#300 愉しませてくれるというらしさが戻ってきた、2012年モデルのジープたち。
プライベイトではジープに乗ってます。なんてことはあえて明言しなくても、周囲には知れ渡っているのですが、それでも、車種についてはチェロキーと言われることが多々あります。同業者ですら。うちのはグランドが付きます、グランドが。いまだに。まぁ、どうでも良くなってきましたが、それだけ“シカクイチェロキー”の存在は強かったことを感じたりします。最近、近頃のジープは、以前のような、ワクワク感が見当たらなくなったと嘆いていましたが、年明け早々に2台のジープに試乗したところ、最新のジープにはジープらしさが戻ってきたように感じました。
2012年モデルのラングラー(画像上)は、グランドチェロキーで展開されていたパワートレインを搭載したことがポイントとなっていますが、それは単なるパワーアップ云々ではなく、ファンを感じ取れるトルクフィールを与えたことが何よりのトピック。そもそも、このエンジンに対しての評価はとても高いのですが、ギア比も相まって、全域でトルク感あふれているところがポイントかと。それは、以前のアメ車的な有り余る極太テイストではなく、ヨーロッパ車的な必要にして十二分な太さ。それでいながら、吹け上がりはジェントルだし、メルセデス製のATも今のラングラーに対しては十分。高回転域までパワー落ちしないフィーリングも秀逸です。だからといって、シャシーは乗用車的ではありません。これまでどおり、いい加減さが多く残されておりまして、それがラングラーたる美点となっています。ラングラーに合わせられるかどうか、それによって、クルマの評価は変わってくるでしょうな。あと少しを言うならば、やはりタイヤサイズが大きすぎるため、バネ下のバタバタ感が強かったことかと。不快感を与えない絶妙なセッティングとなっていましたが、フラット感が欲しいと感じたのも事実だったりしますが。
もう1台はグランドチェロキーでした。2011年モデルと大きな変更はありませんでしたが、まぁ、ハンドリングの素直さは相変わらず魅力的で、それに不足ないV6エンジンと、フラッグシップたる乗り心地など、ターゲットとした性能をきっちりと表現しているところが良かったかなと、改めて感じましたが。ただ、20インチサイズのタイヤはゴトゴト手前のコトコトが顔を出していましたから、行き過ぎ感はありましたけど。
いずれにしても、ジープらしさがあふれていました。それは、オンロードすらアドベンチャーにしてくれる、そんな愉しさのこと。あ、ジープらしさというならば、さらなる価格ダウンも期待してしまうのですが。あくまでも庶民的であって欲しいのです。グレード展開も含めて。