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#1308 メルセデス・ベンツ Vクラスに残っていた、ドライビングの愉しさ。

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 メルセデス・ベンツGLEについて気になったことを書きましたが、特にメルセデス・ベンツが嫌いってわけれはありません。昨今のデザインは別にして、クルマとして、ブランドとして、むしろ好きなほうで、ベタ褒めすることも多々。ただ、本国が作り上げたバランスを崩すような仕立てはいかがと思うわけで……。  というわけで、メルセデス・ベンツのVクラス。ようやく日本に導入されたと思えば、全グレードでディーゼルエンジン搭載とは、なかなか分かっていますな。で、乗る前に聞こえてきたのはかなり乗用車的になったってことでした。ですから、そういう観点から試乗したわけですが、これが、思っていたほど乗用車していなくて……、とってもとっても好印象。表現は端的すぎますが、ドライバーのドライビングスタイルによって快適性を作り上げるという、まさに大型バス的。たとえば、ブレーキ。効くんですよ、とっても効くんです。不足はないんです。でも、ストローク量が大きい。コントロールの幅がありまして、ちなみに、踏力もちょいと必要でして、まさにコントロールしやすさがそこにはあります。もう、うっとり。  乗り味も、オプションとなる19インチタイヤをはいていた分、硬さはありましたが、そもそものしなやかさがしっかりと感じられて、これもまた好印象。いやー、いいね、いいね、と思って、セカンドシートに座ったり、サードシートに座ったりしていたら、パネル剥き出し部分を見つけたり、何かおかしいと思っていたセンターコンソールが実は後付けだったり。そうなんですね、いくら隠そうとも、素性は隠せずといった感じでした。  ま、日本人が期待するメルセデス・ベンツ像とは違うんでしょうけど、個人的には天晴れ。あ、あれです、バネオが登場した時に感じた、これで十分、これがいい、が、このVクラスにはあります。そういった見方をすると、まさにレアなメルセデス・ベンツと言えましょうかね。というか、これ16インチ仕様、かなりバランスがいいと推測されます。はい。

#1307 プラットフォームは同じなのに、違いを感じたグランドチェロキーとGLE。

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 さて、そのグランドチェロキーですが、試乗したのはV8/5.7Lエンジンを搭載したサミット。いまさら、5.7Lが必要なのかとも思いつつ試乗したら、これが良かった。というか、グランドチェロキーそのものがいいんですが、このV8エンジンも随分と改良されていて、パンチよりもゆとりを上手く作り上げていてとてもいい。まぁ、その分、燃費が悪いからと計測してみれば、有料道路まったりスピードで、なんと11km/Lオーバー。えっと、その、乗っていたV8/4.7Lとほぼ同じか、それよりもいいんですが……。排気量が大きいだけではなく、重量は重くなっているんですけどね。実はこのV8/5.7Lエンジンに対しては、キャラクターがないというか、つかみ所がないといいましょうか、デビュー時から印象があまりありませんでした。というか、やっぱり、V8/4.7Lが良くできてすぎていたものですから。でも、ちょっと印象変わりましたな、これは。  もちろん、乗り味もとてもいい。20インチタイヤをはきながら、硬さを伝えてこないし、なによりもストローク感を上手く乗り味に生かしつつ、フラットライド感を提供するという、バランス感にあふれています。やっぱりね、最新型グランドチェロキーはいいですな。  というわけで、プラットフォームを共通とするメルセデス・ベンツGLEにも試乗。Mクラスから名称変更したついでにどこまで変わったのかが、要チェックポイントでしたが……、これが印象が良くなかった。いや、クルマとしての仕上がりは、メルセデス・ベンツを感じるのですが、シャシーの動きがおかしい。と思って確認すると、オプションとなる20インチをはいておりました。これが、サスペンションとセットならばいいんですが、どうやらタイヤサイズだけを変えておりまして。  いや、ディーゼルエンジンにしても、とってもいいですよ。とってもいいんですが、この組み合わせが全てをマイナスへと導いている印象がありました。もったいない、ひたすらに、もったいない。ま、解決策は簡単。このタイヤでセッティングしたサスペンションを組み合わせるだけのこと。それか、ノーマルサイズのまま乗ることでしょうか。それにしても、もったいなかった……。

#1306 天晴れだったアウディA1 1.0と、おや? を感じたMINI 5door ONE。

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 さてと、JAIA試乗会がありました。今年も、10台以上に乗ってきましたが、って、先に書いた208は、そのうちの1台。というわけで、残りについて、あれこれと感じたことを書いておきましょうかね。  まずは、アウディのA1から。あれです、1.0 TFSI。249万円というプライスなりの価値がどこまで表現されているか、ポロブルーモーションとの違いがどこまであるかを探るべく……。って、これが良かった。アウディ流のコンフォート感をしっかりと確保しながら、さらに3気筒たるウィークポイントを感じさせず、アイドリングストップとの協調も不足なく。というか、安い。消費税別かと思ったら、込みですから、ちょっと驚きました。結果としてスポーティ、これで十分、むしろ、これがいいという理由が多くあります。ま、ディスプレイ表示が世代を感じさせるとか、あれこれありますが、クルマとしてのバランスに、さすがアウディを感じました。  さて、 #1223 で書きました、MINI 5door ONEも再確認とばかりに試乗しましたが、印象はあの時と変わることなく。ただ、この前後にあれこれと試乗していたことから、ついついあれこれを比較してしまったのですが、もう少し軽快感と質感が欲しいなと思ってしまったのも、また、事実。ま、ダイナミックダンパーコントロールを加えれば質感までも変わりますし、 MINIドライビングモードを加えたら愉しさもアップしますから、それだけかなと思いつつも、どこか物足りない気も覚えました。なんでしょうね、これ。と思って、直前に乗ったクルマをチェックしたら、グランドチェロキーのサミット。そうなんですね、ワインの試飲と一緒。って、ワインじゃなくてもいいんですが、リセットしたつもりでいても、直前の印象ってのがどこかで残っているもので……。

#1305 ヨシダイチオシを覆すかと一瞬思った、プジョー208(1.2Lターボ)。

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 新年早々に、イチオシに変わりないと書きました、ルノー・ルーテシア・ゼン・MTのポジションを、揺るがすクルマに出会いました。いや、実は208XYがイチオシだったんですけど、販売を終えていたもので……。で、話を戻しまして、そのクルマとは、改良された208でした(試乗したのはAllure Cielo Package)。そう、1.6Lターボではなく、1.2Lターボを搭載したスタンダードグレードのほう。  簡単にいいますとね、今回の改良で、目指していたチューニングを極めましたってだけとも言えるんですが、とにかくバランスがいいのですよ。これぞ、改良といった感にあふれていまして。先に208XYがいいと書いたとおり、個人的に208に対する評価は高かった。で、今回の改良で、1.2Lターボのトルク表現方法と、6ATのギア比とのマッチングの良さと、ステアリング操作とクルマの挙動と、……、もう、すべてがとにもかくにもいい。で、結果、速いし、何よりも、愉しい。いうまでもなく、乗り心地に不足なく。なんですか、これは? と思って、タイヤの銘柄をチェックすれば、ミシュランのエナジーセイバー。やっぱりね。最近、多いんです、タイヤの銘柄を言い当てられないことが。それって、タイヤのキャラクターが薄くなっているのではなく、タイヤのキャラクターが分かりづらいシャシーが多い……、って、言い訳か、ま、いいや、えっと、この208は、エナジーセイバーであることがつぶさに分かるシャシーに仕立ててあります。タイヤに頼っているんじゃなくって、タイヤの性能を感じ取りやすいシャシーにしてある、つまりは、シャシー性能がとんでもなくいいってことの表れでもあるんですけどね。いやはや、天晴れ、天晴れ。ちなみに、エナジーセイバーは、イチオシタイヤだったりします。いや、どのクルマにも合うって言っているんじゃありませんよ。  ま、5ドアってことはさておき、試乗したAllure Cielo Packageは、大型ガラスルーフが付いていますから、これもヨシダ的には、高評価ポイント。ただ、そうなんです、ATってところが、残念。いや、今度の6ATはとってもいいんですよ、すごくいいんですよ、でも、昨今、改めてMTらしさを再認識したこともあって、自分好みのトランスミッションではない。といいますか、この1.2LターボとMTの組み合わせで乗ってみ

#1304 ひたすらに残念でしかたない、フォードの日本市場からの撤退。

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 突然に飛び込んできた、フォードの日本市場からの撤退については、まぁ、もちろん驚きましたが、それ以上に寂しさを感じました。それはインポーターが減ることよりも、日本でフォードのクルマに乗れなくなることに対してでした。ここを見ている方はお気付きのとおり、フォードのモデル大好きです、ワタクシ。贔屓しているわけではなく、事実クルマがいいという理由から。   最新のエコスポーツもフィエスタもマスタングも、そして、エクスプローラーもクーガもとってもいいんですが、クルマについてのあれこれ書く者として、そして、クルマ好きとして、強く強く印象に残っているのは、写真のフォーカスST(オレンジ)と、フォーカスC-MAX(ブルー)。スポーツカーとモノスペースという違いはありますけど、そこに表現されていたクルマとはこうあるべき姿が強く表現されており、強烈なショックを受けたことを今でもはっきりと覚えています。   フォーカスSTなんて、なんでしょうかね、エンジンとシャシーのフィーリングを感じ取る前に、つまりクルマが動き出す前から、あのシートポジションと、あのシートに打ちのめされました。サポート性とはこうやって作るもんだと言わんばかりのシートデザイン、クルマをコントロールするにはこういうポジションが理想なんだといわんばかりの仕立て。あれはフリーになってから、なんとなく自分の中でのスタンダード、ベンチマークがおぼろげに見えてきた頃でしたが、さらなる高み(理想)を知って、再リセットをかけざるを得なくなりました。まさに、自分が再構成されたって感じで、今の自分の根幹があるといいましょうか、ま、それほどのショックを受けました。  右のC-MAXなんて、モノスペースでしょ? と思われるかもしれませんけど、パッケージングを変えようとも、ステアリングとタイヤが直結しているフィーリングが強く打ち出されていまして……。って、ふとフロアを見たら、ステアリングからリンク、シャフト、その先に繋がるタイヤが透けて見えるかのような、まさに透視図を見ているかのようで、そりゃー驚きましたさ。あ、オンセンターは曖昧さがありますよ。ありますけどね、オンセンターフィールにおいて大切なのは曖昧さを消し去ることだけではないってことも、あの時に学びました。はい。 その上で、トルクの豊かさを前面に打ち出した2.0Lエンジンの仕立ての良

#1303 レネゲードの中でも、特別感を上手く演出していたトレイルホーク。

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 先日、延期となったジープ・レネゲードの取材へと出掛けてきました。ただ、前回はノーマルタイヤだったのですが、改めて借り出したら、スタッドレスタイヤをはいていました。ま、雪も降ることないだろうと思ったら、借り出したその日に積雪の予報。今年は、降雪のタイミングに翻弄されている気がします。  さて、そのレネゲードですが、スタッドレスタイヤのおかげで、路面からの入力に対して、最初のあたりが随分と柔らかくなっていました。昨今のスタッドレスタイヤは、ケース剛性をそこそこに確保しつつ、コーナーではブロックのよれを感じさせないという、理想の仕立てがあります。つまりですね、好印象。ま、グリップを期待した走りには対応できませんけども、普通に使っている分にはなんら不足を覚えません(ウェットは別でしょうけど)。で、このスタッドレスとの組み合わせであらためて感じたのは、レネゲードの中でも、このトレイルホークは、ストローク量を使い切ることなくあえて剛性感をキープしたというシャシーセッティングを、上手くコンフォートへと導いていたことでした。  そう考えると、ノーマルタイヤで感じた硬さも気にならないレベルと思えるようになりました。つまり、トレイルホークゆえの硬さをどう捉えるかでしょうけど、個人的にはこんなもんでしょうと、これでいいんじゃないでしょうかへと結論付けられました。好みでいえばストローク感をもっと出したほうがジープらしいと思いますが、ま、それは安易に揺れると評されてしまいますから、分かりやすさという意味合い、コンパクトジープとしては、これがベターなんだと思います。  取材では400kmほど乗ったのかな。改めて感じたのは、燃費が期待ほど伸びてくれなかったこと。ま、取材という悪条件もあってのことですが、高速道路走行を交えながらも11km/Lに止まったことは少々残念でした(訂正:勘違いから当初10km/Lに満たないと表記)。さらには、ちょっと価格が高いことも残念。ま、為替レートの兼ね合いもあるんでしょうけども。ジープってのは、オモシロイ、愉しい、だけではなく、そもそもリーズナブルという上に、内容に惚れると、さらにいい買い物をした感に浸れるのも、また魅力だったはず。そう考えると、FFで297万円〜というプライスにライト感はないようにも感じるのですけどね。って、昔の円高時代を知っているからなん

#1302 三菱自動車の雪上試乗会で感じた、4WDシステムのあれこれ。

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 北海道へと出掛けてきました。でも、北海道の地にいたのは約24時間ほど。ま、この時期多いんです、雪上試乗会やら、来シーズン用のスタッドレスタイヤチェックで。今回は、三菱自動車の雪上試乗会がありました。三菱自動車の4WDといえばパジェロが思い浮かぶかもしれませんが、現在では、FFベースのアウトランダーやデリカD:5、さらには、フロント、リアを独立したモーターで駆動した4WDシステムをもつアウトランダーPHEVなど、幅広いラインナップを持っています。  その最新を体感し、違いを理解することにテーマがあったわけですが……、ま、その詳細については、後日アップされる4x4マガジンの記事をご覧いただくとして……、ステアリングの操舵感から操作性、さらにはリアのグリップ感からトラクションまで、ここまで、路面を意識せずにできるように仕立てられるんですね、と感心した一方、あまりにも意識せずに走れるフィーリングに何か違うを感じたのもまた事実でした。実は、たまたま試乗の順番はFFベースモデル→ラダーフレーム付きモデル、となったんですが、個人的には後車のほうが自分のアナログ的ドライビングには見合っていると感じました。いや、アウトランダー、スゴイんですよ、PHEVなんてさらにスゴイし、PHEVの先行開発車(にも試乗)なんて、もっともっと素晴らしい。でも、なにか物足りない。そうなんですね、コントロール性は高いんですが、自分には接地感が見えづらい。分かりづらいんじゃなくって、見えづらい。  では、ラダーフレームモデルはどうかといえば、コントロール性は高くはないんですが、ゆるゆる故に荷重移動させやすいし、接地感がダイレクトに伝わってくる。なので、飛ばさないし、タイヤを確実にグリップさせて走ろうとする。つまりですね、たとえば、コーナーを駆け抜けるスピードはFFモデルのほうが絶対的に速い。でも、それは誰でも速いというよりは、ハイレベルなテクニックを持った人が速く走れるといった感じ。これ、どれが正解ってのはないなぁと感じつつ、やっぱり、パートタイム4WD(センターデフロックできるシステム)に慣れ過ぎたがゆえであることに気付きましたが、なんだろうな、やっぱり、移動を作り出しやすい、感じさせやすいフィーリングも、それにプラスになっているような気がしました。つまり、最新のモデルといいましょうか、乗用車テイス