#258 欲しかったのは、SUVテイストではなくリアドアだった、ミニクロスオーバー。
本国ではカントリーマンなのに、日本ではクロスオーバーとは、なんたるネーミングだと思ったんですが、まぁ、こうしてデビューしてしまうと違和感がなかったりするものです。不思議と。というわけで、ミニ・クロスオーバーのクーパー(AT)に試乗しております。ちなみに、その名称は正しくは、ミニ・クーパー・クロスオーバーというそうな。で、試乗会の時はクーパーSで、17インチタイヤであれだけの質感ある乗り心地を作り上げていることを絶賛しましたが、その面からするとクーパーはタイヤとサスのしなやかさが、バランスしきれていない感があり、平均点といった感じ。まぁ、小変更での改良がすでに予感させる印象とでも言いましょうか。 といっても、ミニしていないかと言えば、そんなことはなく。ワインディングは楽しいですし、NAとはいえ中回転域のトルクが太いところなど、美点だらけ。ただ、個人的には、クーパーであることを演出した部分が少々気になった程度でしょうかね。 さて、本題。このミニ、SUVテイストを与えたモデルというポジショニングを与えられていますけど、乗っているうちに、実はそれは表向きであって、裏向きの理由があるような気がしてきました。つまりですね、5ドアモデルを成立させる言い訳がSUVだったに過ぎないと。オールドでなく、このニューミニであっても、そのイメージは3ドアありきですが、昨今はそういったコンセプトやらデザインよりも、利便性を優先する人が多くなってきたようで、このミニであってもその流れには逆らえなかったんじゃないかと思うわけですよ。ミニにリアドアを付けろと、世間から聞こえていたんじゃないかと。 もちろん、個人的には反対です。しかし、逆らえなかったんでしょうね。でも、3ドアのミニに安易にリアドアを付けると、単純にステーションワゴンのようなスタイルになり、かたまり感、いわゆる立体物としての比率はミニではなくなります。では、どうすればいいか、全長を伸ばしたなら、ミニの比率に合わせて高さと幅を増やせばいいと。そう、それが、SUVだったんですね。 そう考えると、このミニクロスオーバーというモデルには、SUV臭さがないんです。それは消したというより、最初からもっていなかったといったほうが的確かもしれません。シャシーは、SUV的というよりは重心が高くなってしまった分をどう収めるかがポイン