#1792 挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」に見た、間口を広げるという新たな手法。


 ここ数年、日常のあれこれに手助けが必要な方々への支援をしています。何をするんだ? と思われるかもしれませんが、たとえば、交通機関で切符の買い方に不慣れがあるならば、それをアシストします。こちらが切符を買ってしまうこともありますし、切符の買い方から手伝うことも、あります。こうしたやり取りは、利用者さんの意思を表現してもらって、ご自身で形成し、そして、実行に移すという、意思決定支援によってまとめられています。まぁ、そこにある意思表示やらの境は実に曖昧であり、グレーすぎるのもまた事実。具体的な例をいくつか提案して、その中から選んでもらう(意思を表示していただく)という、なんともアナログな手法も大切になっています。


 さて、前文が長くなりました。先日、東京国立博物館で開催されている 挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」へと出かけてきました。はにわ、かぁ、そういえば、小学校だか、中学校の時に、ちょっと調べてまとめたことがあったなぁ、とか、近所の古墳(特にロープも張られておらず自由に入れた)でちょっと掘ると土器の破片が出てきて集めていたなぁ、など、自分にとってはわりと身近な存在でした。ですので、なぜ、いまさらに、はにわをテーマにしたのだろうか、はたまた、それを東京国立博物館で開催するのだろう、と、? はありました。で、今回の展示は、歴史的な固さではなく、親しみやすさをとことん広げておりまして、たとえば、そのタイトルに、挂甲の武人 国宝指定50周年記念というサブキャッチをプラスしながら、メインビジュアルに挂甲の武人が使いつつ、むしろ「緩く」見えるところを強調。ポスターでは、ロゴ部分に、HANIWAといったローマ字、さらにはその文字色にピンクを用い、さらに図録の表紙も顔のアップを採用するなど、新しいアプローチがあちらこちらに見られました。結果として、来場者の世代も、高校生から高齢者まで幅広くなっていました。


 そのほか、博物館内ではハローキティ展も開催されており、当日は、あちらは40分待ちで、博物館前での当日券の発売を見合わしているほど。ハローキティを題材にすること自体に、前向きたる意欲を感じますし、来場してくださった方々には、東京国立博物館の存在そのものを知ってもらえますから、いいんじゃないかな、と思いました。ただ、博物館そのものへの入場も大混乱しており、やはりなぜに重ねて開催してしまうかなぁを感じつつ……。あ、でも、振り返ってみると、08年に開催された国宝 薬師寺展の時は90分待ちだった記憶もあります。あの時は、並んで待ったのか、はて、そんなことすら覚えておりませんが、館内は我先にという雑念が渦巻いており、なんだかなぁを感じて帰ってきたことだけはしっかりと覚えています。

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