#517 まさにGT、いやはやGTだった、BMW3シリーズグランツーリスモ。

 さて、期待のBMW3シリーズグランツーリスモです。本日の試乗会へはまさに意気揚揚と出かけてきました。小雨が降る中。で、いきなり結論。たかがリアシート膝前スペース7cmストレッチといいつつも、それ以上の快適さを感じつつ、19インチはちょっと見合わないって、ところでしょうか。このグランツーリスモは、3シリーズのセダン、ツーリングのウィークポイントを、リムジンベースとしたことで見事に解決しています。それはリアシートとラゲッジスペースになるのですが、特にリアシートでは、ストレッチされた分以上の快適性を手に入れています。つまり、ゆとりがもたらす、ゆったり感、居心地の良さとでも表現しましょうかね。
 まさに、アッパークラス感が仕立てられていると言えますし、そこに3シリーズのセダンとツーリング以上を感じ取ることができます。たぶん、5シリーズに似たテイストといっても過言ではないかと思います。いや、同時に比較していないから、ちょっと怪しいところもありますが。そして、ヒップポイントが高いので、乗り降りしやすい。ただし、ホイールハウジングが少々ワイドであり、乗降の際に腿がボディに触れるという点はマイナスではありますけども。あと、ヘッドクリアランスについては、髪の毛をツンツンと立てていると、ルーフに触れてちょっと気になるかなといったところ。故に、座高がある方は云々かと。いずれにしても、このモデルのアドバンテージには、想像以上の心地よさがあふれていることだけは確かです。
 で、19インチの話。タイヤサイズは、標準グレードは17インチ、トリムレベルが変わると18インチとなり、Mスポーツで19インチという設定。今回の試乗会で用意されていた車両が装着していたのは、Mスポーツ以外のモデルで、すべてオプションとなる19インチ。つまり、標準サスペンションに対して、2サイズ上を組み合わせていました。だけじゃなかった。例のごとく、リアが255サイズでした。5シリーズでは、この組み合わせでも難なく押さえ込んでいましたが、3シリーズのシャシーですと、少し無理を感じるシーンがありました。路面が少々荒れたシーンでは、バタバタが顔を出し、特に、このモデルに肝心なリアシートでの乗り心地ではフラット感を見失いがちとなります。つまり、コンフォートライドを見失うといった感があります。そう、路面がフラットなところでは問題ないんですが。まぁ、225に対して、255ですから致し方ありません。しかも40扁平と考えると、よく押さえ込んでいるなと感心しきり。ただ、これもMスポーツになると、うまく押さえ込んでいると推測されますから、やっぱり、ノーマルサスに対しての行き過ぎ感があると思います。
 と、書きましたけど、BMWは、グランドツーリング性能とは、どうあるべきか、どういうものなのか、をしっかりと理解し、そして表現していることを、改めて強く感じました。それは、3シリーズのアクティブハイブリッドに表現されていたあの感覚に似ています。いや、パワー感やらは違いますけど。
 というわけで、3シリーズ以上5シリーズ未満、もしくはセダン以上ツーリング未満を求める方には、とてもおすすめかと。試乗していませんが、18インチ、もしくは17インチならなおさら。ただ、キャラクターを考えると、ますますディーゼルとの組み合わせが理想だなや、とも感じましたっけ。

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