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#1346 あれこれ細かいことはありますけど、やっぱり好印象なスズキ・イグニス。

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 up! でしたからAセグ繋がりで……、という意図は全くなかったのですが、up!に続いてたまたまではありますが、同じくAセグに属するスズキのイグニスに試乗することに。#1310で試乗会での印象を書いておりますが、あの時の好印象は変わらずであるものの、乗り込んでいったら見えてきたあれこれがありましたので、ここではあえてそこにフォーカスしていきましょうかね。  シャシーのしなやかさとボディ剛性の高さは変わらずなんですけど、タイヤの動きにおや? がありました。簡単にいいますと、細かな揺れが落ち着かない。このクラスとしてはシャシー剛性には不足ないと思えるシーンがありましたし、コーナーではタイヤをしっかりと接地させていて、すこぶる好印象。しかし、高速域で落ち着かないところがあるし、さらには日常でも真っすぐ走らないことも多々。何が起因しているのか、よく分からず……。ま、先に書きましたパワステのフィーリングも相まってのことかなと結論づけようとしましたが、どうも違う。  で、あれこれと観察していた時のこと、高速道路での継ぎ目を越える際に金属音に似た高周波数音が聞こえてきました。カーン手前のコーンというタイヤの中で共鳴している、あの音。そうなんです、タイヤの空気圧が高いが故に出てくる、あの音。指定空気圧はフロントで250kPa、リアで220kPaとなっておりました、はい。まぁ、燃費を優先し過ぎた結果であり、逆にいえば、海外のモデルのように燃費仕様だけではなく、乗り心地セッティング求めた空気圧も表示しておいてもいいのではないか、と思ったりもしましたが。いずれにしても、タイヤのセッティングとサスペンションのバランスをもう少し……、って、たぶん、改良されてくるでしょう、やがて。  あとは、いわゆるマイルドハイブリッドシステムをフル活用しようとするあまりに回生を積極的に行うものですから、そこに粗を感じました。ま、そもそも、シフトダウン(ギアセレクト)しようとパドルシフトを操作しただけで、かなりの減速を行いますので、2段ぐらい落とそうとばかりに、パドルシフトを2回操作(減速)すると、MTで、間違ってギアをセレクトしたかのように急激な減速に。ま、いいんです、それは、回生を頑張っているってことで理解できますから。ただ、先の信号が赤だからとアクセルオフで減速時、かなり速度が落ちたあたり回生でキ

#1345 その仕上がりから、絶対的な性能の高さすら感じた、次期型インプレッサ。

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 すでにニューヨーク国際オートショーで発表され、今年デビューすることが予告されている新型インプレッサを見てきました。実際に目にしておいたほうがいいと感じ、当日取材の予定を午後へとずらして出掛けてきましたが、あ、これ、スゴかった。あのですね、広報写真から感じていた、写真ならではの質感とは異なる、見てすぐに感じ取れる高い質感が表現されていまして、ちょっと驚きでした。  それは素材の使い方、組み合わせ方だけではなく、デザインによるところが大きかったように感じます。たとえば、シート。見ただけで、ホールド感と心地良さがバランスされていることがすぐに伝わってくるもので、まさに、触れてみたくなる、座ってみたくなる、そんなテイストに仕上がっていました。で、座ってみれば、スポーツ走行に求めたくなるようなサポート性がありながらも、包み込まれるという不可思議なフィーリングをバランスしていて、これが好印象。特にショルダー部の作り込みは、よくぞここまでのサイズを確保しましたねと思わせるものなんですが、実サイズは大げさ過ぎずという、まさに心地よさをデザインしていていました。また、運転席、助手席における距離を広げていていまして、これもクラス感を超えているなぁと感じさせるポイントとなっていました。US仕様でしたから、センターコンソールにはレバー式のサイドブレーキが存在していましたが、電動パーキングブレーキ仕様ではカップホルダーが横置き……、されるんでしょうね、きっと、と思わせるほどの、ゆとりがありました。  リアシートは足下スペースのゆとりがとても印象的でした。シートポジションはちょっとゆったり目としながらも、腰からショルダーまでをしっかりとサポートしているという、これもまたクラス感を超えた快適性をデザイン。ところがふと気付けば、座面長はこぶしひとつ分不足。といっても、それに気付いたのは、足をフロントシート下に入れたゆったりポジションを取った時に、座面先端部に圧を感じたから。実のところ、長さは不足していながらも、それを不満とは感じなかったのは、シートポジションが良かったからにほかなりません。そういう意味では、ルーフラインがかなり抑えられたことで、リアシートへの乗降性とリアシートでのサイドへの視界がちょいと犠牲になっていましたが、ドアを閉めてもらうと、実のところ、心地よい包まれ感があって、むしろ

#1344 車庫、予算、すべてにゆとりがあるなら、欲しい、ミニ・コンバーチブル。

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 季節が良くなったからでしょうか、細胞分裂が加速しているかの勢いでMINIが増殖しています。3月2日のミニの日にコンバーチブルがデビューしたと思ったら、クラブマンにONEとALL4を追加して、さらに3ドアと5ドアにもディーゼルとなもし? 一気にバリエーションを増やしていまして、どれが買いだか、さっぱり分からない状況になっています。、試乗後にまた語りますけど、いずれにしても、価格帯もアップした感があって、個人的には困惑気味といった感じでしょうか。   さて、コンバーチブルですな。3ドアがベースとなりましたが、3ドア同様にキャビンスペースが広げられていたこと、質感を高めていたこと、もちろん、オープンエアモータリングを愉しめるモデルに仕上がっていたこと、それでいながらMINIしていたことなど、いや、余裕があるなら1台欲しい、そんなモデルでした。  クーパーの予定がクーパーSの試乗となりましたが、スポーティさを求めたモデルゆえの乗り心地の硬さは、不満を言いたくなる手前ギリギリに攻めていました。ただ、見渡してみると、ONEであっても仕立てによっては乗り心地に不満がありますから、質感という意味合い、シャシーの剛性感という面からは、評価できるなぁと感じました。というか、表現を変えますとね、このサイズのタイヤをよく抑え込んでいるなといった感心のほうが印象に残りました。  ま、そんな乗り味もさることながら、このコンバーチブルから採用されたMINI Yoursデザイン・プログラムが、好印象。ま、BMWでいうところのインディヴィジュアルプログラムといったところ、つまりは、質感の高い装備を設定したカスタマイズプログラム。で、意外にも、これが良かった。MINIには不要では? と思うところもあったのですが、ハンドクラフト感あふれるシートやステアリングホイールなんかは、個々に欲しいと思ってしまうほど。また、ヘリンボーン織りで描かれたソフトトップのユニオンジャックも、英国好きでなくても、なんとなく欲しいと思ってしまう、アイテムではないか、と。そうなんですね、デザインだけではなく、その質感からも欲しいと思わせるところがありましてね。と、まぁ、好印象だったのですが、そうですか、342万円からですか。安くはないですけど、ま、それこそゆとりがあれば欲しいですな、1台。  新ラインナップも含めて見渡

#1343 らしさを残したままに新世代を表現していた、ボルボXC90。

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 新車テストドライブが続いています、最近。続いてはボルボXC90。フォードテイストが完全に抜けた、久しぶりのオリジナルボルボとしてデビューしたモデルですが、まぁ、新世代を感じさせながらも旧世代に息づくボルボらしさを残したという、まさにボルボ尽くしのモデルに仕上がっていました。  今後、エンジンは4気筒より上は作りませんと明言しているように、このXC90とて、基本的にすべて4気筒。しかも、排気量は2.0L、って、過給器付きではありますけども。ま、理想は分かりますけども、現実的に2tを超えるボディに対してトルクが足りているんだろうかと思えば、これが、もはや十二分。320ps/400Nmを発生するT6は、ボルボお得意のフラットトルク感をベースに、パンチという演出を加えていまして、足りているどころか、十二分を感じ、ちょっとショックを受けたほど。さらに、モーター駆動を組み合わせたT8となると、ここまで不要でしょと思えるほどのパワーを発生させ、ゆとりを超えた先にある贅沢さを感じました。ただ、そこに扱い難さは全く見当たらず、緩やかにアクセルペダルを踏んでいる限りはトルク変動を感じさせることなく、ゆとりをもってジェントルなフィーリングを提供。そうなんですね、先代XC90に搭載していたV8的とでもいいましょうか、そんな感じ。T6とT8をあえて比較してみると、やっぱり、先代での、軽快感のある6気筒、ジェントルテイストを高めた8気筒にあった違いが、最新世代にもジションとして与えられていまして、そんな作り方も、また好印象であるポイントとなっていました。  そして、いずれにも、スペックには現れないけども、扱いやすさをメインに表現しているという、オーナーになってみないと見えてこないボルボらしさを感じましたし、そういったボルボらしさを丁寧に作り込んでいることに、ちょっと安心感を覚えました。それはイマドキを追いかけず、独自のフィーリングを追求するというスタンスとも言えましょうかね。それでいながら、最新の技術も相まって、イマドキのクルマとしての不足を何ら感じさせません。ハンドリングにしても、かつてのボルボと比べると、たとえばギア比にすら違いを感じるかもしれませんが、そこには無理矢理にスポーティに仕立てたのではなく、シャシー、ボディに見合った、安心感を提供できるステアリングフィール(ギア比)を組み

#1342  しっかりとGTIしているのに、乗りやすさがある、ゴルフGTI(MT)。

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 MT続きということで、続いてはゴルフGTIのMT。ゴルフ6になってからは、DSGのみとなり、MTモデルの日本販売は久しぶりのこと。ゴルフ5でDSGとMTの両モデルを比較した際、シフトフィール(スピード)という面だけをピックアップするとDSGでも十分と感じたことを覚えていますが、今回、ゴルフ7GTIにてMTをテストしたら……、これが良かった。最近、何度も同じことを言っていますが、MTモデルの愉しさってのは、シフトとクラッチペダルの操作だけにあらず、速度やら減速やらを自在にコントロールできるところにあると思っています。それはスポーティなパフォーマンスを謳うGTIであっても、日常域において変わりなく……、というよりも、むしろ日常域での扱いやすさがありましてね、これ、絶対にMTのほうがいい、と感じました。  クラッチミートは、極低回転においてトルクがしっかりと出ていることもあり、また、マネージメントもプラスして、戸惑いがありません。つまり、扱いやすい、というよりも、乗りやすいといったほうが表現的に伝わりやすいかな、と。乗り味については、アダプティブシャシーコントロール“DCC”装着車だったこともあって18インチタイヤ(DCCには標準)を採用しながらですね、乗り心地が良かった。もちろん、サスストローク量は抑えられているのでシーンによっては底付き感がありますし、40扁平タイヤなりの剛性感によって、大きな衝撃に対してはやはり硬さを感じさせますよ、させますけどね、衝撃を確実にいなしてくれるセッティングと、不快感を覚えさせないという絶妙なリバウンドフィールが相まって、想像以上の快適性がありましてね、驚きました。ま、同乗者がいたりすると、申し訳ないなぁと思うかもしれませんが、ま、許してもらえるレベルといった感じでしょうかね。  もちろん、スポーティな走りへのリクエストは、DCCにてスポーツを選択すれば応えてくれますから、これもまた不足なし。そして、感激したのは、やはりハンドリングでしょうな。ステアリングを切りはじめたところから操舵感があり、グリップ感が伝わってくる。そのまま、操舵していけば、その感覚は舵角に応じて強まっていく。つまり、対話性を語れるステアリングフィールがある。そして、そこには無理矢理なクイック感ではなく、シャシーセッティングに見合ったステアリングフィールがあり、コ

#1341 バックアップとデータ保存と年賀状作成のためのMac選び。

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 知人から相談を受けました、iPhone6sを購入したら、今、使っているMacでiPhoneのデータをバックアップできなくなったこともあり、Macを買い替えようかと考えている、と。最新OSをインストールできず、つまりは最新のiTunesもがインストールできないってことなんですが、ま、iCloudを利用すれば可能とも言えるんですが、話を訊いていくと、問題はそこだけに止まらず、というか、それは単なるきっかけでした。肝心なのは、ローカルに落としてあるメールを引き継ぎ、PCに限定されているweb上の手続きやらにも対応できること。そうなんですね、いわゆる、タブレットで可能レベル、つまり、ネット閲覧&メールチェック程度ならば、PCまでは不要なのですが、ここでちょっとやっかいに感じたのが、これまでのメールのデータをどうするか。ローカルに落としてあるメールって、これからどうすればいいんでしょうかね。いや、テキストベースにしておくとか、そういう手段はありますが、フォルダ分けやら、単純とはいえ検索機能を求めますから、やっぱり、アプリケーションというスタイルの元に置いておくことが必要、か、と。  メールを見るためだけにPCが必要……、はっ、これってLDを持っているがゆえにLDプレイヤーを捨てられない者の悩みに似ています。って、そのうちに、過去のメールデータを閲覧するためだけにPCを購入しなきゃならんなんて時代が来るんでしょうか。でも、振り返ってみれば、PC-98時代のメールやらを捨て去ってきた過去を考えると、多数のメールを残しておく必要って、意外となかったりするものなのでしょうかね。  ま、今のところの解決策は、新しいMacを購入するってこと(windows専用PCにすれば解決って話は、なしで、この場合)に行き着くわけですが、現在の為替レートから気軽に買える金額ではなくなっていることもちょっとやっかい。最も安いマシンという条件でピックアップすると、MacbookAirが10.28万円、iMacが12.68万円、モニタなしのMacminiが5.88万円。ただ、いずれも消費税抜きですし、メモリをどうたら、ドライブをこうたらしていくと、え? という支払い金額となってしまいます。こうしてみると、複雑な処理を必要としない人向けの低価格マシンの必要性を感じるわけです。と言いつつ、Macboo

#1340 ターボも良かったけど、NAも良かった、スズキ・バレーノ。

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 さてと、スズキのバレーノです。昨年の東京モーターショーで見た時は、イグニスとともに、日本市場でも通用するといいましょうか、是非とも導入してもらいたいモデルだなぁと眺めていました。……ら、両車ともに早々にデビュー。そうですか、目論んでいましたか。そりゃそうですよね。  このバレーノは、スズキの現行型スイフトのポジションであるBセグメントモデルとしてデビュー。それだと、スイフトと被ってしまうではないか? と思いきや、そこには次期スイフトは上、つまりCセグメントへと移行して、上手く棲み分けができるというロードマップがあるんだと思います。ということで、このバレーノはスイフトの改良モデル的な面と、まっさらなモデルとしての面を持ち合わせています。たとえば、現行型スイフトのリアシート(特に足下スペース)における快適性の不足は、この全長ゆえに仕方ないんじゃない? と感じていましたが、かなりネガティブな意見がスズキへと届いていたようで、ここぞとばかりに改良され、それをバレーノでは強く謳っています。といっても、それでも全長は4mを切っていますから、まぁ、そのバランスが個人的には好印象。というのも、うちら世代は、学生時代にフェリーを多用しての旅行が多かったもので、いまさらながらに全長4m未満のモデルを見ると惹かれてしまうのです。そうなんですね、フェリー料金は全長(m単位)で料金が変わるもので、特に4mを境に大きく変わったものですから。  ま、そんなバレーノですが、クルマとしてのバランスも上手く仕立てられていました。しなやかさを感じるシャシー、それに見合ったステアリングフィール、軽量かつ高剛性を感じ取れるボディなどなど、って、リリースに書かれたトピックどおりのような気もしますが、でも、そのもの。そのセッティングはスイフト的なスポーティさを強く意識させるものではなく、どちらかといえばコンフォートさを前に出したものとなっています。なので、乗ってすぐには分かりづらいかもしれませんが、乗り込んでいくうちに、コーナリングを重ねていくうちに、なかなかいいね、と感じ取れる仕上がりとなっています。特に印象に残ったのはハンドリングかな。オンセンターに緩さはあります、ありますけど、舵を当てたところからクルマが反応し、嫌みなくノーズがインを向いていく。そのフィーリングは突然の変化を見せることなく、やがて