#600 ポテンシャル高いし、理由を知っていると不満にならない、アテンザの真価。

 さてと、アテンザの話をしましょうかね。結局、走行距離は1800kmほど。昨年の夏にCX-5でもそのぐらい走ったんだけっかな。まぁ、ディーゼルゆえに、それだけ走っても燃料費は負担になっていませんでしたし、なによりディーゼルゆえに、ストレスも疲労も少なく、とんでもない距離を走ったという意識はありません。
あ、燃費ですか。
  高速道路をまったりと走って(Ave72km/h)で、24.7km/L
  市街地にて信号で止まりつつ(Ave32km/h)で、20.4km/L
  大渋滞にはまり、裏道使って(Ave15km/h)で、15.6km/L
といったところ。
 ラフにアクセルを開けると途端に燃費は悪化しますが、ラフに開けなければ、それなりに伸びていきます。といいますか、燃費アップを狙うには、やはりパーシャルスロットをいかにキープするか。まぁ、当たり前なんですが、少しでも踏み込むと途端に燃費が落ちていきますので、想像以上にパーシャルスロットがキーとなります。ただ、オルガンペダルもあって、足がつるようなことはないので、割とイージーに低燃費を期待できるところは、やはり評価すべきところだと思います。
 で、エンジンフィールについては、いうまでもなく。低・中回転域のトルクが豊か過ぎて、しかもその回転上昇が実に美しく、もはやうっとり。サーっと走るのではなく、スーーーッと走って行きます。まさにエレガント。そして、とんでもない速度域へと誘いますし、何よりクルマがまっすぐに走ろうとしますから、速度感がない。まさに新東名向きといった感もありますな。
 さて、そんなアテンザで、気になる点を書いておきましょうかね。これはウィークポイントというよりは、いいクルマだからこそ、ポテンシャルがあるからこそ言いたくなる、そんなコメントとして捉えてもらえるといいのかな。試乗したのは17インチのATでしたが、17と19インチでサスペンションを共用したことの粗が、やはり気になりました。言い換えると、17インチならではのコンフォート感、まぁ、言い換えればタイヤのたわみを上手く乗り心地として表現して欲しかったなと。もう少し具体的に言いますと、ストロークスピードが速いところでバウンドした際、その後のリバウンドにおいて、17インチタイヤのたわみ反力が、リバウンドを助長してしまうシーンがありました。つまり、ドンとタイヤが入ったかと思うと、その後に、フワっというフィーリングが出てくる、と。流れとしては、シャシー剛性が高いかと思っていたのに、突然に顔を出すため、そのフィーリングだけが印象に残ってしまう、とでもいいましょうかね。でも、これ、仕方ないんです。19インチにおいては、まさにこのセッティングによって、あのサイズのタイヤであっても、あれだけの快適を作り上げていますから。そう、仕方ないんです。
 それならば、19インチがベストなのかい? と言われると、比較的なコメントをするならば、やはり2000km近くを走ってみないとなんとも言えませんが、試乗会で乗った際には、そこに17インチとは逆のトレードオフがあることを感じました。ただ、CX-5ほどではないですし、ポテンシャルがありますから。つまり、そうなんです、やがてを期待してしまいます。そうそう、乗り心地の面で、そのポテンシャルを発揮するのは、やはり高速域です。相当な。この点は、日産のノートと同じでして、そのテイストとしてはヨーロッパ向きなセッティングとなっています。最近の流れとも言えますな。
 あれこれ書きましたけども、いいクルマだなとつくづく感じました。というのも、広報車を返却して、自分のグランドチェロキーに乗り換えた時、これ、クルマとしておかしい、と感じてしまったほどですから。あ、この感覚は、いいクルマに乗った後に感じることでありまして、ゆえに、アテンザはいいクルマ、との証明でもあるんですが。
 そうだ、ひとつ書いておかねば。まじめだなと思う作り込みは、フロアマットにも見られました。右の写真は、リアのマットを、フロントシート方向へと撮影しているのですが、マットがフロアシートの下まで入り、そしてスライドレールのアンカーを避けるように、それが鍵になるかのような、つまり、ずれにくいデザインになっています。いや、コストを優先するならば、ここを削って、単純なスクエアデザインにすればいいだけのこと。しかし、それをしない。そして、それを、自らで主張しない。そう、人を押し分けて前へと出ようとするのが苦手なんです。ま、それがマツダらしさでもありますし、だから好きなんですが。

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