#1745 ふらり、能登へ。でも、1年ぶり。そして、来月も出掛けてきます、という話。


 振り返ってみたところ、2013年から石川県へと足繁く出掛けるようになっていました。きっかけは、知り合いが20年以上前に実家のある金沢氏へ帰ったため……、いや、違うな、これは金沢に通うようになった後だな。何をきっかけにしたかは忘れましたが、金沢へと出掛けるようになりました。あれ、ほんとうに何故だったんだろう、思い出せない……。ちなみに、金沢も能登半島も取材で訪れたことはありましたが、能登半島の奥深くまでは足を運んだことはありませんでした。やがてプライベートで金沢へ行く度に金沢を起点として能登半島を攻略しはじめ、先端にある珠洲市へと到達したのは2013年の11月だったか。そして、いつしかその珠洲市を目的地とし、滞在するようになりました。それはあたかも導かれたかのようでもあり、不思議な縁だと勝手に捉えています。

 今回は1年ぶりの訪問となりましたが、いつしか能登はすべてを受け入れてくれる地になっていました(と、思い込んでいるだけかも)。八王子といえども、東京にいると、気付かぬ間に言い訳という鎧で身を固め、前へと進むために手にしていた剣はいつしか自らを守るために他人を牽制する道具と成り下がり、それらは気が付かないうちに、身にこびりついてしまっています。ところが、能登にやって来ると、自然に触れていると、能登の人たちと話をしていると、能登の食を堪能していると、それらは一枚、一枚と剥がされて、どこかに残っていた素直さが顔を覗かせてきます。そして、なんでも、そのまんまに受け取れるようになり、そんなインタラクティブな能登との関係に心地良さを覚え、居場所を感じ、帰ってきたぁ、という開放感が襲ってきます。あ、写真は、料理長からの愛のこもったハートに並べられただし巻き卵、その下は、定番であり、能登らしさが詰まったコンカサバ(ぬかみそ漬けなサバ)。こんな料理をいただいたら、もう、素直になるしかないしょって感じです。

 今回は、4泊しましたが、久しぶりに予定を何も立てぬままに宿入りしました。いつもだったら、知人と一緒だったり、イベントがあったりと、何もしないと言いながら、なんだかんだ忙しかったりするのですが、今回はほんとうに何もなし、しかもひとりっきり。ただ、読んでおきたい本を持って、聴いておきたい音楽をプレイリストに並べてきましたが、ひとつだけ、とにかく対話を心がけてみました。このコミュニティのキーとなった方に話をうかがったり、すでに懐かし話ができる人たちとあれこれと話したり、子育てで忙しいところを時間を作ってもらって逢いに行ったり、これから新しいことをしようとしている人たちから刺激を受けたり……。そうしていたら、日々、忙しくなりすぎて、とある日などは対話でくたびれてしまって、動けなくなってしまいました。

 そして、そうした対話から、あれやこれやと思いつきも浮かび、この愉しさを伝えたいとばかりに、あの人にはコーヒーのお土産を買っていこう、そっちの人には絵はがきを出そう、こっちの人たちにはあれを持って帰ろう、と、忙しさはさらに加速していきました。そういえば、先日、知人と旅の愉しみ方を話した時、巡らなければ「ならない」旅はつまらんよね、という結論になりました。その人も、海外2か月とか長期で滞在してしまう方なんですが、観光スポットは巡らない、でも、あれこれと発見をし、刺激を受けて帰ってくる。これぞ、旅の醍醐味なんてところで話が合います(その方とは能登同行したことない)。僕の場合は、そこに「居心地」のよい「居場所」を求めており……、なんてことも、今回の能登再訪で発見したことのひとつでした。
 というわけで、今回の滞在中に、来月も能登へと出掛けることを決めました。でもそれは、かなり、相当に、無理矢理な、スケジュールです。でも、行かねばならないと、思い立ったもので。それは、ひょっとして戻ってくると表現したほうがいいのかもしれない、そんなことも思いました。

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