#1786 ランクル300よりも好印象だったりする、ランドクルーザー250に表現された、ストレートな素直さ。


 三菱のトライトンにビックリしたって話を書いていますが、トヨタのランドクルーザー250にもビックリしました。現在のところ、ランドクルーザーラインナップは、300、250、70の3モデルとなっていますが、前回のモビリティショーでモノコックボディベースモデルの存在が明らかにされ、もう1台、コンパクトであるモデルの存在が公になっています。やがて5機種展開になりますので、現在の3モデルだけで否定をしちゃならんのですが、250は大き過ぎる、と、まず感じました。それもそのはずで、300とプラットフォームを共用しているために、そこに乗っけたボディサイズも、250GX以外では、300のZXと比較すると全長4925mm(−60mm)、全幅1980mm(±0)と、まさに同等となっています。いわゆるアメリカンフルサイズ僅かに欠けるといったサイズ感ですが、こんなドデカイボディを気軽に国内で走らせる人はいるんだろうか、と思ったものの、抽選販売とされながらも予定台数を大きく上回る申し込みがあったとか。いやはや、いやはや、といった感じです。


 さて、そんな中途半端な状況にあるランドクルーザーですが、4月にランクル群として、この3モデルのプレス向けオフロード試乗会が行われました。そこで感じたのは、300と250ってボディサイズだけではない、乗り味の違いがあったこと。全幅は同じなのですが、250はフェンダーを張り出させた(相対的にドアパネルを引っ込めている)造形としており、小さく見えます。なるほどなぁと思わせながら、その乗り味の違いを、ドライビング側で感じさせてくれる、不可思議なフィーリングがありました。


 今回は、オンロード中心の試乗でしたが、このコンパクト「感」たるイメージが扱いやすさを作り上げていました。左の写真のようなドアパネル上部に手を乗せられるというスタイルはもちろん、室内サイズにゆとりがあふれ、さらにはボンネットも全域を見渡せるし、インパネも直線基調で整えられており、そこにはすっきり感があり、それもプラスとなっていました。乗り味については、電動パワーステアリング採用もあって、操縦性にちょうどいいがありましたが、個人的には、それは乗用車的というよりは、ラダーフレーム付き、かつ、フロント:ダブルウィッシュボーン+リア:リジッドというサスペンションとしての、進化系ともいえる、好印象にあふれており、感心、感心。なんていうんでしょうかね、アッパークラスのプラットフォームならではのゆとりを存分に使い切っていて、タイヤのドタバタとした動きはやはりゆとりがあるサスペンションがきっちりと抑え込んでおり、それでいながらオンロードでは取り回しがいいし、路面トレース性がすごくいいといった感じ。なんだ、これは? と思ってしまったほどに、ものすごくバランスが取れていました。そして、やっぱりディーゼルエンジンの設えがよくできていまして、2.8L分なのですが、そこにゆとりを与えつつ、下から極太と呼べるトルクを発生させて、8速ATのフォローが手伝いをして、不足を感じさせない設えにしています。もちろん、高回転までそのフィールは変わらずに、豪快に加速していきます。このあたり、車両重量が2.4tオーバー(ZX)となっていることも考えると、その整え方に打ちのめされた感すらありました。


 結論としては、絶対的なサイズは大きいののですが、乗ったフィーリングは取り回しやすさがあって、日常性もすごくいいし、さらにはパワーフィールも扱いやすさにあふれている、と。で、その撮影が終わった後に、もう少し乗ってくださいといわれて、ちょちょいと走らせてきましたら、これが高速走行もいわゆるトラックの後をついていくような走りにゆとりがありましてすこぶる快適でしたし、スピードを乗せても少しの緊張感をプラスすることなく、そのままに走っていきました。そして、何よりも感激したのが、山坂道のコーナリング。普段は顔を出さないのですが、ロールフィールの抑え込み方がすごくいい仕上がりを見せていてですね、しっかりと、リアサスペンションを静めて、フロントはコーナーの先を見据えて、理想のスタンスを作ってくれています。もはやストレスを感じさせることなく、コーナーを駆け抜けていってしまう。ちなみに、タイヤは、レスオプションとなる18インチを採用していましたが、そこに不満やら感じることはなく、むしろ、そのバランスのよさに打ちのめされた感がありました。それは、愉しさにあふれており、そのフィーリングに対しては個人的には300よりも好みだなや、と思ってしまったほど。いやー、ビックリです、ほんと、ビックリ。
 ちなみに個人的には、ボトムグレードであるGXに、魅力を感じています。タイヤサイズが245/70R18と小さくなり、装備を抑えながらも、実はディーゼルユニットを搭載しています。まぁ5人乗りとはなりますが、相当に魅力的に映っていたりします。はい。

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