#1565 個人的には、ベストV90だと感じた、ボルボV90 T-5 Momentum。

 2018年次RJCカー オブ ザ イヤー決定の話は、#1564にてしましたが、振り返ってみると、今回、インポート部門でトップとなったV90/V90クロスカントリーの話って、北海道取材の話で止まっているような気がします。ついでに新型XC60も。
 というわけで、RJCカー オブ ザ イヤーインポートの座に輝いたV90シリーズの総評を。えっとですね、北海道取材ではV90クロスカントリーだけを記事として採り上げていましたが、V90のT-6 Inscription(2017年モデル)にも試乗しています。ところがですね、これ、印象はあまり良くありませんでした。最初の試乗会でも気付いてはいましたが、20インチというタイヤサイズの行き過ぎがあり、これが走行距離が伸びるほどに、ステアリングを握るほどに、そのバランスにボルボらしさが欠けていると感じましてね。たんに乗り心地に硬さを与えているだけではなく、シャシーのしなやかさを邪魔し、ボルボの骨頂である安心感を削いでいる、そんな印象を受けていました。
 ですが、ボルボ・カー・ジャパンもそれに気付いており、現在販売されている2018年モデルでは19インチへと変更し、シャシーがさらに調えられたことも相まって、最新モデルではボルボらしい乗り味を語ることができるようになっています。ま、こういうことは怏々にしてありますし、って、輸入車では翌年モデルでアナウンスなきままにガラリと変わっていることが多々ありますので、云々。
 で、話は写真のV90 T-5 Momentum(RJCカー オブ ザ イヤー最終選考会にて撮影)。日本でのラインナップの中ではボトムに位置したグレード(669万円)になります。あのですね、ボルボの新規プラットフォームってのは、PHVであるT-8のような最新技術全部盛りを想定していることもよく分かっていますし、そこに美点があることも分かっています。いますが、ボルボたる乗り味がしっかりと息づいているのは、やはりこのV90 T-5 Momentumだと感じました。とにもかくにもしなやかで、必要にして十二分のパワーと、FFたる軽快感も相まって、心のゆとりを引き出してくれる緩さにあふれています。19インチタイヤを採用していながら、フラット感に長けていて、ハンドリングも含めて、これがいい、を感じさせてくれます。先進安全技術も、上級グレードと違いはないですし、そう、これでいい、ではなく、これがいいがありました。ですので、従来のV70のハイパフォーマンスモデル以外を好んでいたファンには、これなら納得できる、と思います。ま、ボディサイズや価格はさておき。逆にいえば、輸入車のほかのブランドを乗り継いで来た方や、スポーティさにこだわる方は、T-6なり、T-8を選べば、満足できる、と。
 ま、そんな作り分けにも少々感激したのでした。クロスカントリーについては、#1536に書いたとおり……、って、そこには2017年モデルのT-6 Inscriptionについても書いてありました。なんかね、忘れっぽいんですね、最近、あれこれと。

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