#541 真価を感じ取れると、その日常も許せてしまう、V40 R-Design。

 考えてみたら、奥多摩を訪れるのは久しぶりだったような気がします。以前、川崎市北部に住んでいた頃は、キャンプやら、中央道(上り)渋滞からの迂回路として、または雪が降ると喜び勇んで出かけた地でした。いつしか足が遠のいていたのは、住まいが都内東側に移ったから。って、そりゃそうです、高速を降りてすぐとはいかず、青梅からでも、上野原からでも、さらなるアクセスが必要で、気軽には足を運ぶ気にならなかったものですから。
 久しぶりに走った奥多摩は、あれやこれや変わっていなかったような気がしますが、あれやこれやは忘れていた。コーナーの先だったり、交差点の様子だったり。ただ、ひとつだけ大きく変わっていたのは、当時は建設中だったダムが完成していたこと。ダム建設ってのは24時間続けられているものなのか、それとも作業をしていなくても照明を消さないものなのか、よくわかりませんが、あの当時、夜のダム建設現場をよく見に行っていました。建設中の現場はだだっ広いだけではなく、強い照明に照らされて、とっても不思議な雰囲気が広がっていまして……。もちろん、そんな風景を眺めているのは、いつも自分ひとりでしたが。
 と、前置きが長くなった。今日はV40 R-Designで走ってきました。あれです18インチタイヤとスポーツサスで締め上げたハイパフォーマンスモデルです。ところがですね、ボルボカーズのオフィスから借り出した直後、箱根で試乗した時の感激はすっかり消えてしまい、こんなにドタバタしたっけか? といわんばかりの乗り味に、おや? を感じました。いや、素性は悪くない。でも、行きすぎかな、って。ところが、今日、奥多摩を走って、気づいた。そうでしたっけ、Gを感じるドライビングで真価が現れるんでしたっけ、このモデルは。というわけで、印象は好転し、いやー、いい。とてもいい。ワインディングでは、素直なハンドリングが好印象で、そのままにアクセルを開けていっても、粘る粘る、踏ん張る踏ん張る。エンジンもいうまでもなく、高回転はもちろん、中回転域のトルクが太く、レスポンスが鋭いので、気持ちいいのなんのって、ひたすらに、いやはや。で、ブレーキは効くし、コントロールしやすい。タイヤは接地感にあふれ、滑らかにトレースしていくシャシーとのバランスも、もはや、いやはやなハイレベル。なんですかね、このクルマは、ってくらいに、気持ちよさと愉しさにあふれてました。
 が、しかし。下界へ戻ってくれば、ちょっと路面が荒れたシーンにて、ドタン! バタン!。でも、奥多摩後は、そんな乗り味もすっかり許せるようになっていました。これですな、これ。

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