバー的なスタンスであっても、クロスカントリーランを楽しめるのか、ってことを、先日行われましたプジョー2008の試乗会で感じ、それならば……、ではなく、そもそもの昨今のクロスオーバーモデルって、どうだっけかなとばかりに、復習を兼ねて、比較を兼ねて、フォルクスワーゲンのクロスポロをテストドライブすることにしました。ちなみに、ポロが最新世代へとスイッチしてから、クロスポロのロングドライブはすでにしております。で、そこで感じたあれこれは #1079 に記していますが、読み返してみると、絶賛していますな。もちろん、今回のロングドライブで、あの時に感じたことと基本的に同じことを感じました。しかしですね、あれから、あのクルマが改良され、そのクルマがデビューしていますし、何よりも、Bセグってことで言いますとね、自分がユーザーになっていますから、その見方はかなり厳しいものになっていることも、テストドライブしながら、強く感じました。  まず、感じたのはベースとなったポロが大改良を受けているとはいえ、世代の古さのような、今どきの最新Bセグモデルに届いていないこと。いきなり厳しい意見ではありますが、これが、すべてのベースにあります。特に感じたのは、クロスポロに採用された215/40R17サイズのタイヤを抑えきれていないところ。とても細かいレベルの話ではありますが、大きな入力をシャシーでいなしきれていないところがあり、それがボディを振動させていましてね、ゴトゴト手前のコトコトではあるんですが、ストローク量が大きくは確保されていないこともあって(多分、レギュラーモデルと変わらないと推測)乗り心地にあと少しを感じてしまいました。このあたりのいなし方は、最新のBセグモデルは、うまくこなせるようになっていますし、何よりもロープロファイルタイヤでそれを実現していますから、比較してしまうと、惜しい。って、以前、書きましたが、GTIになれば話は別ではありますが。  ハンドリングも、SUVフィールではないキャラクターをもつタイヤと、ポロ由来、かつクロスオーバー専用となったシャシーとのバランスにあと少しを覚えました。シャシーにおいて緩さを消しきれていないところがあり、ステアリングを操舵した際のフィーリングに緩さがもたらす余計な動きがありましてね、日常域で強調されるかの

#1428 あれもこれも、味にしてしまう、最新MINIのバランスの良さ。

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 先日、MINIをおさらいできる機会ありました。昨今デビューしたディーゼルと、コンバーチブルでしたが、でしたが、やっぱり、これが良かった。フィエスタにすっかり馴染んだ身として、MINIをどう感じるかは、ある種の後悔すら追ってしまいそうで、ドキドキもありましたが、MINIはMINI、フィエスタはフィエスタと捉えることができましたので、ほっとひと安心といったところ。  それにしても、MINIってのは、現行世代に入って(クロスオーバーは除く)、MINIらしさを極めつつ、走りでの完成度を大きく飛躍させました。音や振動などは、完全に評価軸が異なっており、聴かせること感じさせることを目指したといわんばかりの作り込みに改めて感心したほど。そうなんですね、音、振動は、フィエスタにもあります。ありますが、抑え切れなかったのか、抑える加減を整えて味にしてしまっているか、そこに両車の違いがありました。  価格が高いとはいえ、BMWのディーゼルはMINIでもとっても好印象的。なんでしょうね、あのバランスぶりは。トルクによる扱いやすさを見失うことなく、パワー感も加えている。つまり、ディーゼルユニットであっても、MINIらしさを見失っていないんですね。パンチという面ではガソリンモデルに劣るところはありますが、トータルバランスに長けている感がありまして、個人的にはこのMINIのディーゼルがかなり好み。特に、Clubmanのディーゼルは、ボディクラスがひとつ上ということも相まって、かなり好印象。次期クロスオーバーは、このClubmanベースでしょうから、時間が経過しての熟成も含めて、さらなる好印象が期待できます。  やっぱり、いいですな、MINI。ただ、唯一の欠点は、価格でしょうかね。いや、価格なりの価値はありますよ、あると思いますよ、思いますけどね、COOPER Dで364万円。冷静に考えますと、庶民が気安く購入できる価格帯ではありませんな。あ、唯一と言いましたけど、もうひとつ、ありました。ATのみのラインナップってのもありますな。あのディーゼル、是非ともMTで堪能したいものでしてね。そう考えると、実は輸入車のディーゼルモデル、MTとの組み合わせに実のところ隙があります。なんてことを考えはじめると、ディーゼルにMTを広く組み合わせている、マツダに対して、さらなる好印象を抱いたりするわ

#1422 愛車という視点から気付いた、フィエスタのあれこれ話、その3

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 我が家にやってきてから、はや2か月が過ぎたフィエスタですが、乗り込めば乗り込むほど、説明がつかずといいましょうか、不可思議といいましょうか、フォードのシャシーの仕立ての妙を感じます。最近の観察はまさに細かなところにまで到達しています。いますが、分からないことは多々あります。  ここでは、分かってきたことをあれやこれや。先に述べてきたことは変わらずで、シャシー剛性とそれを支えるボディ剛性にフォーカスした設定がベースとなっています。サスペンションのコイルスプリングレートは少々高めに設定されていますが、それを硬さと感じさせないのは、先に述べた理由によりストレスを感じさせないストロークを許しているから。そして、初期の動きを許しながら、それ以上はダメといわんばかりにダンパーが減衰力を立ち上げて規制に入ります。このあたりは、ダンパーがコイルスプリングを躾けているといった感がありまして、実に気持ちいい。しかしですね、ここで、ブッシュでの動きを許すんですな、このクルマ。Bセグなんですが、大きめたる容量を感じさせるブッシュ。ただ、それがですね、いわゆるぐにゃぐにゃではないんです。入力方向へと受け止めるだけで、妙なベクトルへの動きを発生させない。そうなんですね、動く要素がこれだけありながら、それらが役割を明確にしていまして、うまく動きをバトンタッチさせていく。ここからは先はよろしくといわんばかりのバトンタッチ。しかし、それは協調ともいえるフィーリングでして、このあたりが、言葉で説明仕切れない。  ただ、先にも述べましたように、大入力に対しても正直に動いて、衝撃をいなそうとするため、リバウンドが大きく出てしまうといった嫌いもありますが、すっぽ抜ける感ではなく、逃がしている感に止めていますから、このあたりも実は秀逸だと感じるところ。以前に、乗り味に雑味を感じると、書いたかもしれませんが、それはタイヤのハイグリップたるキャラクターと、3気筒エンジンによる雑感が織りなすものであり、それを取り除くとしなやかさが前面に出てくるような気もしました。  標準サスか、スポーツサスなのか、の件は、いまだ判断できず。今日、観察していたら、ここまで整えられていると考えると、スポーツサスか? と感じつつ、コーナーでのタイヤの役不足から判断するに、やっぱりノーマルサスに、オーバースペックタイヤの組み合わせ

#1413 愛車という視点から気付いた、フィエスタのあれこれ話、その3

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 気付いたあれこれに戸惑いを感じながら、郊外での走りで披露するポテンシャルに感激しながらも、やってみたいことがありました。同セグメントモデルとの乗り比べ、です。ただ、MINIにしても、デミオにしても、ルーテシアにしても、208にしても、設計の古さを感じることになるんだろうなと思うと、比較したくないなと思う気持ちもありました。  と、そこに突然にプジョー2008に乗って愛知まで出掛ける仕事が入りました。208そのものではありませんが、準じているところは多々ありますから、さてどうなることやらと心配半分、興味半分で出掛けました。ま、結論から言いますとね、排気量差はあるとはいえ3気筒エンジンながら振動を抑え、音を抑え、ボディ剛性を引き上げて、そこには、Cセグでなければ手に入れられなかった快適性を与えていまして、ひたすらに感心しきり。シャシーセッティングはしなやかさと剛性感をハイバランスさせており、アンジュレーションのあるシーンではサスペンションの動きにうっとりを感じますし、すこぶる高い直進性は乗員に安心感を与えますし、コーナーでは余計な動きを見せることなく、難なく駆け抜けていってしまいます。フィエスタでも似た表現をしていますが、そのすべては、はっきり言って上をいっています。今回、特に印象に残ったのはATでしょうな。シフトスピードと、的確といわんばかりのギア比に感心。シフトの速さは、フィエスタ(デュアルクラッチ式2ペダルMT)にある待ちなどなく、また、ダイレクト感もありますから、それもまた、フィエスタとの世代差を感じたところです。  そんな2008のバランスから、たとえ、ATだからと諦めた208(2008ではなく)にしたほうが良かったんだろうかと思いましたが、取材後にフィエスタに乗ったらば、意外にもフィエスタを古いと感じませんでした。先にも書いたように世代差やらはあります。ありますし、フィエスタには雑といわざるをえない、あえて抑えなかった3気筒たるフィーリング、ハイグリップタイヤがもたらす音や振動、そして、シャシー剛性はいいんだけど、上屋に不足を感じる剛性やらがあります。つまり、快適性という面での不足ですな。しかし、ハンドリングにおいては不足を感じませんでしたし、乗り味についても古いとは感じさせなかった。逆にですね、10年近く前に設計されたモデルなのに、まぁ、良くできてい