#489 期待感とは異なる違和感を覚えた、締め上げられたV40クロスカントリー。

 ボルボV40に、3つ目のモデルとなるクロスカントリーが発表されました。プレス向け試乗会(写真は浅間山)は連休前に終了しており、記事解禁となりましたのであれこれと思うことを。V40はスタンダードモデルにクルマとしての基本をまじめに表現(#438)し、そこに尖ったスポーティ性能を表現したR-Designというラインを作り上げてました(#484)。
 と、ここまでは、好印象でしたから、それに続く、クロスカントリーには、それらにはないSUVテイストを表現した、と思っていたのですが、そんなことはなかった。つまり、期待と違っていたと。まぁ、ひと言でいえば、ゆったりとした乗り味が見当たらなかった。緩さがなかったのではなく、締め上げられていたといえばわかりやすいかと。クルマとしては破綻していないのですが、クロスカントリーというサブネームへの期待感とは異なる、スポーティテイストが強く表現されており、あれ? を覚えたのです。
 リフトアップさせた分、締めたくなるのは分かりますが、そこまでストローク感やロール感を嫌わなければならない理由も、よく分かりません。というわけで、クルマは悪くないのですが、期待感が異なりますから、このV40クロスカントリーについては、そこが要注意でしょうかね。ちなみに、他国仕様に存在する16インチ仕様が、実はベストバランスではないかと思ったりもしますが。17インチの225サイズに対して、205ですし。でも、R-Designは、他国ではスタンダードではない18インチなのに、あれだけまとまっていますから……、云々。
 クルマの話はさておき、今回はV40の取りまとめを行ったHAKAN ABRAHAMSSON氏が会場にいらしていたのですが、ここぞとばかりに捕まえて、あれやこれやと話を聞いたのですが、これがおもしろかった。やはり、ボルボとは、よくわからないけど、心地いいという、北欧テイストがあふれていることを確認しました。わかりやすいギミック満載の日本車とは異なるアプローチとでも言いましょうかね。

 そうそう、850T-5Rに採用された5本スポークホイールは、モデラー制作現場に落ちていた、鉄板の端切れを張り付けるように組み合わせてみたら、意外に評価が高く、採用となったそうです。つまり、それまでデザイナーが賢明に描いた案は、あっけなくボツになったそうで。ってな、裏話やらも教えてくださいまして、有意義な試乗会となりましたが、やはり強く思うのは、まともに英語で会話できたらば、ということでした。いやはや。

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