#597 それは突然なことではなく、実は自然なことだった、計画性のある放浪。

 ここのところ、思い立ったようにあちこちへ出かけていますが、そこにこれといった意図はなく、単純に、八ヶ岳から帰る際に、あのド渋滞にはまりたくないがゆえに下り方向へと走って、帰京を平日へと先延ばしているだけのこと。ですから、その行き先にこれといった計画性はなく、ただただ、勘に頼って気が向くままに走っています。結果、充足感はとても高くてですね、まぁ、自分なりのそんな“勘”にも、時折感心したりもしますが、まぁ、とにもかくにも愉しいことだけは確かですな。
 こういった特に目的地を定めることなく、あてはなんとなくありながらも、あてもなくさまよう、つまり計画性のある放浪は、振り返ってみると、以前はよくしていました。そして、その計画性のなさと唐突な行動は、今よりも、もっとざっくばらんだった気がします。しかし、今も昔も変わらないのは、道中を愉しみ、人と親しみ、場に浸る。それは、出会いとか、交流とか、一期一会とか、そんなたいそうなレベルの話ではなく、単に発見を愉しんでいるとでも表現しましょうかね、そんなごくごく単純なものだったりします。
 そして、こういった楽しみ方をしていると、その楽しみ方に気がつくと、すべてがプラス方向へとコロコロと転がり始め、それに逆らうことなく身をゆだねていると、モノゴトの見方や、出会いやらが広がっていくようになります。それは加速的になって、しまいには一気にバーン! といった感じに。不思議なものです。まぁ、こういったことは過去に幾度か体験してはいたものの、最近は何かがつっかえ棒になっていて、その転がりが緩やかになっていたり、転がり初めては止まってを繰り返していることも意識していました。たぶん、自分で止めていたんでしょうね。今回の場合、何がきっかけだったかはよく分からないんですが、つっかえ棒がコトンと外れたようです。まぁ、そういう時機が来ただけのことなんでしょうね、そういう時機が。たぶん。
 で、ここに飾った写真は、今回の放浪にて、心に残ったシーンのあれこれ。一部ではありますが、こうして並べてみると多彩なシーンを巡ってきたんだなと思いつつも、まぁ、計画をたてず、目の前にあるおもしろそうなことに手を出すという、この連続的に何かを引き出すスタンスというか、行動に、らしいなぁと自身を分析したりもしましたが。
 なんてことを考えていたら、今回の放浪は、最後のシトロエンの試乗会に、あれこれが帰結しているような気がしました。いや、シトロエンのスタンスやらコンセプトやブランド性が、まとめに通じていたというのではなく、試乗会へとたどり着くまでに思い出した考え方やら感情やらスタンスやらが、つまり、感性的なものが、クルマを、シトロエンをさらに深く理解させてくれた、と、でもいいましょうか。
 ですから、今回も、知り合えた人たちと、出会えたシーンと、思い起こさせてくれたあれこれに、多謝。そう、これこそがいちばん大切なことのような気がします。素直さと、謙虚さと、感謝の気持ち、ですな。

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