#1876 91年、第29回東京モーターショー用に出展されていた、日産 FEVへの多くの謎。


 日産自動車本社に一階に広がっている「日産 グローバル本社ギャラリー」の「ヘリテージゾーン」に電気自動車系が並んでいました。ここは、最新モデルだけではなく、過去のモデルを中心に、さまざまなヒストリーを展開しているコーナーで、適当なシーズンごとに入れ替えがあって、なかなか愉しめるゾーンとなっています。今回は、91年に東京モーターショーに出展されていた日産 FEVのほか、電気自動車としてはプレーリージョイ、ティーダも並べられていました。その中でも、この日産 FEVは、今考えてみるとかなり刺激的なモデルでした。フロントマスクは、そこにあの当時のフェアレディZを思い起こさせますし、テールランプはどっかで目にしたことがあるデザインそのもの。そして、クーペたるフォルムもなだらかさをデザインしながら、リアタイヤをフェンダーの中に収めてしまったところなど、美がたくさんあります。いやー、すごいね、これは。


 そのデザインも特別ですが、ガラスルーフがですね、横ではなく、縦に配置されているところもスゴくて(写真左)、それがリア方向へと繋げられています。それにしても、なぜ横開きではなく、縦に置いたんだろうかと、考えると、もう、不思議といいましょうか、想像があり、そこに愉しさがあふれていたりします。こだわりを持たなければ、なかなかこのデザインは実現できないのではないか、と、そんなことを考えるだけでワクワクしてきます。ちなみに、リアシートは設定されていますが、このルーフ下に自らが座っていたらば、どれだけ暑いんだろうかと、妄想はさらに暴走していきます。……。……。

 ちなみに、このモデルは走行可能で、社内を懸命に駆け抜ける姿が動画として上がっていまして、ちゃんとクルマとして動いている、といったことも分かり、ちょっと感激でした。そこに書かれていた説明によりますと、いわゆるリチウムイオンバッテリーの研究はまだ始まっていない頃、超急速充電システムによって40%充電を6分でこなし、0.19というCd値の高さを謳い、前輪左右独立制御の2基のモーターやら、一充電で250km走行できたりと、美点だらけ。ちなみに、ボディサイズは全長が3995mm、全幅が169「8」mm、重量は900kg、さらに最高出力が20kW、最大トルクが48Nmで、もはや、イマドキそのもの。このモデルはどうして実現しなかったのでしょうかね。不思議で仕方ありません。日産にて内外装レストアを行ったのは2025年だとか。そこには、ふーむ、がたくさん漂っていました。

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