#1544 ハイパフォーマンスに止まらず、愉しさを極めていた、ルーテシアR.S.。

 試乗記が連続します。で、続いては、ルノー・ルーテシアR.S.。レギュラーモデルについては#1531にてあれやこれやと記しました。で、続いて、ルノースポールが手がけたR.S.、と。本日、発表、発売だそうで。
 改良前の、現行世代のルーテシアR.S.については#647にて記していますが、読み返してみると、インプレッション的には、ほぼ同じ。ただですね、操縦性における質感がすこぶる高くなっておりまして、簡単に表現しますと、誰でも愉しめる感が、大きく引き上げられたといいましょうか、扱いやすさが増していました。つまり、結果、速い。そんな捉え方をしてもらえるといいかと思います。
 もう少し書きますと、路面のトレース性はかなり引き上げられた印象があり、荷重移動を感じやすいといいましょうか、しやすい。つまりですね、愉しい。タイヤのグリップ力はいうまでもなくハイレベルなんですが、そのグリップ力がどうかを伝えてくるグリップ感の豊かなことったらありゃしないですし、シートまで含めたクルマとの一体感まで、すべてが極上。ヨシダ流に表現するなら、あれです、ヨーロッパフォード車的な、ケツ(ドライバーのね)だけでクルマをコントロールできる、あの一体感。そのほか、1.6Lターボエンジンの極太トルクがもたらすパワーにしても、オンセンターフィールを極限まで詰めたステアリングフィールにしても、無理矢理感たる違和感がない、ない、ない、ない。すべてが自然であって、すべてが速さと愉しさに繋がっている、そんな印象です。
 で、つくづく感じたのは、これだけの内容ながら、この価格、安いってことでしょうか。試乗したシャシーカップで309万円。Cセグのハイパフォーマンスモデルもいいけれど、これだけの愉しさが作り込まれているならば、価格差を考えると、ルーテシアR.S.(Bセグ)のほうがいい。ちなみに、今回のフェイスリフトでは、シャシーカップが復活となっただけではなく、大幅に値段が下げられたシャシースポール(284万円)、スパルタンテイストを強めたトロフィー(329万円)の3タイプが設定されており、どれでもお好みをどうぞという、そんなルノー(ジャポン)のスタンスにも拍手喝采。
 ちなみに試乗会場は、前回のルーテシアR.S.の試乗会と同じ、箱根ターンパイク(周辺)。前回の印象が思い起こされ、シャシースポールがどう変化したか試してみたくなりましたが今回試乗車にはなく。たぶん、しなやかさがさらに増し、とてもいい仕上がりになっているんだろうなと、妄想しました。ちなみに、ルノースポールの入門編的な存在であったルーテシアGTは、現在の日本での在庫を売り切ったら、終わりだそうです。そうなんです、今回のシャシースポールの値下げは、そこを拾うことも目的だったそうです。そうそう、今回、我がフィエスタで出掛けたのですが、箱根ターンパイクを走りながら、このクルマで走るのは初めてであることに気付きました。で、あれこれ観察していたら、そこそこにコーナーを駆け抜け、愉しいかったんですが、やっぱりノーマルシャシーとタイヤの組み合わせが……、云々。そう考えると、ルーテシアR.S.の仕上がり、バランスの高さに感服。その一方で、フィエスタSTってどんな乗り味だったのか、乗ってみたかった、なんてことも思いました。

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