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#1634 もっとアナウンスしたほうがいい、スバルのACT-4とX-MODEの実力の話。

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 2月は新型といいますか、新車に触れる機会が多く、ここに記したいことも多くあります。というわけで、ここからは、輸入車試乗会と雪上試乗会でのレポートが入り交じります。ということで、まずは、スバルの雪上試乗会の話から。この時期に開催されるプレス向けの雪上試乗会は、それこそブランドによって内容は様々。スバルは、御自由にどうぞとばかりに約200kmを走ってくださいというものでした。山形県は酒田市から山形市まで、道中は御自由にと。  で、今回は、最新型XVのガソリン車とe-BOXERに乗ることになったんですが……、あれです、X-MODEが付いた、B型モデルですな。スバルの4WDシステムは、最近、ここぞと強く謳わなくなり、システム名も随分と変わっていないことから、なんら進化をしていないように思われがちです。ですが、いつの間にかかなり進化していまして。  なかでも感心したのは、VSCオンのままでですね、きっかけを与えて、つまりは、ヨーを意図的に出してですね、リアがツツーーと流れてもですね、アクセルを開けたままでいますとね、クルマを前進させたままにグリップを探ることが可能なんですね。そう、パワーオフへと導かない。表現を変えると、とりあえず、ドライバーを信じるよ、といった、見守り感そのもの。ステアリングをちょちょいとコントロールして、タイヤのグリップが伝わってきたところで、アクセルを踏んで行くと、まさに力強く、クルマは前進していきます。  そして、少々深い積雪路における走破性。雪の深さは最低地上高未満でありながら、パートタイム4WDでないから突っ込みたくない、そんなシーンでの走破性。乗用車系4WDだと進めなくシーンですな。XVに採用されているACT-4は前後トルク配分を状況に応じて制御しますが、まぁ、この手の4WDシステムは、CVT側の都合もあって、無理をさせない、のが常。常なんですが、XVはかなり負荷を掛けることを許してくれまして、雪を踏み固めながらクルマを前進させていきます。って、X-MODEでの話ね、かつて、フォレスターにX-MODEが採用された際には、オフロードコースでの少しの段差を乗り越えられず、うーむを感じましたが、最新のX-MODEはそのあたりが大きく改善されていました。   ま、それらレベルを引き上げていたのが、e-BOXER。そういったシーンでのアクセルコ

#1633 ブランドたる核があるから、スポーツも納得できる、レンジローバーな2台。

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 毎年、2月上旬に開催されているプレス向け、輸入車試乗会。今年は、試乗台数ひと桁に留まりましたが、車両本体価格の総額では過去最高だったと思われます。といっても、1億円突破はしていませんけども。というわけで、まずは、ランドローバーな2台、レンジローバーとレンジローバースポーツから。レンジローバーブランドは、ディスカバリーを追加した頃からの付き合いとなりますが、って、いや、所有していたわけではありませんが、ブランドたる乗り味ってのはこういうことなのか、を教えてくれたブランドでした。あの頃は悪路走破性を狙うには欠かせないハードウェアで、その乗り味も、悪路走破性あってこその、仕立て。サスペンションをストロークさせることを前提とし、それがオンロードにおける快適性まで作り上げていた、というあの仕立て。乗り味の好き嫌い以前に、深い感銘を受けたことを今でも強く覚えています。  そうなんですね、ですから、価格帯をガシガシと上昇させ、バリエーションをあれこれと増やしていく、昨今のスタンスはあまり好きではないんですが、ないんですけど、今回、レンジローバーとレンジローバースポーツを同時間帯に比較試乗したら、あ、このブランド、これでいいかも、と感じました。  そもそもですね、レンジローバーにスポーツは不要と思っていました。スポーツたるフィーリングは、レンジローバー、といいますか、ランドローバーらしさを否定する要素でと思っていましたから。で、実際に、初代レンジローバースポーツに試乗した際にそれを感じました。感じたんですけどね、今回、横並び比較試乗をしたら、アリを感じました。あのですね、レンジローバーの乗り味が好きではない人向けに、そう、彼らが嫌うテイストをしっかりと抜き去って、作り上げていました。まぁ、そこには、レンジローバーブランドの本質が抜けているようにも思いますが、ブランドそのものが好きとか、雰囲気が好みという、新しいユーザーにとっては、入りやすい、受け入れられやすい仕立てになっていました。  逆に言いますとね、レンジローバーは、かつて感じた、大らかさたる乗り味がちゃんと最新のハードウェアを用いて再現されていました。そう、このレギュラーたる乗り味が基本として残されているがゆえに、レンジローバースポーツの存在感がある、と。亜流というと、ユーザーから怒られてしまうかもしれませんが、そん

#1632 またひとつ、想い出が消えました、という話:横浜西口のダイエー編。

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 年齢を重ねるとはこういうことなのか、と、突き付けられることがあれこれとあります、最近。そりゃそうです、半世紀も生きてきたわけですから。と、そんなことのひとつに、横浜駅西口にあったダイエーの完全閉店がありました。本日のことです。たぶん、すでにどこかに書いていると思うのですが、幼少期を横浜駅の近くで過ごしました。というより、育ちました。自宅から横浜駅までの距離は遠くはなかったと記憶していましたが、今の便利なマップアプリケーションで調べると約1.5km。自宅からは私鉄も京急と相鉄の最寄り駅がさらに近い距離にあり、国道には横浜市営バスが往来する、そんな地に住んでいました。ただ、そこには、一般に妄想されているような、ぎらぎらとした横浜感はなく、ふり返ると、下町風情が流れていた地域でもありました。だから、いまだに好きなのですが。  で、そんな横浜の想い出で欠かせない場所が、横浜西口のダイエーでした。本館と新館とからで構成されていましたが、自分の用があるのは釣り具屋さんがあった新館のほう。あとは、本館と新館のあいだにあるドムドムバーガーと、ディッパーダン……、と書きつつ、あれ、あったっけか? いや、あった、チョコチップが入ったアイスが好きだった記憶がありますから。おもちゃ売り場ではゲームをして、ペット売り場(あったと記憶しているが、かなり薄い)なんて、シースルーなエレベーターに乗ることが愉しかった三越(なんと三越にもペット売り場があった)とをはしごしてカブトムシの価格を比較したりと、少年吉田を語るには欠かせないスポットでした。  そんなこともあって閉店となる本日、すぐれない体調を少々無理して、出掛けてきました。店内に入るのは、それこそ40年近くぶりではないでしょうか。まぁ、釣り具店やらの配置や、できごとはわりと明確に覚えているんですが、釣り具店がある4階(たぶん)までは、少々無理に接続した本館と新館の中をどういう経路を辿ってたどり着いたかなどは、すっかりと忘れていました。が、不思議なものですね、ダイエーの入り口に着いた瞬間にふっと道筋を思い出し、階段やエスカレーターを目にした途端に、当時の風景がドンと思い浮かんできました。中でも新館にある微妙な弧を描いた階段(写真右)は、目にして、思い出して、感激して、崩れ落ちそうになってしまったシーンのひとつ。当時、このデザインに何かを

#1631 特別な人向けモデルになって戻ってきた、トヨタ・ハイラックス。

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 最近のトヨタは、復活、をひとつのキーワードとしているんでしょうか、ね。86から始まって、ディーゼルに、最近ではランクル70に、ハイラックスに、そしてスープラに。個人的に復活よりも、継続に、惹かれますから、このあまりの復活祭りに、なんだかなぁを感じていたりもします。さて、その復活モデルの1台、ハイラックス。一昨年になるんですね、復活したのは。諸事情から国内をきっぱりと捨てて、この度、戻ってきましたが、まぁ、随分とその様相を変えての、復活となりました。  全長5335mmは、もはや国内向けサイズとはいえずどころか、5m以上のモデルが止められる車庫を用意しなければならないというハードルが掲げられ、かつてよりも、さらに特別なモデルとなっていました。ま、逆にいえば、中途半端に誰でも所有できるんじゃなく、そこまでしないと手に入れられない特別な人向けであり、そういう人こそ、このゆとりを使いこなせましょうから、これはこれでいいのかもしれません。  さて、そのハイラックスですが、先日改めて試乗する機会がありましたので、あらためて感じたあれこれを。簡単にまとめてしまうと、なかなかいいまとまりをしていました。まぁ、印象的に残ったのは……、バランスですな。プラドよりも400ccダウンとなる2.4Lディーゼルターボは軽快感があって、パンチは強くなくとも、トルクでパワーをグイグイ発生させる感があって、不足ない。しなやかさを与えられたシャシーは空荷ではややの不足があっても(空荷での試乗だった)、積載時の不足はないと予感させるものだったし、オフロードでは、やっぱりリジッドってステキとか、デフロックっていいよね、を感じさせてくれました。日本ではウィークポイントとなる全長については、リアタイヤが遠くにある印象が少なく、Uターンと駐車以外でのストレスはそれほど多くはなく。キャビンについては、かつてよりもサイズを増しているため、リアシートがまさに使えます。足下はもちろん、座面がフロントよりも高くなっているので、背後に迫っているウインドウ含めて、座っていると、特別なモデルに乗っている感があり、ワクワクがあったりもします。ま、ただし、後ろからの陽射しはキツイでしょうけども……。  そうそう、試乗会ではMTが用意されていまして、オフロードのみの走行ではありましたけど、これが良かった。愉しかった。操る愉し

#1630 新型クラウン2.5Lハイブリッド、さらに乗り込んできました、な、話。

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 こういう仕事をしていますと、試乗するクルマのほとんどはいわゆる取材専用車両ですが、仕事の内容によってはあえてレンタカーを借り出して乗ることもあります。といっても、それはレンタカーたる比較をするのではなく、単純にレンタカー会社関連の仕事ゆえのことだったりしますが……。ということで、トヨタレンタリースの仕事で、先日、新型クラウンハイブリッドに乗ってきました。乗ってきましたが、そもそも納車待ちになっているモデルが、早々にレンタカーラインナップされているんです、昨今のトヨタレンタリースは。街を走って、アピールするという意味合い、もしくはしっかりと乗り込めるという意味合いでは、とっても歓迎すべきことなんですが、自分が早々とユーザーになっていたら、気分的にはどうなんだろうか、と思うところもあります。  さて、で、クラウンの話。パワーユニットは2.5Lガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッドモデル。 #1614 で、すでに同じユニットを搭載したモデルのことを記していますが、印象は変わらず。変わらずなんですが、乗り込んだ分、あれこれにも気付きました。まずですね、ACC。これが安全マージンを取り過ぎている感があって、先行車が車線変更をした際、完全に車線を外れるまで(当たり前)追従しドライブを続けます。分かりやすく表現しますとね、先行車が隣車線に移ってステアリングが直進に向くまで、頑として追従ドライブを続けている、といった、極く僅かな印象の部分。あとは、ステアリング修正に関して、左にあたって、右にあたってを、意外に繰り返します。ただ、まぁ、現状は、ステアリングは握っていなければならない、つまり、操作していなければならないわけで、そのアシストと捉えると、不足ないレベル……、ですな。  あとは、何かな……、あれだ、ストローク量は失われても、ストローク感は残っていると書きましたが、とはいうものの、以前よりはなく、昨今のモデルとしてはありますというレベル。で、そのサスの動き始めの微小域での曖昧さがありまして、って、存在すること自体はまったく構わないのですが、その後のストロークフィール、つまり、躾けにリンクしおらず、そこに曖昧さはないのに、表情を変えるところにあと少しを感じます。このあたりは17インチサイズのタイヤもあってのことかもしれませんが。ま、高速域にたどり着いてしまえば、フラット

#1629 味のはずだったじゃじゃ馬感が整えられていた、Bose SoundLink Mini Ⅱの話。

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 物理的な存在に、つまり、モノとしての存在に、価値を見出す世代は、欲しいものを収拾するという僻があります。僻とはいわないか。収拾することで得られる安心感とは違う、なんつーんでしょうかね、ま、収拾にたいするこだわりですな。昨今の分かりやすい例ですと、Apple製品がそれでしたが、昨今の製品からそれが失われてしまい、もはや、最新製品に対する憧れはありません。それは、ガジェット系だけではなく、実はクルマに対しても。ということで、最近では、モデルチェンジせずにこのまま販売してくれればいいのにと思える、思いたい製品のほうが多くあるような気がしてきました。  そのひとつが、BoseのBluetoohスピーカー。写真がそれですが、右の初代を使い続けてきて、なんら不満がないといいますか、すこぶる重い低音を特徴としたモデルで、そのアンバランス加減に当初は嫌みを感じましたが、すっかり飼い馴らされた感もあって、手放さない存在となっていました。し、しかしですね、MacOSのバージョンアップをきっかけにBluetooth接続にひと手間が必要になってしまい、そうなんですね、接続のたびに、解除→再接続をしなければならなくなり、また、そもそもマイク機能が付いていなかったこともあって、あれこれ改良されたニューバージョンが気になっていました。気になっていたんですけどね、最近気付いたら、すでに絶版なのか、在庫限りなのか……、いずれにしても次期モデルが存在しないとか、なんとか(という話はすでに1年前からあった模様)。  というわけで、購入しました。新しいのを。ご存知の方もいるように、この初代モデルは大ヒットし、口コミやらもあって、第2世代目も大ヒット。デザインもほぼ変わらずという初代を”踏襲”したスタンスから、音質についても、踏襲されていると思っていました。思っていたらですね、期待値が高過ぎたんでしょうか。あまりの差に愕然。これ、ひょっとして偽物ではないかと思ったほどでしたが、製品登録をしたところ、無事できましたので、どうやら本物のよう。  耳慣れていないだけかと思い、あれこれと音源を試していますが、どうにもこうにも耳慣れない。というか、音場重視といった感と、整え過ぎた感が強くて、面白味といいましょうか、味がない。キャラクターがないともいうか。80年代のBoseに憧れた者が期待するBoseサウンドじ

#1628 改めて気付いた先代ジムニー(JB23型)の、デザインの素晴らしさ。

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 とうに自宅に戻っていますが、4連泊した能登は、なんとも充実したものでした。といっても、後半は1日半、こもって原稿書きをしていましたが……。いずれにしても、早々に来ますと、約束して去ったものの、やはり帰路は寂しさがありますな。  という能登話はさておき、今回というか、実は、最近、薄々感じていたんですけどね、セカンドカーのジムニー、そう、先代ジムニー、デザインが秀逸であり、新型を見かけるようになった今、いい味を出しているなぁ、と思うようになりました。実は所有するまで、もちろん20年前のデビュー時には、まったくそれを感じなかったのですが、新型との比較もあってか、よく練り込まれたデザインだったんだなと、ひたすらに感心を覚えています。ひとことでいえばオリジナリティがある、と。  実は、三栄書房刊の新型/歴代ジムニーのすべてでも書きましたが、新型のデザインにオリジナリティを感じません。最初は新型に対する僻みと捉えていたのですが、どうやらそうではないようです。まぁ、最近のスズキ車のデザインの多くに言えることなんですが、なんかね、違う。そして、先代のジムニーは、その流れに乗る前のスズキデザインであり、ジムニーをモダンに昇華させていました。ブリスターフェンダーの存在や、丸みを帯びたといってもスクエア感をしっかりと残しているところ、そして4輪がしっかりと踏ん張っている感、さらには、ヘッドランプユニット内にデザインした寄り目フェイスなど、ほんといいデザインをしています。  まぁ、走りの世代は完全に過去していますが、曖昧さがある分、不足がある分、ドライビングで整えてあげなければならないところが多くあります。ありますけど、その整えが、ドライバビリティに繋がっており、つまり、愉しさになっています。そうなんですね、ドライバーが懸命に整えたところで、良さが出てこないモデルって、あるんです。それこそが、対話性があるか、ないかのベースとも言えるんですけどね。  あ、話は変わって、能登からの帰路、富山は晴れ渡っていまして、立山連峰がキレイに見えました。下の写真ね。