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#1264 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その5)。

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 つづいてフォルクスワーゲン。ディーゼルエンジン排ガス問題から、東京モーターショー出展そのものが危ぶまれる声も聞こえていましたが、参加とのこと。あれだけ広いブースを確保していますから、ある意味良かった、と思いつつ、複雑な気持ちもありますが。  それはさておき、新型車ラッシュということもあって、すでに海外で公開されている新型モデルが多く日本にて初披露となります。次期ティグアンと次期トゥーランと、パサートに追加されるオールトラックとGTEと。日本未導入モデルとしてポロWRCまで出展されるようで、いずれも参考出品と書かれているものの、来年の日本におけるVWは、かなりの新型車攻勢となりましょうかね。それにしても、見事なまでにフロントマスクを整えています。しかし、異なるモデルと認識できるのはなぜなんでしょうか。そこにデザインの妙があるような気がします。  ジャガー・ランドローバーは、ジャガーのSUVモデルF-PACEと、ランドローバーのレンジローバースポーツSVRが日本初公開となります。ジャガーF-PACEは、全くの新しいモデルですが、ジャガーらしいデザインと、SUVたるテイストを上手く組み合わせています。後発ならではといいましょうか、SUVの見せ方はすでにランドローバーで手慣れていたといいましょうか、完成度の高さがあります。ハイパフォーマンスを誇るレンジローバースポーツSVRって……、かつてを知っている者からすると、ランドローバーが、スポーツ性能を誇るところに違和感を覚えつつ、まぁ、それはそれでということで、愉しみでありますな。  アウディも、日本初披露となるモデルが新型モデルとしてA4とQ7とR8と、3台もあります。それにしても、新しいアウディのフロントフェイスは、シンプルさが描かれており、とってもいいと思います。考えさせないといいましょうか、複雑でないといいましょうか、そんなテイストがあって、一転して好印象に。いや、実は最近までのデザインは、ちょっとらしくないといいますか、シンプルでないがゆえに、好みではありませんでしたので。って、それにしても、新しいA4、そのデザインから新しさといいましょうか、走りに期待が持てるといいましょうか、あれこれを感じます。実際に目にすると、さらに印象が良くなりそうな予感があります。  BMWアルピナからは、ワールドプレミア、

#1263 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その4)。

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 東京モーターショーの情報については、公式発表があったらどんどん書いていく予定でしたが、それどころではない状況に追い込まれて……。でも、中途半端はいけませんから、続けます。そのままに、発表順に。  三菱自動車については、前回のSUVコンセプトカー3台で、デザインだけではなく、ブランドとしての方向性を示したイメージが強烈に残っています。いずれも、コンセプトカーでありながら、デリカであったり、パジェロであったりと、具体的な車種といいましょうか、コンセプトが想像できるところも良かったかな、と。で、今回ですが、コンパクトモデルであることを訴えながらも、コンセプト要素はそのままのモデルMITSUBISHI eX Conceptを出展します。コンパクトクロスオーバーであり、次期RVRのポジションを明確にしたかのような、そんなテーマも感じます。写真から判断するとかなり大柄なモデルに見えますが、全長は4240mm、全幅は1780mmと、まぁ、まさにRVRポジションだったりします。コンパクトながら迫力を感じるというデザインの妙も見どころのひとつでしょうか。インターフェイスもポイントですが、タイヤまで張り出したというホイールのリムデザインも要チェックとなっています。  で、ルノー。今回はコンセプトモデルについては何もアナウンスなく、トピックは市販モデルであるトゥインゴが日本初披露ってこととなっています。もちろん、興味津々ではありますが、フランスのブランドってのは、実はブースデザインも見どころのひとつ。前回のルノーブースは凝りに凝った感はなく、ただ、向かい合わせにあったスズキにブルーやオレンジのハスラーが展示されていて、キャプチャーとのコントラスト、いやいや、キャプチャーとともに華やかだったことを覚えていますが。そして、今回は、ブースデザインにも見どころがあることがアナウンスされています。Bump(バンプ)と呼ばれる丘状のフロアと、デザインテーマであるライフステージの移ろいを変化する色で表現したというポール状のシーリングライトで……。これもまた楽しみですな。  そして、レクサス。何やら、ワールドプレミアを飾るコンセプトカーが存在することがアナウンスされていますが、デトロイトではなく、東京で発表するところに何か意味があるんでしょうな。コンパクト? と思ったものの、ジュネーブでLF

#1262 作り込みに感心しつつ、演出に疑問を感じた、ジャガーXE。

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 ジャガーXEに乗る機会もありましたので少々。ご存知のように、ジャガーというブランドも、翻弄されてようやく落ち着き場所を見つけ、オリジナルモデルを発表し、さてとこれからといったところでしょうか。同グループとなるランドローバーにしても、フォードとのコンポートネント共用から離脱するにつれて、いい意味でのオリジナルテイストが強められていて、イギリスからアメリカ、そしてインドの会社となっても、ブランドそのものが揺らいでいない、そのスタンスは好印象に捉えています。  そもそも、ジャガーってコンフォートの中にあるスポーティさ、とか表現すると、メルセデス・ベンツと同じになってしまうんですが、あちらよりも、もう少し緩いコンフォートフィーリングがあって、それがジャガーらしい味となっていました。もちろん、意図的にスポーティに仕立てたモデルもありましたが、ベースになっているのは優雅さに通じるまったり感。と表現すると誤解されそうですが、まぁ、そんな感じ。  さて、このXEですが、最新のジャガーらしく、かといって、もっとも安いジャガーというテイストが見当たらないという、さすがといわんばかりの作り込みが印象的でクルマたる基本性能はとてもいいと感じました。ボディにしても、サスペンションにしても、乗り味にしても。ただですね、クイックさを感じるステアリングフィール、硬さが時折顔を出す乗り心地など、演出された感が強くて、そこが気になりました。ジャガーに対する期待感とズレていたとも言えるのかもしれませんが。まぁ、そもそもスポーティサルーンと謳っていますからいいのでは? と思うところもあるのですが、スポーティというのは基本性能に優れていればスポーティを語ることができるもの。つまり、こういう演出たるスポーティが、スポーティテイストと勘違いされるのは、どうなのかなと思うところもあって……、云々。極限を語らないのならば、スポーティにも快適性にも、緩さという間が必要だと思うのです、個人的に。  ま、その話は、借り出して、もう少し探ってみましょうかね。あ、エンジンは200psがいいと思います(ディーゼルは未試乗での話)が、ゆとりという意味では240psを選ぶ理由があります。V6スーパーチャージャーはこれまた未試乗なので、なんとも言えませんが、769万円となりますから、ほかのモデルが視野に入ってきますな。  

#1261 想像以上のアッパークラス感を備えていた、MINIクラブマン。

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 さて、MINI CLUBMANに早々に乗る機会がありましたので、あれこれをお伝えしましょうかね。 #1248 で書きましたように、ボディサイズを広げただけではなく、質感を高め、つまりはアッパークラス感を表現していました。それはインテリアから走りに至るまで、すべてにおいて。まぁ、Cセグメントハッチバックと張り合っていくというか、属するわけですから、必要であり、当たり前のこと。といいますか、3ドア/5ドアと、このクラブマンとで、商品をきっちりと作り分けてくるスタンスにビックリしました。   走りについては、ミニらしさをちゃんと作り込んでいまして、ハンドリング含めて、MINIしていますから、これもまた驚きだったことのひとつ。というのも、ほら、ベースになったのは新型X1とか2シリーズアクティブツアラーですから、既存のシャシーを用いながら、片やストローク感をしっかりと作り込み、こちらではストロークフィールにMINIを感じさせるという、チューニングの妙といいましょうか、そのあたり。もう少し、ごく一般的なCセグハッチ的かと思っていましたので。ちなみに、何に感心したかって、あのストロークフィールでしょうな。分かりやすいところでいいますと、バネレートを高めつつ、しなやかに動かすという、あのトレース性。下り坂などで、速度を落としなさいといわんばかりに路面にμの高い舗装が組み合わされたゼブラ状路面となっている路面があるじゃないですが、ああいうところでも、すべてきっちりとトレースしていく。飛ぶとか、逃げるとか、遅れるとか、ない。すべて路面どおりにトレースしていく。これって、実は走りへ誘うだけではなく、路面状況が分かりやすいという意味での安心感を覚えるものだったりもします。それでいながら、乗り心地が破綻していない。たとえ入力が大きかろうともリバウンドストロークで逃げることなく、18インチ(40扁平)タイヤであっても、突き上げ感が見当たらない。もちろん、タイヤサイズなりの、MINIなりの硬さはあります、でもね、って話ではありますけれども、それにしても、良く仕立てているなぁと感心しきりでした。   ワインディング? いうまでもなく、楽しさにあふれています。高速道路? フラット感もちゃんと持ち合わせていまして快適。渋滞? MINIドライビングモードのエコモードを利用することで、クーパーS

#1260 イメージを変えずに、変わったことをアピールしている、新しいXV。

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 そして、XVです。今回は、デザインについて、ちょっと深く聞いてきました。XVのエクステリアデザインについては、そもそも評価が高いですから難しかったんじゃないですか? という問いからインタビューはスタートしたのですが、XVのイメージを変えることなく、新しくなったことをアピールしなければならないという命題を与えられたようで、かなり難しかったようです。  改良にあたっての課題は、フロントマスクだったそうです。というのも、プロから見ますと、サイドやリアの動きのあるデザインと比べて、フロントとインテリアが弱い、と捉えられていたようで。ま、販売店からの声もあったようですが。それでも、がらりとイメージを変えた感はなく、バンパーサイドに加えられたクロームメッキ+フォグランプユニットによって、ちょっとワイド感と精悍さが加えられたかな、といった程度。あまり変わっていない感があります。  しかしですね、それだけではなく、バンパーデザインはもちろん、ヘッドランプユニットにあれこれと細工が施されていました。ランプユニット内のCシェイプ(デザイナーさんはこう呼んでいた)の上を、20mmほどフロントへと伸ばしつつ、ガソリンではCシェイプに隈取りをしたそうで、って、なんでそんな細かいことをするのかなと思って訊いてみれば、点灯した時に、様々な機能が組み合わされた感、つまり、高機能であることを表現したかったからとか。LEDにしても、HIDにしても、あまりに強い光源ゆえに、実は照射範囲以外が見づらくなることから(光のない道を走るとその先がほんと見えづらい)、ハロゲンのぼんやり感のほうが好ましいと言っているような者からすると、ふーん、というところもありますが、昨今のランプデザインの流行ってのは、そういうものなんだそうです。  そのほかにも、フロントバンパーセンター部のブラック部分は、これまではストレート形状となっていましたが、改良モデルでは、フェンダーアーチのように動きのあるデザインを採用して、ちょいと凹凸を設けていました。これまではマスキングの工程が増えることもあってストレートにしていたとのことですが、今回は、工程を複雑にしない方法が見つかったようで、この凹凸デザインが実現したそうです。  ふーん、なるほどね、と話を訊いていたんですが、そうなると、やっぱり、フェンダーアーチのデザインの話にな

#1259 ハンドリングと乗り心地とをブラッシュアップしていた、フォレスター。

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 東京モーターショーのプレスデーで正式発表されることが、10月6日に発表された、……、ちょっとややこしい経緯の、スバル・フォレスターとXVシリーズ。なんですが、本日、プレス向け試乗会がありまして……、って、こういった事前試乗会は、発表まで公表できないんですが、公表してもよろしいということなので、書きます。まだ、店頭には並んでいないモデルです。  さて、フォレスター。シャシーの改良とアイサイトVer.3と、いちばん最後まで待たされたモデルでしたが、ようやく搭載しましたというだけではなく、待たせたおわびとばかりに、スバル初となる機能を2つほど搭載しての登場となりました。ひとつは、ヘッドランプユニット、もうひとつはアダプティブドライビングビームの採用です。後者については、先頃追加された単眼カメラを加えたハイビームアシストとほぼ同じ機能ではありますが、こちらはなんと単眼カメラを用いず、アイサイトのステレオカメラのみで、周囲の明かりや対向車の検知を行います。どうして、こんな2パターンを作ってしまったのか、って、まぁ、車種適合に時間を要しているのと、ランプユニットまで変えなければならないとか、そういった事情からで、この世代差も、また、スバルらしさ。……、……。いずれにしても、アイサイト+単眼カメラと、アイサイトのみという2パターンが生まれてしまったわけで。って、そんな話はさておき、今日はクローズドコースでのインプレッションとなりましたので、走りについて書いておきましょうか。  そもそも、フォレスターは、スバルの中では、ストローク感を生かした乗り味にあふれていまして、コンフォート感を大切に作り込んでいました。それは、ベースモデルに乗ると分かります。そこにスポーティさを色濃く演出していたのが、ターボモデルでした。そんなフォレスターですが、今回は、インプレッサ同様に、サスペンションの動きにしなやかさを与えるために、ダンパーの減衰力を変え、バネレートを上げ、取り付け部の剛性を上げ、ブッシュのレートも変更し、……、って、個々にピックアップすると、締め上げているかのような印象を受けるかもしれませんが、全体でバランスを上手くとったといった感がありました。つまり、走りはもちろん、乗り心地までブラッシュアップしていた、と。  インレッサシリーズ同様にステアリングギア比が15.5→14となり

#1258 車高だけはなく、あれこれアップしていた、Cross up!(クロス アップ)。

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 フォルクスワーゲンのup!に追加された、クロスup!の話です。up!をベースにして、クロスオーバーテイストをデザインしたモデルで、そのほかにも10mmアップさせた最低地上高やら、16インチタイヤの採用やら、トピックは数多くあります。しかし、今回のチェックポイントは、それだけではなく、6月にup!そのものが大きく変わっていたあれこれをチェックするためのテストドライブとなりました。そしたらですね、やっぱり、あれこれが改良されていました。もちろん、リリースに謳われていないような数々が。  まずは、アイドリングストップ機能の追加ですが、デュアルクラッチのDSGでも当初あれだけ戸惑いがありましたから、シングルクラッチのASGではさぞかしたいへんなことになっているだろうと思いきや、これが、実にスムーズ。いや、アイドリングストップ直後に発進するといったような特別なシーンでは、多少のギクシャクはあります。でも、普通のシーンでは、ギクシャクが見当たらず、しかもローギアであることもあって、しっかりと加速していく。ところが、スムーズに発進したのに、その後すぐに訪れる1→2速へのシフトアップに間があって、そこにおっとと……、という、出鼻を挫かれるかのような、違和感を覚えてしまうのです。と、まぁ、それほどいい仕上がりとなっていました。  そして、シャシーが大きく進化していました。とにもかくにも、しなやか。デビュー当初、その気配は感じていたけど、見当たらなかった、しなやかさ。それは路面をしっかりとつぶさにトレースしてくれるもんですから、ドライバーはもとより、乗員までもが、その動きにうっとりしてしまう、といったフィーリング。サスペンションたる設定としては、硬めとしていまして、路面が荒れたところでは、それとタイヤサイズが起因したコトコト感を見せます。しかし、その分、路面にしっかりとタイヤを押し付けていること、そして、きれいにバウンドさせて、美しくリバウンドさせて返してくるといった仕立てがあり、このクラスとしては上出来を超えたレベルにひたすらに感心した次第。といったところでしょうか。はい、驚きました。  ドライブしながら感じたのですが、このクルマの価値は、ビートルよりも、これで十分だからを常に教えてくれ、そして、のんびり行こうよ、を愉しめるところにあるような気がします。緩いではなく