#1519 試乗会で感じたとおり、サスに質感を感じた、ムーヴ・キャンバス。

 ダイハツのムーヴのキャンバスのテストドライブをしてきました。そもそも、試乗会の後に書いていますが、ハンドリングに軽乗用車流の曖昧さとこのモデル(キャラクター)ならではの緩さがありまして、いろんな意味でバランスされていることを読み取りました。しかしですね、妙にスタビリティが高くところがありまして、って、サスペンションの設定が、これまでのダイハツのモデルよりも、先をいっている感がありまして、何か違うを感じていました(#1423)。今回、500km近く乗り込んで、ワインディングを走って、高速を走って、分かりました。やっぱり、キャンバスのサスペンションですね、スタビリティが高い、です。あのですね、分かりやすいところで言いますと、ロールの先、ま、ロール中とも言いましょうか、ひたすらに姿勢を安定させて、タイヤだけで路面をきれいに捉えていきます。ただ、コーナリング中にステアリングを切り足すとリアのトーインが強めに介入してくるので、違和感を覚えますが、って、このあたりは、軽自動車流、ダイハツ流に安定と操縦性のバランスたる仕立て。
 先に書いた、路面の調えられたシーンでの、サスペンションのしなやかさを感じ取れると、ああ、やっぱり、バランスが上手く調えられていることが印象づけられます。ただ、ハンドリングについては、パワーステアリングのアシスト力が意図的なのか、速度が低いところでオンセンターから操舵力を感じさせるまでがユルユル過ぎて、うーむ、を感じてしまいますが、こんな躾けでいいんだろうかと思いつつ、やがて気にならなくなっていて、むしろ、先のコーナリングにおけるスパッと決まるあの姿勢に感心を覚えますから、これもひとつの解なのでしょう、きっと。
 まぁ、それら美点にしても、あるシーンに限られることから、まだまだを感じますが、軽乗用車の走りから一歩先に足を出した感を強く覚えました。ただですね、高速道路における直進安定性は、ボディのサイド面のせいか、北風がかなり強かったからか、風に煽られることが多々ありました。これは、比較対象がなかったので、クラス的なものなのか、それともキャンバスオリジナル(!)なのか、ちょっと判断ができませんでしたけども。
 あとはあれかな、両側スライドドアの採用もあって、車両重量が1t近くに迫っていること。タントよりは軽いとはいえ、あちらは当初からパワーについては諦めモードもありますし、まぁ、不足と感じるならばターボがあるからという選択肢もあります、云々。このあたり、つまり、1tギリギリあたりが、燃費かパワーかのせめぎ合いなんでしょうね。なんて書きながらもこのキャンバスにターボエンジンは不要だと思っていますが。
 そうそう、このデザイン、エクステリアもインテリアも、というか、クルマそのものが、女性をターゲットとして作られたと謳われているものの、実のところ、色合い次第(シックなモノトーンあたりね)ではおっさんが乗っても恥ずかしくないような気がします。あのですね、当初は、かわいい系に見えましたが、しばらく乗っているうちに、眺めているうちに、ヴィンテージ・モダンに見えてきました。
 

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