#1791 これといった派手さはないけれど、生真面目なところがすごくいい、スズキ・フロンクス。
なんだかんだで記していない新型モデルがありました。まずは、スズキのフロンクス。あれです、インドにてジムニー(シエラ)の5ドアが発表になりました、ってリリースで、そこに同時に記載されていた新型モデル。これが実によく仕上がっていまして、もちろん、価格ありき、クラスありきって前提付きではありますが、すごくいい。
デザインは、欧州車ライクであり……、と思っていたら、欧州にしばしいらした方が国内へ戻ってきて、いきなり担当したとかで、このコンパクトカーでありながら、デザイン要素を整えて詰め込んでいる技にびっくり。フロントは、少々ごたごた感がありますが、リアはフェンダーラインのボリュームと、ルーフからのなだらかながら、急激に落ち込ませるという、5ドアハッチバック的ながらクーペっぽい、でも、SUVってなフォルムを作り上げていて、うっとりでした。
それでいながらフロンクスの全長は3995mm。あれ、ジムニーの5ドアも同じサイズじゃなかったっけか?、と思って伺ってみると、インドにおける税制ではそこに区分けがあるそうで。ですので、この全長は、いい面でも悪い面でもトピックになっています。なるほどね、ただまぁ、この全長だとキャビンに不足があるんだろうなぁ……、と思うと、それが見当たらない。リアシートでの居住性は、足下スペースはひざ前にゆとりが作られていますし、なによりも音、振動ともに意図的に抑えられています。そして、いちばん気になるルーフラインはキャビンにおいて乗員に圧迫感を与えておらず……、と、驚くことばかり。全幅は1765mmではありますが最小回転半径はコンパクトに4.8m。5ナンバーサイズに収めているロッキー/ライズの4.9mと比較すると、まさにアドバンテージ、となっています。ちなみに、フェリー乗車券では、全長4mに境がひとつあり、それゆえに学生時代は4m未満のモデルを探したものでした。
走りは、簡単に表現すると、生真面目でした。1.5LNAエンジンは、低回転域から高回転域まできれいに回るし、強烈なパンチはないけど、フラット感があって、扱いやすさがある。そこにCVTではなく、6速ATを組み合わせているので、操っている感にあふれていて、すごく愉しい。ハンドリングもまじめで、強烈なクイックさを感じさせないという美点をもちながら、コーナーではフロントのグリップ感をしっかりと確保して、リアタイヤをしっかりと路面に押し付け、グリップ力を使って、ぐいぐいとインをついていく。つまり、スポーツカー的といいましょうか、理想的なハンドリングを手に入れています。
そうなんですね、すべてにおいて、いいなぁ、を感じさせてくれました。ただ、こういった感覚って、普通のSUVユーザーにどこまで受けいられられるんだろうかと思ったものの、月1000台販売予定で1万台を超えているとか。この人気、はたしてどこまで続くのでしょうかね。興味津々です。