#1283 まさにスバルらしい正常進化を果たしていた、大改良版フォレスター。

 そして、フォレスターです。やはり、#1259で書きましたが、先の試乗会は、XVと同じようにクローズドコースでしたから、一般道におけるフィーリングが気になっておりました。結論を言ってしまいますと、良かった。ちゃんと仕立てられていた。いやいや、好印象でした。先にも書きましたように、余計な動きをしなくなったというと、あれか、えっと、クルマの楽しさに必要な要素を厳選して作り上げていたシャシー性能とでもいいましょうか。えっと、余分なところを削ぎ落としつつ、SUVらしさを残していた、と表現すれば分かりやすいでしょうか。言い換えると、素直さが極められたって感じか。試乗したのは、NAモデルです。
 たとえば……、ステアリング。ギア比をクイックにしたというものの、それはスポーティさを狙ったというよりは、より素直さを感じ取れるようになったシャシーに見合ったもの。つまり、以前のままにクイックにしていたら、頭だけ妙にひょこひょこと動き、また、それを助長するフィーリングになっていたと思いますが、今回は、サッと動くようになった分、ステアリングもそれに合わせてスッスッとした動きに仕立てた、なんていう、幼稚な表現を使うと分かりやすいでしょうかね。あれです、ステアリングの切り足し→ヨー発生→ロールへの移行が自然になり、そこにおけるタイムラグが小さくなった分に、ギアレシオも合わせました(対応させました)といった感じ。それはステアリングフィールに、意図的にスポーティを狙ったような嫌みがなく、日常においては、素直さがもたらす扱いやすさを得たとでも言いましょうか、そんな印象を受けました。
 あとは、なんだっけか。そうそう、今回は、吉田テストコースたるラフロードを走ってきましたが、路面トレース性の高さによって、フラットかつグリップ感がありました。これは、クローズドコース試乗記でも書いたフィーリング同様とでもいいましょうかね。そうなんですね、仕立てのいいサスペンションってのは、オンでもオフでも対応できるもんなんです。ただですね、凹凸がかなり大きくなるような極端なシーンでは、そもそもバネレートが高い分、オフローダー的なストローク量を持っていない分、硬さが出てきますし、フラット感を失うこともあります。まぁ、トレースしきれないような速度域までは試していませんので、分かりませんが。と言いつつ、ほら、凹凸がかなり大きくなるところの話ですから、そういうところは速度を落とすものですし、云々。
 X-MODEについては、、そもそもオフローダーに乗る者として過度な期待はしていません。ただ、今回、ほほぅと感心したのは、ヒルディセントコントロール機能。勾配のある下りが続く林道では、こりゃラクチンだわ、いやいや、つまりは万人において安心感を覚えるなといった印象を受けました。ペダルコントロールで速度を選べますし、だいたいにおいて作動速度を20km/h上限としているところも、まぁ、万人向けでとってもよろしいか、と。
 というわけで、またも、同じ言葉を使いますが、いいんじゃないでしょうか。大改良を受けたフォレスター。強いていうならば、シャシーのポテンシャルを、速度域が高いところだけではなく、日常速度域でも強く感じさせてくれるといいのにな、といった程度でしょうかね。ある意味、日産と似たところに、課題があるように思いました。

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