#1517 NAエンジンでいいじゃないを感じさせた、トゥインゴ・ゼンMT。

 続いては、ルノー・トゥインゴ。の、MT。そう、MTは、デビュー限定モデルでしたが、生産体制も整ったようでレギュラーモデルでの登場となりました。昨今のフランス車でMT+ベーシックグレードを条件とすると、このトゥインゴ、同じくルノーのルーテシア、そして、プジョー208の3車種しかありません。ところが、それら、キャラクターやレイアウトはさておき、比較していくと、そのエンジンは、ルーテシアのみターボで、残りはNAとなります。しかも、その2台、いずれも2ペダルトランスミッションならばターボが組み合わされる……、って、つまりはMTを選ぶためにはターボを諦めなければなりません。そう、トランスミッションだけに止まるない迷い処となります。
 ましてや昨今のヨーロッパ車のダウンサイジングターボのフィーリングやら燃費を考えると、NAに不足をイメージしてしまうもの。実際に、あれらターボの仕上がりはとってもいいですし、それこそ買いの要素となっています。しかしですね、そう思いつつも、実際にはどうかと言いますとね、#430にて書きましたけど、プジョー208 Allure(MT+NAエンジン)に乗ったところ、不足どころか、十分であることと、ちょっと忘れていたナチュラルなフィーリングに感心しきり。そう、やっぱりNAはいいよね、的なあの印象にあふれています。昨今のCVTって良くなったよねと感心しながら、ATに乗ってしまうと、やっぱりね、と思う、あの感じに似ているとでもいいましょうかね。
 と、こちらも前置きが長くなりましたが、トゥインゴの0.9LNAエンジン+MT、とっても良かった。ターボ+2ペダルトランスミッションよりも、好きかもしれないと思えるほどに、バランスが上手く仕立てられているんですね。自分でどうにでもなるというMTたる利点は、その緩さすら自らでコントロールできるようになっており、2ペダルであるEDC採用グレードよりもまったり感にあふれています。充足感があるとでもいいましょうか、そんな印象。もちろん、ターボエンジンのようなトルク感はありませんが、ナチュラルに吹け上がる感と、必要にして十分のパワーがありまして、まさにこれで十分どころか、これがいい、を感じ取れます。なんていうんでしょうかね、走っているうちに愉しくなってくる、笑みがこぼれる、大げさにいえば、独り言を言いたくなるとか、笑ってしまうと、そんな感じ。171万円というプライスもとってもいい。いや、もう少し落としてくれたら、もっといいのになと思うところはあります、ありますけど、昨今を考えると、よくやりましたという値づけではないでしょうか。というわけで、購入してもいいなぁと思える、そんなクルマの1台です。

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