#1319 1.2L+6ATによって元気良さを手に入れていた、DS3カブリオ。

 #1305にて、イチオシになってもおかしくないポテンシャルを得ていたと書きました、プジョー208。あのパワートレイン、つまり、1.2Lターボ+新6ATという組み合わせは、シトロエンやDSまで、一気に展開していまして、果たして、その組合わせたるやいかがなものか、そして、どうバランスさせているんだろうかと気になっていました。ちなみに、輸入車試乗会ではシトロエンD4にも乗りましたが、モデル末期なりの熟成に合わせたセッティングが施してあって、ほほぅ、これはこれで魅力あるじゃない、と感心しました。
 ということで、そのユニットを搭載したモデルである、DS3カブリオも試さないわけにはいきません。これまでは、MTのみというユーザーを限るラインナップでしたが、このATを導入したこと、価格を抑えられたことで、広く一般に受け入れられるモデルへと変わっていました。そもそも、DS3カブリオの乗り味は好みであり、オープンであることも相まって、好きなモデルの1台でした。しかし、久しぶりに乗ったらば、その乗り味は随分と元気さが際立っていまして、おや、あれ、違う、なんだ、そうか、なるほどね、こうしてきたか、と、理解するまでに少々の時間を要しました。
 この1.2L+6ATですね、元気の良さを強く押し出していまして、ターボラグもあるし、ATではシフトショックも伴うことがあります、ってぐらいに元気を表現しています。そう、ひとつのキャラクターですな。言い換えると、まったり感が見られず、元気良く走らせたくなる衝動に駆られます。そして、このDS3カブリオのハンドリングは、そのやんちゃっぷりに応えるかのように、かなりクイックに仕立てられていまして、曲がろうとクルマが誘います。ただですね、カブリオの場合は、速度域が高かったり、ステアリングを大きく切り足すシーンなどでは、曲がらないという印象が残る。いや、実際には曲がっているんですけど、印象として曲がらない、そこに愉しさがあふれていないという、そういう一瞬があるんです。これ、ハッチバックだったら、すごくバランスしているんだろうな、という感じとも言えましょうかね。たぶん、ボディ剛性が……、って弱いっていうんじゃなく、バランスなのかな、と。
 ということから、個人的にはカブリオは、もっとまったり感を与えても良かったのではないかなと感じました。って、実際に、ワインディングにて、そんなクイックなハンドリングに惑わされることなく、まったりドライビングをすると(といっても、それなりの速度域での話)、コトコトと少々の暴れはあるものの路面トレース性に長けたシャシーと、ターボによるパワー感とが、愉しさを導き出してくれます。あ、これ、ひょっとして17インチだとバランスしているのかなと思いつつ、16インチでもミシュランのエナジーセイバーのケース剛性を強く感じさせていますから、たぶん、17インチにすると硬さが出てくるだろうことまで、なんとなく想像しました。
 実は直前まで、#1316で書いたBMW118iに乗っていたので、乗り換えた当初はついつい比較をしてしまいましたが、やっぱり、あちらはエンジン、シャシーともにかなりジェントルに仕立てられており、DS3カブリオとは対極的なキャラクターどおし。善し悪しというよりも、キャラクターが違う。つまりですね、BMWだからと118iに乗ると、その大人しさに意外を感じ、DS3カブリオに乗ると、そのやんちゃっぷりに意外を感じる、かも。
 それにしても、輸入車はキャラクターが明確であり、そういう仕立てにも感心しますな。デザインもしかりですけど。そうそう、DS3カブリオで山道を走っていて困ったことがひとつありました。クルマ1台分といった幅の山道で対向車が来た時のこと、こちらが下がるべきシーンだったので、バックしたところ、フルオープンにした際、バックミラーの視界を畳んだ幌が大きく占めてしまい、後方を確認しづらく(写真左のような状況)。山道ですから、ドアミラーだけでは心許ないところもあって、ちょっとアタフタしてしまいました。そうなんです、花粉症なのに、今日はフルオープンにして山の中を走り回ってきたのでした。さて、夜、これから症状が出てきそうで、心配です。

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