#883 新型となったシボレー・タホの、らしさを見失わない天晴れなスタンス。

 フルモデルチェンジを果たしたシボレー・タホに試乗する機会をいただきました。ムービーの仕事でしたのでアップされたらまた報告しますが、まずはファーストインプレッションをちょろっと。
 少し前のアメリカ車は、その好き嫌いはさておき、らしさを見失っていたように思います。そう、あえて選ぶ理由が見当たらないって観点から。それは、GM、フォード、クライスラーすべてに言えること。ま、個々のモデルの中には、らしさがあったモデルもありますが、全般的にはあえて選ぶ理由は薄かったかなと。厳しい表現ですけどもね。
 で、最新型のタホですな。まぁ、フルサイズという時点で、アメ車らしさが存分にあるモデルですが、最新モデルは、タホらしさを残したままに、質感を大きく高めるというブラッシュアップを果たしてきました。簡潔に言ってしまうと、ヨーロッパのアッパークラスSUVと肩を並べられる内容へと仕立ててきたと。装備内容、そして、作り込みに通じる質感はかなりのもの。というか、振り返ってみると、タホってカジュアルテイストをウリにしたモデルだった気がするのですが、新型にそのイメージはありませぬ。その分、価格も大きく上昇しているようで、もはや、かつてのキャデラックエスカレードのポジションに到達していました。って、エスカレードはもっと上へとスイッチしましたが。
 でも、乗り味はタホで、ストローク感を大切にしたゆったり感にあふれています。ただし、その動きから緩さを完全に取り除いていまして、減衰が消え去るところでのあのフワッとした動きが消え去っています。ロールも剛性を的確にコントロールしていまして、ドライビングになれない人が不安に感じるあのテイストは見当たりません。V8/5.3Lは静粛性を含めて、ジェントルテイストを高めていまして……、あれこれすべてが高級車テイスト。
 自らの価値を見据え、さらにターゲットをしっかりと見極めた、そんなモデルへと進化していました。好印象、好印象。個人的には、室内のアメ車の香りに、懐かしさを感じました。アメリカで、新車に乗った時の風景のあれこれが蘇ってきましたっけね。

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