#255 強烈な低燃費アピールに隠れているけど、今度のデミオは走りがいい、って話。

 カタログ燃費値30.0km/Lばかりがクローズアップ、といいますか、アピールされております、マイナーチェンジ版デミオ。スカイアクティブコンセプトによるプラス面が強調されれば、されるほどに、実用燃費はいかがなものかとか、その走りはどこまで犠牲になったのかといったネガティブな見方をついついしてしまうものです。というわけで、本日はそんなデミオの試乗会でしたが……、結論を先に言いますと、上出来なクルマになってました。燃費はさておき。というか、箱根での試乗会でしたので、燃費はあえて計測してません。
 で、何が、上出来かって、バランスとスタンス。シャシー、エンジン、ボディ、インテリア、デザインなどなど、どれも突出していないし、皆、同じ方向を向いています。前期型は、どうしてもデザインだけ、先に行っている感がありましたが、マイナーチェンジでそれが消え去りました。ちょっとびっくりしたのは、特にハンドリングやらシャシー。電動パワーステアリング由来の悪い意味での緩さがあるものの、ノーズがしっかりと向きを変えつつ、それに追従して滑らかにロールしていく。そのリズムが一定で、とっても美しい。かっちりさせようとして、リズム感を失ったクルマとは、単純に比較することはできない話です。さらに、サスペンションの動きはタイヤのたわみまで計算して使い切った感があり、しなやかでありながら剛性感があるといういわゆる不思議な感じ。ボディ剛性も高くはないけど、絶対値は低くなく、その動きをしっかりと受け止めるに相応しい性能を持っています。まさにバランスがいい。
 んで、ここでエンジンですな。トルク感があるわけではないんですが、CVTのフォローが絶妙。トルクが欲しいなと思うシーンでは、回転数をちょいと上げて、トルクを感じさせるパワーを提供。ここまでバランスが取れている国産車って、スカイラインクロスオーバー以来、久しぶりに出会ったような気がします。あ、書き始めたら止まらなくなりましたが、ようは、絶対的な性能よりも、適切なバランスが、クルマの愉しさを生むって話でした。スタンスについては、また別項で。

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