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#1699 走りはオンもオフも完敗。でもね、といいたくなる、ジムニー、新旧紹介。

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 ここのところなかなか愉しい取材が続いていました。といっても、最近は愉しくない取材っつーのがほとんどありません。そうほとんど。ただ、文章にまとめるのに面倒があることが程度で、それも、いざ、やる気になれば、愉しかった取材ゆえに、すらすらと進むものです。ただ、新旧モデルの紹介ですから、横並び比較はしないようにと気をつけながらも、なんだかんだいいながらしてしまう。そのあたりの加減には苦労しましたが、先代を半ば自虐的な表現を用いて貶めてしまうという手法を用いればいいだけのこと。ご存知のように、新旧ジムニーの走りにおいて、先代に褒められるポイントはないですから、性能的な比較をされてしまうと。まぁ、強いていえば、まったり走れるとか、クルマとしてのノイジーさがあって心和ませてくれるとか、無理矢理感ありありですな。  ということで、はっきり書きました、新旧に感じていたあれこれを、新型はひたすらに羨ましい、でも、デザインは好きではないという観点から。ジムニーのデザインってですね、みなさん、新型をべた褒めするんですが、自分は、その逆。あっちにラングラーが見え、こっちにディフェンダーを感じさせ、そっちではGクラスっぽさを、意図的に組み合わせている。そう、何かを感じさせる、何かに似ているデザインって、そもそも好きではなくてですね、そんな見方もあって、好みではありません。  とはいっても、先代が登場した20年以上前、あのデザインにはびっくりしました。ただ、なれていった。そのスピードは、ひと目見てびっくり、でも、1時間もしないうちに馴染んでしまったデリカD;5よりはかかりましたし、見た瞬間にこれ、十分にありでしょうを感じた現行型チェロキー(フェイスリフト前)よりはるかにかかっています。ちなみに、先代の場合、自分で理解ができるようになったのはグリル変更を受けた4型が登場する頃だったか。あの時は、なんでようやくいいなぁと思えてきたのに、どうしていまさらマスクを戻すんだろうか、と感じましたから。  そう考えると、フリーに成り立ての頃は、クルマのデザインとはなんぞやが分からず、好き嫌いで語っていました。そもそも、クルマは、自分が欲しいか、欲しくないかに、評価軸があると思っていた頃。そんなことを振り返りながらの執筆は、駄文ばかり並べる自分であっても、商品を紹介するというスタンスにおいて、ずいぶんと変わっ

#1698 夏前から続いていたジープ本への執筆で、自らのスタンスをあらためて認識できた、という話。

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 ジープな原稿書きが続いてきましたが、ようやく脱稿(したと思われる)。それぞれに異なる出版社から夏前から依頼をいただき、それはそれでありがたいことなのですが、書き分けがなかなか難しくありました。特にジープとはなんぞやというテーマが与えられまして、まぁ、たぶん、これは自分らしさを表現できる場と認識しながらも、過去にジープユーザー、でも、今のジープに何か違うを感じている者としては、ヒジョーに書き辛いテーマでもありました。ただ、幾度も書いていくうちに、ユーザーあったからだからこれ知ってるとかですね、教えてあげるよ、というスタンスで、限られた文字数内に収めようとすればするほど、自分好みではない文章になってしまっていました。ただ、あるとき、そういったパートをすべて取り除いてみたところ、むしろ上手く言いたいことを伝えられていることに気付きました。一方で、その省いたことっつーのは、体験や経験に基づいたものであり自己アピールに繋がっているのも、また、事実。ただ、取り除いた時に感じたのは、つまり客観的な視点で眺めたら、そのブロック(段落)って、とてもいやらしい、そして、卑しく見えましてね。  マスコミの中にいると、自分がー、自分がー、と、他人のことはおかまいなしとばかりに前へ出ようとする人が多く、それを、ワースゴイデスネー、と受け取る(らねばならないが正しい表現か)人々がいて、それを目にするのも、聞くのも、いやで、昨年の今ごろに立場を捨てたわけですが、そのブロックを眺めていたら、戻されそうになっていたことに気付きました。ま、フィエスタにも乗っていますとか、ノーマルでスタックランドファームへ出掛けています、といったプロフィール的なことは、執筆者の個人像をイメージしてもらうには役立ちますから、その辺りの加減が難しくもありますが。ということで、ここのところのジープ本には、ジープとはなんぞやはもちろん、改めて自分のスタイル、スタンスを再認識させられた、という、プラスが多くありました  で、写真の本は、今週発売された文友舎刊のジープカスタムブックVol.8。先日、ここでもちょいと触れた、タイガーオートの山中さんと対談という名の雑談を行い、それがP72より掲載されていますが、こうして製本され、全体と比較すると、文字、多すぎ。多すぎですが、実は掲載できない語りも含めて、落としたブロックは数多く。ま

#1697 ジムニー装着していたレカロシート、底が抜けました、って話。

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91年まで販売されていた初代ビッグホーンの純正レカロシート  ひたすらに下道を走っての遠出をして、帰り道も下道を走っていたらですね、とつぜん、シートが抜けた。そう、まさに落ちたといわんばかりに座面が抜けるように落ちた。ただ、完全に抜けてしまったのではなく、何かがまだ関与して落ちきれずに沈み込みつつあるって感じ。その地点から我が家までは100kmありましたが、落ち込みは止まり、なんとか帰宅することはできました。ちなみに、抜けたシートは、ジムニーに装着していたレカロシート。とはいってもですね、このレカロシート、初代ビッグホーンに装着されていた純正レカロシートでして、少なくとも30年以上前の生産品。まぁ、その間、装着されていなかった期間があるとはいえ、年代もの。前オーナーの、腐ってもレカロ、との明言とともにジムニーを譲っていただいたのですが、まさにそのとおりでした。サイドサポート部のウレタンはガタガタで触れるとはっきりとフレームを感じるほどなのですが、座ってみるとフレームはモモには当たらないし、レカロシートらしいサポート感は顕在。ということで、初代ビッグホーン用だったことも含めて、そこにこだわりすら感じていました。まだまだ、使えるじゃんって意味合いで。 ウレタンを支えていたゴムシートが破れました。  とはいえ、こうなってしまったからにはもはやシート交換かと思って、今どきの価格を調べてみると、円高時代の底値を知っている者としては、このジムニーがいつまで走れるかを考えると、新品に投資するのもなんだかなぁと思いました。一方、中古品を調べてみれば、え?、(たしか)20年前に6万円台とかでざらにあった(気がする)SR3(ルマンカラーね)が、美品とはいえ4万円? など、ちょっと手を出すに気にならない価格帯。さて、どうしたものかと思案しながら、実はこのジムニーを撮影する取材が控えていまして思案してもいられない状況……。と、そこで発見したのが、オークションだったかに出品されていた、修復歴(!)が記載された中古レカロシート。キーワードを頼りに探ってみると、なんと、レカロシートの座面落ちってのはそれなりにあるようで、補修パーツが販売されていました。 3980円で修復完了!  過去、レカロシートを含めて、社外シートをあれこれ付け替えた経験がある者としては補修できるなら! と喜んだわけですが、分

#1696 タフトクロスフィールドVer.、撮影の、裏話というか、補足。

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 先日、公開になった動画があります。ダイハツ・タフトに、趣のちょっと違ったタイヤを組み合わせると、結構愉しい、ってな記事。紹介しているのは2台、市販車まんまな車両に横浜ゴムのジオランダーCVを組み合わせての試乗記、そして、昨年末にダイハツが発表したコンセプトモデルのクロスフィールドVer.(ジオランダーMTG003採用)の、あくまでも妄想的な試乗記。お分かりのとおり、後者についてはコンセプト仕立てですから、実際にスタイルどおりの走りには届いていないところもあり、かといって、ダイハツのコンセプトモデルの例に漏れず、走ることはできる、ことを前提に作り込まれたモデル。そう、そのポテンシャルをテストドライブした内容とはなっていません。  さて、今回の撮影と、執筆と語りで気付いたこと、裏話をあれこれと記してみましょうかね。まずですね、そもそも、タフトは、ロッキー、タントとプラットフォームを共用していますから、つまり、いわゆるクロスオーバーというスタイルに仕立てたとはいっても、ラフロード走行性能は語れても、悪路走破性までは語れない、そんなポジションにあるモデルです。この仕立てについては、別に珍しいわけでもなく、世間で言われているクロスオーバーモデル、いや、SUVの中にも同様なモデルは数多くあります。ま、悪路云々はさておきですね、ただですね、改めて原稿を書いていて気付いたのですが、タフトって、商品企画的に攻めていたところがあれこれありましてね。それが、自動車雑誌的にはライバル、でも、実際、言われるほどに比較対象となっていない、スズキ・ハスラーと比較してですね、たとえば、最低地上高が+10mmの190mmとしたこと。これはタイヤサイズが165/60R16に対して165/65R16を採用したがゆえとも言えるのですが、大径タイヤをはける、はきこなせるポテンシャルは、やはりロッキー譲りといいましょうか、そこまで考えての、商品設計だったことがわかります。  まぁ、だからといって、悪路走破性の本質は、地上高だけでは計れないとは、毎度言っていることですが、この手のモデルにとっての、指標(商品性のアピール)としては実に有効。つまりですね、走る気があるといいましょうか、デザインも含めて、ドライバーを走る気にさせることを、丹念に作り込んでいることが見えてきます。ま、そのほかのタフトのアドバンテージに

#1695 TJ型ラングラーにすれば? という提案に、ドギマギしている話。

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写真中央部のもやもやっとしたところで、ジープの撮影をしています   ジープな仕事依頼が続いています。本日、ひとつ終えましたが、もうひとつあるようです、どうやら。それはさておき、先日、ジープを得意とするヨンクプロショップ兼、ジープディーラーを展開する、あのショップへと出掛け、代表取締役社長と対談をしてきました。考えてみますと、インタビューじゃなくて対談ですから、吉田に対する編集部の対応もずいぶんと上がったものだと感心しつつ、え、なに? 文章を組み立てるのは俺なのかい? と、変わらぬ対応に、まぁ、そんなもんだよな、とも思ったりしていますが。  ま、細かな対談内容については、これから発売されるムック本に掲載されますので、そちらを見ていただくとして、この方との話は、なんでしょうかね、共通項が多くて、ジープに対しての捉え方がすごく重なる部分が多くて、仕事で訪れたのに、いつしか雑談的になり、すごく愉しい時間を過ごしています。まぁ、だからこそ、それを原稿に落とし込むには、かなり苦労しますし、整え方に気を遣ったりもするわけですが。  2002年の北海道試乗会でのTJラングラー  で、そんな対談な雑談にて、原稿には書くつもりの無かった、あがりのクルマの話を自分でしはじめましてね。ナナマルあたりを選んでおけば、EVだらけの世の中になっても、ビンテージとして乗り続けられるだろうし、トヨタも面倒を見てくれるだろうし、なんて話をしました。ら、ですね、なんと、その代表取締役社長さんがですね、TJラングラーにすればいいじゃん、と軽くといいますか、単刀直入とばかりにおっしゃいましてね。いや、それまでは現行型ラングラーはサイズでか過ぎてー、価格が高過ぎてー、でもって600万円のクルマでスタックランドファームを走って傷つけるのはイヤダメだしー、と逃げの言い訳を散々にしていたんですが、TJラングラーという、まさに王手といわんばかりの駒を繰り出されて、こちらは何も言い返せない、アウアウ状態になってしまいました。  ただ、考えてみますとね、サイズ感もいいし、2ドアスタイルもいいし、オープンになるところもいいし、ATでもいいし、MTでもいいし、ジープだし、と、とってもことだらけ。しかも、たぶん、この仕事をしている者としては、日本でいちばん最初にTJに乗っていたりと、あれやこれやと愛着もありますし、デザインも嫌

#1694 大きな橋と、小さな橋と、そこを走るドライバーの心持ちの違い。

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 ツイッターにもアップしたんですが、こちらには少々解説を加えてアップしましょうかね。我が家からクルマで10分ほどのところに、こんな景色が広がっています。そもそも、住まいは八王子ですから、高尾ですから、つまりは、関東平野の縁に位置しており西側は森というか、山。さらに神奈川県との県境はすぐですし、その神奈川県ったって、津久井湖とか相模湖とかがすぐそばであってまさに自然の宝庫です。それもあって越してきたわけですが、気がつけば6年以上住んでいます。たかが6年と思われたかもしれませんが、自分にとってはこれは最長記録でして、これまでは6年以上同じところに住んだことがありませんでした。なぜ6年なのかといえば、6年経つと部屋の中に仕事の資料やらが収まり切らなくなり、いや、整頓しようと思える限界点を突破してしまい、つまりは整理整頓するには引っ越すしかないとばかりに移り住んできまして。  で、そんな八王子は高尾の近所に対象的な2つの橋がかかった河川敷があります。上の写真にある新しく大きな橋は、圏央道のICへと導きつつ津久井湖のほうへと延伸させる計画があるバイパスにかかった橋。ただ、片側2車線あるのですが、ICもしくはその先へと向かうクルマと、その手前にある信号を左折しようとするクルマが連なるところがあり、どっちの車線を選んだほうがお得か(早く先へと行けるか)という、面倒が存在します。一方、右上の写真(ジムニーの位置は動かしていません)は、軽自動車ならすれ違えるかもしれない、でも、どちらかの方向で譲り合い、交互に通行しなきゃいけない、旧道の橋。推奨土木遺産に認定されている橋で今でも使われており、バスや大型トラックも通行します。ところがですね、この橋を渡ろうとするどんなクルマでも、ちゃんと譲り合いをしています。信号もないのに、まさに阿吽の呼吸といわんばかりに。たとえ、一方が何台も連なっていたとしても、皆が強引に橋に侵入することはなく、ある程度で停まって、向こうからのクルマに道を譲ります。不思議なんですね、この世知辛い時代に、極端に交通量が少ないわけではないのに、譲り合うことを自ずと行っているという。考えるに、この橋を渡ろうとするドライバーは譲り合いを面倒と思わぬ方々であり、そんな心持ちのドライバーばかりだから、この橋の通行には煩わしさがないのではないか、と。その証拠に、我が家の近くには、5

#1693 ジムニーに、CarPlay対応な2DINオーディオユニットを組み込んだ話。

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 突然ですが、ジムニーのオーディオを入れ換えました。使えなくなったわけでもないし、機能にどこか不足や不満があったわけでもないのですが、CarPlayを使い倒したくなりまして、で、入れ換えました。メーカーとしては初めて耳にするところでしたが、価格がですね、2DINな7インチモニタを備えながら、実質1万4000円。そんな後押しもあっての購入でしたが、この価格はとても重要で、ほら、ダメだったら仕方ないで諦められるギリギリだし、謳っていた機能と異なるならばそれを伝えて返品という方法を取ればいいや、そんな考えもあってのことでした。で、実際に取り付けて、使ってみたらですね、これが、想像以上に「使える」。このユニット、CarPlayの無線接続を謳っていましたが、さすがに繋がりにくいとか、何かあるだろうと思いきや、何もなし。CarPlayの機能そのものも問題なし。強いていえば、Siriで呼び出した時に、Siriからの返信で、最初が聞こえない程度で、バージョンアップで対応してくれそうなレベル(バージョンアップはどうやるんだろうか)。  きっと、タッチパネルの反応が悪く、レスポンスももっさりだろうと思いきや、不満なし。ま、モニタに関しては、偏光機能の入ったサングラスではモニタが見えなくなるという致命的な欠陥を抱えていますが、サングラスを外せばいいだけのこと。文句を言おうとは思えません。あ、ラジオチューナー付いているけど、きっとバンドが日本対応じゃないだろうと思いきや、ちゃんと切り替え付いているし(ただし、ワイドFMバンドは非対応)。  つまりですね、人側で、スタンスとスタイルを臨機応変に取ることも大切。ということで、不足ありません。不足ないどころかですね、このユニット、なんとリアカメラまで付属。配線が面倒で繋げてはいませんが、想像以上の機能と性能とパッケージに驚いてしまいました。    そうそう、今回、ついでにスピーカーも交換。右からビビリ音が出ていたので、と、交換してみれば、なんとセンター部に凹み(写真右)が。そして、旧型ジムニーの例に漏れず、サビも見られました。交換後はもちろんビビリ音は消え去り喜んでいたのですが、って、さっき発見してしまいました。クルマ用のスピーカーも、日本メーカー以外の品が台頭しているんですね。今回は国産メーカーものにしてしまったもので……。スピーカーも人柱に