#1562 ひたすらに天晴れだった、MINIクロスオーバークーパーSD。

 さてと、MINIクロスオーバーの話を。能登往復を含めて1320kmほどのテストドライブをしてきました、クーパーSDにて。いや、当初は、クーパーDを所望していました。いや、ほら、いくらシャシーがしなやかになったとはいえ、クーパーSDで能登往復を考えると……、と思っていたのですが、少し前に両グレードに乗った際に、硬いよりも、チューニングとして調えられている感を、クーパーSDに受けまして、変更。で、結論をいいますと、クーパーSDのオールマイティさに少々驚いたといいましょうか、乗れば乗るほどに馴染んでくる感もあって、オススメ、かと。ただ、広報車はオプションをあれこれ付けた仕様となっており、総額600万円目前。いやはやといった感もありますが、ま、これはひとつの提案ということで、と捉えました。
 さて、何がよかったか、って、ま、バランスでしょうな、やはり。MINIクラブマンや2シリーズFFモデルにも採用されているこのプラットフォームは、メルセデス・ベンツのAクラス的なあの強度感には届いていない部分がありますが、ありますけど、とにもかくにもバランスがいい。快適性をしっかりとキープした上で、しなやかさがあるとでもいいましょうか、ボディに対しては正しい表現ではありませんが、まぁ、そんな感じ。つまりですね、抑えるところは抑えてあって、余剰といいましょうか、ただ、ボディがしっかりしているだけといった、過剰な印象を与えていないところが好印象。結果、シャシーをしっかりと支えており、剛性感に不足なし。で、そのシャシーがしなやかといいますか、MINI流の荒さをあえて与えているんじゃないかと感じる粗削りな部分を見せながらも、実は、どんなシーンでも4輪をしっかりと接地させているという、天晴れな躾け。クーパーSD流のチューニングはストロークをより削った感にあふれていますが、的確なリバウンドフィーリングによって硬さを感じさせない。ついでに、その動きからストローク量不足をイメージさせるものの、実際にフルストローク入るかなというシーン、つまり、下り坂やらでフロントに荷重のってて、そこに大きめな凹凸があるようなシーンでも、フルバンプさせない。この躾けはなんだろ、と不可思議しかり。
 で、エンジンフィールが、極上。400Nmもいらんでしょと思いながらも、やっぱりですね、トルクってステキと、思わせてくれます。それはいわゆるパンチという表現ではなく、あくまでも極太なトルク感。ただ、それは、1次元に止まるものではなく、なんて表現したらいいんでしょうかね盛り上がりといいましょうか、湧き上がり方が実に美しいもの。モリモリとも違う、湧き上がり感。あれだ、アナログシンセで、レゾナンス掛けて、極太ブラスサウンド作りあげた時のあの感覚ですな。そうそう、まさに可変連続性とも言いましょうか、そんなアナログたる湧き上がり方。で、それが扱いやすい。どの回転域からも、その湧き上がりがありまして。で、さきほど語りました、シャシーがしっかりとそのパワー(トルク)を受けてとめてくれる。つまりですね、エンジンも速いんですが、シャシーはもっと速いといった感がありまして、400Nmの最大トルクも余裕しゃくしゃくで受け止めてくれる感があって、それが安心感に繋がっているという、まさに懐の深い、チューニングの妙を感じました。さすがですな、ほんと、さすが。
 ちなみにそんな走りをしながら、時に周囲の流れに任せて走りながら、トータル燃費は16.8km/L。しかも、軽油っていうんですから。いやはやです、まさにいやはや。

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