#1075 雪が降るとクルマで出かけたくなる、その理由のあれやこれや。

 雪が降りました。降りましたから、出かけました。わざわざ。周囲では、わりと、この点に関しては同じ意見というか、同じ行動をする人たちばかりなのですが、中には、雪が降ったから出かけないと宣言する強者もいます。ってか、そっちが一般なのか。
 その理由を問うと、彼らは滑ったら怖いからと言います。当たり前ですな、当たり前。自分だって滑ったら怖い。だから、タイヤがグリップを失うようなシーンへとわざわざ出かけることに意味を見いだせない、と。まぁ、それも当たり前のこと。分かります。
 しかし、グリップを失う(大げさに挙動を見出すことではなく)ことを知っておくことも、実は、クルマとの付き合いにおいては大切なこと。クルマってのは完璧ではありません。路面μが低ければタイヤはグリップを失ってしまうものであり、それを体験しておくことで、いざという時、どうすればいいかをあらかじめ知っておくことができます。さらに、最近のクルマには滑らない、自動車雑誌的な表現をすれば"乱れた挙動を安定方向へと導く"制御が加えられており、それを体感しておくこともプラスになります。もちろん、雪道を走るには、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンが前提で、いくら4WDでもノーマルタイヤで出かけるのはご法度。わざわざ、雪道でドリフトして、周囲に迷惑をかけなさいと言っているわけでもありません。
 クルマってのは、便利な道具であることは事実ですが、その先には、愉しさへと誘ってくれるという相棒たる存在であることも、また事実。そして、その可能性というか素性をいかにして引き出すか、そしてどういう付き合い方をするかは、オーナーのスタンス次第。……、なんだか、雪が降ると、毎回毎回、同じことを書いているような気がしますな。
 ちなみに、写真は我が家の近くの坂道。その勾配は少々きつく、路面が凍結した日には今のタイヤ(スタッドレスではなく、いわゆる欧州のスノータイヤ)ではまったくもって走りたくないシーン。でも、雪が降ると、勇んで出かけたくなる、そんな坂道。足で雪を踏みしめるあの愉しい感覚は、クルマでも同じこと。
 そうそう、うちのグランドチェロキーは普段はFR寄り配分でリアがグリップを失うと油圧ポンプを介してトランスファーでの前後配分を50:50へと導きますが、はっきり言ってレスポンスは遅いですし、左右輪での回転差に対しては前後それぞれに配置されたデフロックが働くもので、かなり緊張します。でも、そういう素性を再認識させてくれるんですね、雪道ってのは。そんな対話を愉しみたく、雪景色を目にしたくて、雪が降るとクルマで出かけているのです。

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