#749 ビートルカブリオレ50'sのハイバランスに打ちのめされた、ってな話。
#746にて書き尽くした感のあったビートル・カブリオレですけどね、乗れば乗るほど味が出てくるというか、返却したくなくなりました。当初は、週末にロングインプレッションを行う予定でしたが、飛び込みの原稿依頼があり、それほどの距離を乗ることはできませんでした。ただ、返却してみれば、それでもね、やっぱり、いいよね、って感じが強く残っています。走りについてはあれこれ書きましたので、ここでは違う観点から、その印象について書いてみましょうかね。
試乗したモデルは特別仕様車の50'sだったのですが、これがとてもとても好みでした。いや、1950年代のあれやこれやをモチーフにした仕様ですが、そもそも自分は50年代にこの世にいませんでしたから、このモデルと何かがリンクするってことではないのですが、センス的に好みでした。特に50''sが好きってわけではないのですけどね。まず、このクロのボディカラーにしてやられました。そもそも、クロ好きってのもあるのですが、メッキパーツとの組み合わせも秀逸ですし、何よりカブリオレってのがポイントでした。そして、赤とブラックのコンビネーションシートが、とても見合っている。<さらには、専用装備となる17インチホイールも好みでした。って、ビートル+ディープリムホイールというスタイルは、なぜかよくわからんのですが、嫌いではなかったりします。フェンダーのラインに見合っているからなのかな。と思っていたら、屋根付きモデルにも特別仕様車3モデルが発表され、その中に、ブラック+ブラック&レッドシート(ただしファブリック)のビター(写真左)というモデルがありまして、そのテイストがまさにこの50'sに通じていました。でもね、似ているんですけどね、違うんです。自分の中では、違う。その理由は、ファブリックシートだからではなくって、カブリオレではないから。たったそれだけなのですが、違うのです。ビートルとは、ボディが違うだけで、ボディカラーが異なるだけで、そのバランスが大きく変わってしまう、そんなモデルなのです。
ま、新たに追加された特別仕様車は、スペシャルモデルというよりは、屋根付きモデルにある2グレードの中間的なポジションとなる内容&価格とですから、その存在は大歓迎です。ただ、50'sの良さに浸ってしまうと、知ってしまうと、なんかね、って思ってしまうのです。あれでしょうね、パッケージとしての完成度とも言えましょうか。この装備があってこそ、このクルマは成立する、そんなバランスとセンスですな。