#1413 愛車という視点から気付いた、フィエスタのあれこれ話、その3

 気付いたあれこれに戸惑いを感じながら、郊外での走りで披露するポテンシャルに感激しながらも、やってみたいことがありました。同セグメントモデルとの乗り比べ、です。ただ、MINIにしても、デミオにしても、ルーテシアにしても、208にしても、設計の古さを感じることになるんだろうなと思うと、比較したくないなと思う気持ちもありました。
 と、そこに突然にプジョー2008に乗って愛知まで出掛ける仕事が入りました。208そのものではありませんが、準じているところは多々ありますから、さてどうなることやらと心配半分、興味半分で出掛けました。ま、結論から言いますとね、排気量差はあるとはいえ3気筒エンジンながら振動を抑え、音を抑え、ボディ剛性を引き上げて、そこには、Cセグでなければ手に入れられなかった快適性を与えていまして、ひたすらに感心しきり。シャシーセッティングはしなやかさと剛性感をハイバランスさせており、アンジュレーションのあるシーンではサスペンションの動きにうっとりを感じますし、すこぶる高い直進性は乗員に安心感を与えますし、コーナーでは余計な動きを見せることなく、難なく駆け抜けていってしまいます。フィエスタでも似た表現をしていますが、そのすべては、はっきり言って上をいっています。今回、特に印象に残ったのはATでしょうな。シフトスピードと、的確といわんばかりのギア比に感心。シフトの速さは、フィエスタ(デュアルクラッチ式2ペダルMT)にある待ちなどなく、また、ダイレクト感もありますから、それもまた、フィエスタとの世代差を感じたところです。
 そんな2008のバランスから、たとえ、ATだからと諦めた208(2008ではなく)にしたほうが良かったんだろうかと思いましたが、取材後にフィエスタに乗ったらば、意外にもフィエスタを古いと感じませんでした。先にも書いたように世代差やらはあります。ありますし、フィエスタには雑といわざるをえない、あえて抑えなかった3気筒たるフィーリング、ハイグリップタイヤがもたらす音や振動、そして、シャシー剛性はいいんだけど、上屋に不足を感じる剛性やらがあります。つまり、快適性という面での不足ですな。しかし、ハンドリングにおいては不足を感じませんでしたし、乗り味についても古いとは感じさせなかった。逆にですね、10年近く前に設計されたモデルなのに、まぁ、良くできているなぁと感心させられたほどでした。
 この比較シリーズ、意外にオモシロイかもしれません。次に比較したいのは……、って、デミオか、MINIでしょうか。機会を作ってみましょうかね。

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