#1107 新型こそ、その素性を正しく理解してもらえそうな、SX4 S-CROSS。

 アルトターボRSで出かけた試乗会では、同時にSX4とエブリイの試乗会も兼ねていました。というわけで、SX4 S-CROSSの話。アルトターボRSの写真は晴れているのに、SX4は霧の中であるのは、取材の都合から2日間訪れているため。
 で、SX4ですが、あちこちで書いてきましたが、個人的にとっても評価の高いモデルでした。それはSUV的なコンセプト云々ではなくって、クルマの仕立て方や仕上がりのほう。先代は、スイフトベースでありながら、リフトアップだけではなく、質感を高めるというあれこれを織り込んでいまして、これが、実に良かった。ハンドリングも乗り味もとにかくスイフト以上であって、結果としてスポーティ。出ましたな、この言葉。そう、ヨシダがクルマを語る上で最もポイントとしている、結果としてスポーティ、これを手に入れていました。その上で、このクラスとしては異例とも言える、電磁クラッチを用いたオンディマンド式4WDシステムを採用しており、2WDと4WDの価格に20万円差があったほど。
 ところが、その価値をなかなか理解してもらえず、リーズナブルモデルの投入やら、あれこれあって、そのポジションはますます分からなくなっていきました。
 ということで、期待大のモデルでしたが、ま、正常進化といいましょうか。その高い質感の割に不足とされてきたスペースを手に入れて、クラス感もアップさせて再登場。とってもいい仕上がりを見せていました。素直なハンドリングと、スポーティたるトルク感と、ストローク感あふれるサスペンションの動きやら、あれやこれや。
 ただ、気になったのは、速度域の高いところで表情を変えるところ、か。たとえば、大きくバウンドした後のリバウンドフィールに減衰が少々不足していること、ハンドリングのクイック感に対して、ロールスピードが少々速いことやら。ま、いずれも、快適性を優先させたがために顔を出した部分であり、実用速度域ではむしろきれいに仕立てていますので、と考えると、別に言わんでもいいかなと思える、そんなレベルではありますけども。
 価格を考えると、十分ですな。十分。そう、好きなクルマってのは、ついつい辛く当たってしまうものなんです。

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