#644 やっぱりラレードがイチオシだった、最新型グランドチェロキー。

 フェイスリフトしたグランドチェロキーの2014年モデルが発表されました、本日。そもそも、現行型モデルについては、乗り味にしなやかさが復活し、重量は増えているのに燃費もうちのV8よりもいい(V6)と、プラスがあれこれと好印象。ただ、気になったのは、4輪独立懸架サスの採用によって失ったオフロード走破性を、エアサスによるリフトアップという手法でフォローしていたこと。その手法よりも、それが上級グレードでしか組み合わされない方法に、大丈夫かな? と思っていました。
 で、今日の試乗会ですな。結論から言えば、ラレード(左下)がとてもいいと感じました。そう、そのエアサスを採用していない、コイルスプリング仕様で、トリムラインもボトムとなるグレード。そもそもグランドチェロキーは、ハンドリングにスポーティに通じるシャープさをトピックとしていますが、それはやはりジープ内での話で、基本的には、シャシーの動きを含めてジープたるゆったり感が存在しています。まぁ、ジープですから。そして、それをよく表現していたのがこのラレードだったと。一方の上級グレードに装備されるエアサスはつっぱり感が強くて、シャシーのしなやかさを上手く生かし切れていない感じがありましてね。速度域が高くなればいいんですが、細かなワインディングが続くようなシーンでは、ドライビングに気を遣わないと、ほかの乗員からこのクルマ、ふらふら、よたよたするね、と言われかねないフィーリングが出てしまいます。20インチならまだマシかも。
 もちろん、エアサスは車高調整によるクリアランス確保をアドバンテージとしていますが、トゥアレグと同様に、リフトアップさせるとサスのストロークを規制するため、ボディをフラットにできなくなり、ほかの乗員には、かえって不安感を与えてしまいます。そうなんです、たとえオフロードを走破できたとしても、これまでのオフロードランの愉しさが少し薄れてしまっていることに、なんだかなぁを覚えたのです。左の写真がラレードですが、ボディは水平を保ったままに、サスペンションだけが伸びて、縮んでいるのが分かるかと思いますが大切なのです、これが、ね。
 つまりですね、全体のバランスやらフィーリングを考えると、ラレードがいい、となるわけです。とはいっても、そもそも4輪独立懸架サスゆえに、オフロードの走破性ではストローク不足(量だけではなく)がありますから、自分としては、これまでと同じく、選べないという、結論は変わらないのですが……。
 それにしても、ずいぶんといいクルマになってしまったもんです、グランドチェロキー。ちなみに、ラレードでも左右温度独立調整機能付きエアコンやら、本革巻きステアリングホイールを採用するまでになりました。この程度で十分なんです、この程度で十二分。

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