#1629 味のはずだったじゃじゃ馬感が整えられていた、Bose SoundLink Mini Ⅱの話。

 物理的な存在に、つまり、モノとしての存在に、価値を見出す世代は、欲しいものを収拾するという僻があります。僻とはいわないか。収拾することで得られる安心感とは違う、なんつーんでしょうかね、ま、収拾にたいするこだわりですな。昨今の分かりやすい例ですと、Apple製品がそれでしたが、昨今の製品からそれが失われてしまい、もはや、最新製品に対する憧れはありません。それは、ガジェット系だけではなく、実はクルマに対しても。ということで、最近では、モデルチェンジせずにこのまま販売してくれればいいのにと思える、思いたい製品のほうが多くあるような気がしてきました。
 そのひとつが、BoseのBluetoohスピーカー。写真がそれですが、右の初代を使い続けてきて、なんら不満がないといいますか、すこぶる重い低音を特徴としたモデルで、そのアンバランス加減に当初は嫌みを感じましたが、すっかり飼い馴らされた感もあって、手放さない存在となっていました。し、しかしですね、MacOSのバージョンアップをきっかけにBluetooth接続にひと手間が必要になってしまい、そうなんですね、接続のたびに、解除→再接続をしなければならなくなり、また、そもそもマイク機能が付いていなかったこともあって、あれこれ改良されたニューバージョンが気になっていました。気になっていたんですけどね、最近気付いたら、すでに絶版なのか、在庫限りなのか……、いずれにしても次期モデルが存在しないとか、なんとか(という話はすでに1年前からあった模様)。
 というわけで、購入しました。新しいのを。ご存知の方もいるように、この初代モデルは大ヒットし、口コミやらもあって、第2世代目も大ヒット。デザインもほぼ変わらずという初代を”踏襲”したスタンスから、音質についても、踏襲されていると思っていました。思っていたらですね、期待値が高過ぎたんでしょうか。あまりの差に愕然。これ、ひょっとして偽物ではないかと思ったほどでしたが、製品登録をしたところ、無事できましたので、どうやら本物のよう。
 耳慣れていないだけかと思い、あれこれと音源を試していますが、どうにもこうにも耳慣れない。というか、音場重視といった感と、整え過ぎた感が強くて、面白味といいましょうか、味がない。キャラクターがないともいうか。80年代のBoseに憧れた者が期待するBoseサウンドじゃない。まぁ、こういってしまうと、オジサンのつぶやきになってしまいますが、ファーストインプレッションは、少なくともそう感じました。
 なんつーんですかね、最終型は音が発された後にフットプリントが残らない。いい意味で万人向けなんです。ただ、聴き込んでいくと倍音の広がりなんかは豊か。ただ、一方で、スネアドラムやら、シーケンスサウンドは、立ちすぎ(目立ちすぎ)で、耳にざらざら感を覚えてしてしまう。あ、これは25年前の自作曲(PCM含めたシンセサウンド中心)での話。ではクラシックはどうかといえば、これが好みの音質ではない、ない、ない。なんつーんですかね、お上品になり過ぎた感があって、しかも、スピーカー前に妙な音場が作られていて、これがなんかもう、イヤ。1950年代のモノラル録音(スタジオ)なピアノサウンドなんぞ、ちょっとやり過ぎ感まで出て、望んでいるアナログサウンド(デジタルになっているけど)ではない、と。
 といいつつ、聴き比べていたら、最終型の整えられた音のほうが心地よく聴こえてきたりして……。しばし、様子見ですな。ちなみに、変わっていないと思い込んでいたデザイン(フェイス)、初代が好きだったものからすると、かなりの変更となっていました。簡単にいいますとね、ワイド感が強調された分、それをスタイリッシュというんでしょうけども、実のところ存在感たる重たさは薄れました。あ、これ、まさに、サウンドにリンクしています。だから、Bose Sound'Link' Miniっていうのか。って、そんなわけないか。というわけで、この話は、もう少し聴きこんだ後にまた。

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