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#304 スタンダードになる可能性を持っているのに、組み合わせに迷いが見えるアクア。

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 あれ以来、言葉はあふれ出しているのですが、どうも書き留める間もなく、流れ去っていくことが多く……。言い訳ですな、これも。  さて、昨年末にデビューしたトヨタのアクアですが、これがまぁ、とてもおもしろい仕上がりとなっていました。あ、話は飛びますけど、ヨシダ流のおもしろいというのは、マイナスなイメージやら、安直な笑いは示していませんので、あしからず。以前、とある試乗会で、おもしろい方とお話したいと希望したら、いわゆるおもしろい方との対面となり、困ったことがありましたっけ。  で、話を戻して、アクアですな。コンパクトかつリーズナブルなハイブリッドモデルということで、専用設計されたモデルですが、売れる要素、スタンダードとなるべき要素が数多く散りばめられていました。それは、たまたまというのではなく、練りに練られたもの。ハイブリッドシステムもポイントではありますが、4mを切る全長ながら、クラス上のキャビンスペースを手に入れていることが、実は陰ながらアドバンテージとなっていると感じました。つまりですね、実用性だけで比較すると、もはやカローラを選ぶ必要がないのかなと。もちろん、カローラもそれは周知の上ですから次期モデルでは、新しいコンセプトを展開してくれるとは思いますが。  エクステリア、インテリアにおいて、カラーの組み合わせができる点は、新しさはありませんが、そのチャレンジは大歓迎。ただ、モデルが成熟するにつれ、いつの間にか選択の幅が狭まってしまっていたなんてことがないように、デザイナーさんには助言してきました。ほら、売れない組み合わせは落とす→自由度がなくなるというのが、これまでの常でしたから。 デザイナーの志の高さと、この手のモデルのユーザーのスタイルに、落差がありますから、素材 を用意するだけではダメなのです。彼らにたいして提案をしないと、提案を。この場合、選べるってのは、提案じゃないんです。  で、で、おもしろさという意味では、3つ設定されたタイヤサイズで乗り味を作り込んできているところにも見られました。今回のモデルのベストバランスは、ボトムとなる14インチでして、緩さがしなやかさに転換されていて、ハンドリングの緩さに実にベストマッチしておりましてね。荷重移動を意識的に行うことで、軽快な走りも披露してくれます。ところが、この14インチ仕様、パワーウインドウレスの

#303 理性と直感をバランスさせた選択を行うことが、幸せになる近道ってな、話。

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 新年早々に、このブログについて、好印象という旨のコメントをいただきました。同業な方からのお言葉でしたが、これまでに取材をご一緒したこともあって顔見知りではあったものの、互いに深くは知らないという間柄だった方 でしたので、ちょっとしたオドロキがありました。まぁ、そう言われて悪い気分になることはなく、逆にそのサプライズにうれしさを感じましたが、正直。 こうしたことがありますと、何事も発信し続けることが大事だなと感じます。しかし、目の前を見ると、ここの更新がかなりグータラになっています。いかんですね、いかん。まぁ、その理由は自分でも分かっていて、自分から湧き出してくるものがないから、ただ、それだけのこと。言い訳、いや、違います。事実です。  では、年末年始に、刺激がなかったかといえば、そんなこともなく……、と前置きが長くなりました。 なんとも刺激的だったのは、 NHKの教育テレビで放送していたコロンビア白熱教室でのシーナ・アイエンガー教授の話でした。観たのは最終回の幸せになるための技術ってテーマでしたが、乱雑に端的に言ってしまうと、それは自分次第、選択次第だと。ならば、直感に従えばいいじゃんとか思うのは、まぁ、ヨシダらしさではあるんですが、番組ではその直感について語られるところがありました。  直感ってのは、何事かを選択する際に、雑念やら理性といった、選択する上での迷いを振り払うことを意味し、 いい意味で使われます 。 しかし、実は、直感とは、 今、欲しいものを教えてくれる行動であり、また、言い方を換えると目先の誘惑だけに左右されてしまう危険性もあるそうで。で、その逆にあるのが、つまり、 先に欲しくなるものを教えてくれるのが“理性”。 つまりですね、直感に適切な理性を伴わせることで、よりよい行動(選択)が出来るようになるそうです。  なるほどなぁ、と自分の行動を振り返りながら、ひたすらに感心していましたが、さらに刺激になったのは、選択した結果については、大なり小なり後悔が付きまとうものってな話でした。どこかしらに完璧主義が宿っている自分(自覚しています)としては、 正しい選択=後悔しないことと思っていましたから、この考え方はちょっとしたショックを受けました。考えて選択しても後悔するし、考えずに選んでも後悔はするもの。そう捉えると、少しだけ楽に“選択”できるようにな

#302 エコノミーか、エコロジーか、いやディーゼルって選択もある、エコカー選び。

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 エコカー補助金復活もあってか、いわゆるエコカーへの注目度がさらに高まっております。ただ、その基準たるや、相変わらずであり、いい加減なところがあるのも実情。公平を期すのは難しいのは分かっていますが、もう少しどうにかならないものかと思うのも事実。エコカーといえば、話は変わって、先日、友人がホンダ・フリードを購入することにしたんですが、ハイブリッドかと思いきや、その価格差が約40万円もあることからガソリン車を選択しました。ファミリーにとってランニングコストは重要なポイントですから、その選択に納得できます。いくらエコカーといえども、 やはりエコロジーだからと選べる人は多くはなく、エコノミーも重要な次第でして。  さて、さらに話は変わって、エコカー=HV、EVというイメージがありますが、CO2排出量の観点からすればディーゼルエンジン搭載車の存在を忘れてはなりません。東京モーターショーでは、BMWとマツダが、今春発表との予告を打ちだしておりましたが、早々にBMWが受注開始を発表しました、本日。あのX5に、BMWのディーゼルですから、悪いわけはありません。ただ、18インチ標準に対して、日本仕様は19インチとしていますから、サスペンションとの組み合わせが心配ではありますけど、新しい5シリーズのあの組み合わせ&収め具合から察するに、何事もないかのように走るんでしょうな、きっと。  ちなみに、このX5、35dというグレード名を与えられていますが、エンジンは3.0Lですから、本国では30dを名乗っています。この違いは何故か。日本では、その価格(ポジション)は、ガソリン直6(35i)とV8(50i)の中間になるため、ガソリンの35iよりも低い値には出来なかったとか。そう、イメージの問題だそうで。  それにしても、このクリーンディーゼルエンジン、マツダのCX5とともに、日本でどこまで受け入れられるのでしょうか。両車ともポテンシャルは十分に持っていますから。あとは、こちら側の捉え方次第かと思うのですが。

#301 仕上がりはいいのに、先が分かりづらいアルトエコと、先が見えてくるN BOX。

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 年が明けて、新型車の試乗会が続いています。昨年末に東京モーターショーが開催されたこともあってのことですが。2日連続で軽乗用車に試乗してきました。1台は改良されて登場したスズキ・ アルトエコ、もう1台は全くの新型車であるホンダ・N BOX。2台はいろいろな面で異なるモデルですが、最新モデルという共通項がありまして、そこから軽自動車に対して、いろんなことが見えてきました。  N BOXは、そのコンセプトどおりに受け取ると、これといった死角が見当たらないモデルでした。自転車を積めるか否か、しかもイージーに。いや、この場合の自転車は趣味ではなくって、実用的な自転車。そこにすべてが集約されたかのような手法は、結果として日常における優れた実用性をを手に入れており、詳細は省きますが、 まさに脱帽もの。ただ、実用主義すぎるきらいもありましたが。一方のアルトエコは、新型パワートレインを搭載するために、骨格からフロント周りを一新させたほどの“力作”。言い方を変えると、ライフサイクルにおける勘定を崩してまで、ライバルと戦わなければならなかった理由があったんでしょうな。  で、中略。軽自動車は、ひとくくりで捉えられていることが多く、年式やら走行距離を気にしても、 世代について 気にする人は多くないと感じることがあります。たとえば、現行型で4代目となる スズキワゴンRでは、ユーザーですら世代の 違いを語れる人は少なく、その周囲にいたっては全部ワゴンR。あれです、冷蔵庫やら洗濯機と同じ感覚。つまりですね、フルモデルチェンジしても、マイナーチェンジしても、よほど劇的な変化がない限り、見せ方を誤ると、そこに掛けたコスト分を期待できないと。 いや、理想は切り離して。と、考えると、ジムニーなんて最たる理想の軽自動車ではないかと思うわけです。  つまりですね、 軽乗用車のライフサイクルは長くあるべきだと思います。ひとことで言えば、時代に揺らされることない、確固たるスタンスを持つことでも言いましょうか。 先見の明が前提となります。時代の流れが速いからこそ、読み切れないのも事実なんですが。  そう、考えると、N BOXからのホンダの新世代プラットフォームは、そのバリエーション(可能性)も含めて、ワクワク感があります。一方、アルトエコからは、これからのプラットフォーム戦略が見えてきません。クルマはと

#300 愉しませてくれるというらしさが戻ってきた、2012年モデルのジープたち。

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 プライベイトではジープに乗ってます。なんてことはあえて明言しなくても、周囲には知れ渡っているのですが、それでも、車種についてはチェロキーと言われることが多々あります。 同業者ですら。 うちのはグランドが付きます、グランドが。 いまだに。まぁ、どうでも良くなってきましたが、それだけ“シカクイチェロキー”の存在は強かったことを感じたりします。 最近、近頃のジープは、以前のような、ワクワク感が見当たらなくなったと嘆いていましたが、年明け早々に2台のジープに試乗したところ、 最新のジープにはジープらしさが戻ってきたように感じました。  2012年モデルのラングラー(画像上)は、グランドチェロキーで展開されていたパワートレインを搭載したことがポイントとなっていますが、それは単なるパワーアップ云々ではなく、ファンを感じ取れるトルクフィールを与えたことが何よりのトピック。そもそも、このエンジンに対しての評価はとても高いのですが、ギア比も相まって、全域でトルク感あふれているところがポイントかと。それは、以前のアメ車的な有り余る極太テイストではなく、ヨーロッパ車的な必要にして十二分な太さ。それでいながら、吹け上がりはジェントルだし、メルセデス製のATも今のラングラーに対しては十分。高回転域までパワー落ちしないフィーリングも秀逸です。だからといって、シャシーは乗用車的ではありません。これまでどおり、いい加減さが多く残されておりまして、それがラングラーたる美点となっています。ラングラーに合わせられるかどうか、それによって、クルマの評価は変わってくるでしょうな。あと少しを言うならば、やはりタイヤサイズが大きすぎるため、バネ下のバタバタ感が強かったことかと。不快感を与えない絶妙なセッティングとなっていましたが、フラット感が欲しいと感じたのも事実だったりしますが。  もう1台はグランドチェロキーでした。2011年モデルと大きな変更はありませんでしたが、まぁ、ハンドリングの素直さは相変わらず魅力的で、それに不足ないV6エンジンと、フラッグシップたる乗り心地など、ターゲットとした性能をきっちりと表現しているところが良かったかなと、改めて感じましたが。ただ、20インチサイズのタイヤは ゴトゴト手前のコトコトが顔を出していましたから、 行き過ぎ感はありましたけど。  いずれにしても、ジープら

#299 重ね塗りによって、そこから抹殺されるがごとく消え去りゆくヒストリー。

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 今、メインで使っているPowerMacG5(2台目)を購入したのは  丁度、去年のこの時期でした 。つなぎのマシンと考えながらも、なかなか次に移れずにおりますが、さすがに、Finder周辺のレスポンスの悪さが気になってきました。何をするにも待たされることが多々ありまして……。いずれにしても、購入してから1年ですか。早いものです。  で、たかが1年されど1年。そんなことを新年早々に感じました。えっとなんていうんでしょうか、2011年は戻ってこないとでも言いましょうか。あと何年生きられるのだろうと考えると、たった1年であっても、 年を重ねていくにつれて その貴重さは増していくもの。だからこそ、先延ばしはいかんなと、改めて強く思うわけですが……。  なんて考えたのは、新年早々に友人と代々木のVILLAGE by kurkkuを訪れたから。個人的には施設そのものよりも、 約20年前の予備校時代に2年“も”通った 代々木ゼミナール跡地がどうなってしまったのかに、興味があってのことでした。 で、訪れてみれば、入り組んだ敷地に建てられていた校舎は消え去り、あのクランクした土地にはコンテナを使った小ぎれいな建物が並んでいました。 ご存知のとおり、代々木は、その雰囲気を大きく変えていない街であり、勝手に、ここは変わらない街なんだと思っていました。でも、変わってました。一部ですが。  それは、なんていうんでしょうかね、それは以前の風景を完全に消し去った、まさに 重ね塗りされたかのよう 。ただ、 VILLAGE by kurkkuから眺める周辺の景色は、20年前と全く変わらぬ 雑然とした周辺の街並みの中にあり 、この地だけがこの世から抹殺されてしまった感ではありましたけど。いずれにしても、それは、自らの過去を消されてしまったかのようでして、まぁ、おいてけぼりともちょっと違うんですけどね。  時代は、こうして移り変わっていくことを、何を見ていても感じることが多くなりました。やはり43歳になったからなんでしょうかね。だから、先延ばしはいかんと思うのですが、一方で、腰が重くなったのも、また事実だったりするのですが。

#298 悪くはないんだけど、バランスに物足りなさを感じた、新型スイフトスポーツ。

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 年末にはスイフトスポーツの試乗会もありました。箱根にて。これまで、この時期の箱根は路面凍結の可能性がありますので、試乗会は避けられてきました。しかし、クルマのコンセプトを考えると、やはり山坂道だったのでしょう。おかげで、クルマをつぶさに知ることが出来ましたが。  で、スイフトスポーツですな。そもそも、ベースのスイフトの仕上がりがいいだけに、また、先代スイフトスポーツがおもしろく作られていただけに、新型スイフトスポーツに対して、悪いわけはないと捉えていました。結論、とってもよく仕上がっていました。試乗しての第一印象はスポーティさではなく、質感が高いこと。走り出せば、グリップ感やら一体感やら、スポーティさを感じますが、それ以前に、高いボディ剛性やら、ダイレクト感あふれるサスペンションフィールなどに、ちょっとしたオドロキを感じました。 届いてはいませんが、分かりやすく表現すれば、それはゴルフGTI的な質感。再度言いますけど、届いてはいませんけど。  結果、ワインディングでの安定感はハイレベル。ハンドリングはちょいとやり過ぎかなと思えるクイック感がありますが、まぁ、慣れてしまえば、それもまた愉しさに繋げられるもの。エンジンフィールも、中回転域のトルク感が豊かで、1.6Lとは思えないほど。まぁ、ワインディングで、キープ回転となる3500回転でこもり音がMAXとなりますが、それでもかなり落としたとのことですから、よしとしましょうか。 ただ1点だけ惜しいのが、電動パワステ。そのフィーリングもですが、先代同様にフロントの接地感が薄く、こればかりは どうしようもないのかなと感じた次第。  そうそう、同時に用意されていたRSに試乗しました。スイフトスポーツ以上に期待をもって乗り込んだのですが、 スイフトスポーツ試乗後であったこと、さらに 期待感が大きすぎたこともあって、好印象には届かず。 リアにムズムズ感があったりして、逆にスイフトスポーツの良さを感じ取った次第でした。