#1625 新型ラングラーを語る前に、やはり言いたくなったオフロード走破性云々。

しかし、それらに対する一般的評価を目にするたびに(実際、そういった文章は意図的に読まないけど)、分かっているんだろうか、と思うことシバシバ。これは、すでに述べていますが、これら広報試乗会におけるオフロードコースの設定に、物足りないどころか、あり得ないを感じます。それなのに、オフロード性能がいいと語られること、そして、ほかのモデルとの違いが語られていないところに違和感どころか、違うを感じています、いつも。硬派モデルってのはですね、いつもいいますけどね、まずはあれだけのオフロード走破性がありながら、それだけのオンロード性能をバランスさせていることに価値があるのであって、オフロードを走らずして……、いかん、いかん、止めておきましょう。
というわけで、うっぷんだけでここまで書いてしまったので、このアーティクルはラングラー試乗記から話をずらしましょうか。オフロード走破性とはなんぞやという話に。三栄書房刊新型/歴代ジムニーのすべて(#1622)でも触れましたが、昨今のほとんどの自動車雑誌にて、オフロード走破性を示す際に、タイヤが路面から離れてボディが大きく傾いているようなシーンの写真を用いるじゃないですか。あれ、オフローダーにとってはっきりいって、恥ずかしい図、です。え? あんなシーンでも進んで行けるんだから、凄いんじゃないか? って? ちょっと、それ違います。走りにおいて、大切なのはタイヤをいかに路面に接地させるか。これもよく原稿にて触れていますが、サーキットであろうと、オフロードであろうと、それは変わりません。タイヤが接地していなければ、いかに優れた制御をもっていたとしても、それをフルに活用することはできませんから。

ん? では、理想は? と、ボディを水平に保ったままに、サスペンションだけを自在に伸ばし路面を捉えること。そうすることで走破性を失うことなく、安心して、安全に走破することができるものです。写真は、長年乗っていたグランドチェロキーで不整地に入った時のものですが、これ、普通です。改造やらしていません。ノーマルのままで、こうなります。タイヤがここぞとばかりにホイールハウジングに食い込み、その逆は外れるんじゃないかと思えるほどにサスペンションを伸ばして路面を捉えようとする。オフロード性能ってのは、ボディクリアランスだけで語れるものではありません。といいますか、むしろ語れません。 2世代目までのグランドチェロキーは、ジープのフラッグシップモデルでありながらそのあたりをしっかりと優先した作り込みをしていました。それゆえに、上がりのクルマと崇めて(!)いたのですけどね。上がる前に乗ってしまいましたが……。

そうそう、いちばん上の写真は、新型ラングラー取材時のもの。車両は、タイガーオートさん所有の新型ラングラールビコン(USモデル)に、少々の手を入れたもの。そもそも、このルビコンは、さらにオフロード走破性を特化させたモデルですが、新型ラングラーそのものがですね、サスペンションがさらにしなやかに動くようになっておりまして、オフロードでの接地感がすこぶる良く、モーグル地形をグリグリ走るのが、気持ちいいのなんのって感じでした。天晴れです、天晴れ。