#1633 ブランドたる核があるから、スポーツも納得できる、レンジローバーな2台。

 毎年、2月上旬に開催されているプレス向け、輸入車試乗会。今年は、試乗台数ひと桁に留まりましたが、車両本体価格の総額では過去最高だったと思われます。といっても、1億円突破はしていませんけども。というわけで、まずは、ランドローバーな2台、レンジローバーとレンジローバースポーツから。レンジローバーブランドは、ディスカバリーを追加した頃からの付き合いとなりますが、って、いや、所有していたわけではありませんが、ブランドたる乗り味ってのはこういうことなのか、を教えてくれたブランドでした。あの頃は悪路走破性を狙うには欠かせないハードウェアで、その乗り味も、悪路走破性あってこその、仕立て。サスペンションをストロークさせることを前提とし、それがオンロードにおける快適性まで作り上げていた、というあの仕立て。乗り味の好き嫌い以前に、深い感銘を受けたことを今でも強く覚えています。
 そうなんですね、ですから、価格帯をガシガシと上昇させ、バリエーションをあれこれと増やしていく、昨今のスタンスはあまり好きではないんですが、ないんですけど、今回、レンジローバーとレンジローバースポーツを同時間帯に比較試乗したら、あ、このブランド、これでいいかも、と感じました。
 そもそもですね、レンジローバーにスポーツは不要と思っていました。スポーツたるフィーリングは、レンジローバー、といいますか、ランドローバーらしさを否定する要素でと思っていましたから。で、実際に、初代レンジローバースポーツに試乗した際にそれを感じました。感じたんですけどね、今回、横並び比較試乗をしたら、アリを感じました。あのですね、レンジローバーの乗り味が好きではない人向けに、そう、彼らが嫌うテイストをしっかりと抜き去って、作り上げていました。まぁ、そこには、レンジローバーブランドの本質が抜けているようにも思いますが、ブランドそのものが好きとか、雰囲気が好みという、新しいユーザーにとっては、入りやすい、受け入れられやすい仕立てになっていました。
 逆に言いますとね、レンジローバーは、かつて感じた、大らかさたる乗り味がちゃんと最新のハードウェアを用いて再現されていました。そう、このレギュラーたる乗り味が基本として残されているがゆえに、レンジローバースポーツの存在感がある、と。亜流というと、ユーザーから怒られてしまうかもしれませんが、そんな、別の選択肢たる、ポジションですな。
 ちなみにですね、装備やら、ハンドリングやら、ケチの付けようはなくてですね、昔から変わっていない、こういうものなんです的なスタンス、主張も相変わらずで、好印象。そんなことを考えると、ジープブランドってのは、その最新ラインナップに、ジープたる核があるようで、実はないな、とも感じます。どこでも行ける、なんでもできる、を謳うのは、いいんですが、それが出来ないモデルが……、って、そういえば、最近、全面で謳っていないか。  

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