#1768 ルノー・ルーテシアのほうがいいと思っていたのに、アルカナのほうがいいと、評価が変わってしまった、話。
以前にも紹介したルノーのアルカナ、ルーテシア(いずれもE-tech)に同時に乗れる機会を得ましたので、その時に強く感じたことをあれやこれやと。ちなみに、両モデルについては、以前に、#1719ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。と、#1730アルカナと印象がずいぶん違っていた、ルノー・ルーテシア E-TECHハイブリッド。にまとめてありますが、今回テストドライブしたのは、いずれもちょっと刺激的なデザインを採用したエンジニアード。その内容は、走行性能に大きな影響を与える改良もパーツも採用されていませんでしたが、プレゼンでは、アルカナには、ディーラーオプション扱いとなるボディダンパーが発表されていました。
ちなみに、ルーテシア、キャプチャー、アルカナ(いずれもE-tech)の3モデルでは、ルーテシアのバランスがいちばん好みであり、そのことは#1734ルノーのE-TECHですけどね、ルーテシアとの組み合わせが好みでした、という話。に、まとめとして残してあります。ですから、今回の試乗会では、2モデルの比較とともに、ルーテシアのベストバランスはどこにあるのかを少し探ろうという思いもありました。ところがですね、結論を先に言ってしまうとですね、アルカナ+ボディダンパーのバランスに超感激。このボディダンパーは、YAMAHAが開発して、それをVWやアウディのチューニングメーカーとしてお馴染みのCOXが整えて、ルノーディーラーでのオプションパーツとして提供されているもの。そもそも、その実力は他モデルで体験済みではありましたが、ここまで、分かりやすいほどに性能を、いや、違うな、もっと言えばバランスを引き上げていて、ちょっとびっくりしました。
まず、感じたのはフラットライドなフィーリング。細かなピッチングを感じるはずなのに、ない、ない、ない、見当たらない。そもそも、ボディダンパーは、ボディ縦かつ前後方向(ピッチング)にそれほど影響を与えない、と思っていましたから、自分が感じていた、アルカナのファーストインプレッションに対して、疑いを抱きました。さらにですね、高速走行で、あまりに直進性が良くてですね、明らかに手が入っていることを感じさせまして、んで、そのままに東京湾アクアラインへ入って千葉へ向かうと、海上に出た橋にて、風速10m/sの横風(吹き流しが真横になるぐらい)をもろに受けているのに、それでも真っ直ぐ走っていく。相当な外乱が入っているはずなのに、ステアリングを持って行かれるようなシーンは少なく、つまりは、不安を感じさせるようなことがない。いうまでもなく、周囲のクルマは、フラフラしているような状況で。なんじゃ、これは、と、思って、木更津に到着して、あれこれとチェックしていくと、タイヤはクムホブランド、オーバーサイズな18インチと、かつて、乗った時と同じ仕様。え、オーバーサイズなのに、こんなにフラットフィーリングを作り上げているの? と、すごいじゃん、ルノー、と、いつもの「ルノーのチューニングの素晴らしさ」と勘違い。やればできるじゃん、を頭に思い浮かべつつ、帰りは、燃費計をリセットして、アクアラインを渡って、羽田空港をぐるりと回って戻ってくると、燃費は29km/L。燃費走行を意識せず、そこそこに加減速をして、という走りでしたから、こちらも期待以上でした。
その燃費も含めて、試乗メモに、スポーティに仕立てすぎていないところ「も」いい、なんて、かつてと全く逆のコメントを残していました。で、そのことをインポーターさんに伝えたところ、な、な、なんと、ボディダンパーが組み込まれた車両とのこと。なんだー、そうだったのかー、そうだよなー、と思いつつ、自らの評価軸のずれを心配していたので、ほっとひと安心しましたが。
そして、アルカナ試乗後にですね、以前はベストバランスだと感じていた、ルーテシアe-techに試乗したのですが、先にアルカナ+ボディダンパーに酔いしれてしまっていたので、燦々たる評価に。路面からの衝撃をいなしきれていないし、ステアリングフィールにスポーティを狙いすぎたところがあって好みじゃない、速度域を高めコーナーへ入っていくと操縦性と安定性をうまくバランスさせている(でも、高い速度域だぞ、これ)とか、試乗時のメモには残されていてですね、かつて、アルカナとルーテシアに試乗した際と、全く逆になっていました。ということで、このボディダンパー、6月の試乗会で聞いた際には価格未定でしたが、10万円+αになるのではないか、と。あー、これつけたほうがいいです、断然。そんなことを感じたテストドライブでした。