#1500 自動車税がキーとなっているような気がする、日本におけるジープの戦略。

 ブランドの話を書いていたら、やっぱり、ジープについてあれやこれやと考え出し、書かずにはいられなくなりましたので、徒然なるままに書いてみましょうかね。そもそも、ジープってのは、硬派であることを掲げていたブランドゆえに、それを広げることは軟派への傾れに直結してしまう面があります。ですから、なかなかイマドキの流れに移行できずにおり、頑なといった印象がありました。といはいっても、時代の流れに乗らないワケにはいきません。というわけで、試行錯誤の上といいましょうか、会社存続のための右往左往もあってとちらかった感は残っていますが、FCAたるスタンスが明確になってから、その商品性にブランドたる方向性が明確に感じられるようになりました。左上の写真は、新型コンパスですが、ジープらしさを残しながら、感じさせながらも、イマドキのSUVに求められるテイストを上手く表現しており、ジープオーナーだった者から見ても印象はとてもよく、まさに、ジープたるアドバンテージを感じます。
 感じますけど、このコンパス、日本での価格帯を妄想すると、#1432にて書いた、寂しさも覚えます。ただ、現在のチェロキーの4WD/3.2Lのみで499.5万円〜とした展開については、改良のタイミングもあってやがてはFFモデルが復活して下げられるのかと思いきや、どうやら、その気配はないようで。どうやらそこには、発売延期が発表されている次期グランドチェロキーのポジション(価格帯)、フラッグシップとなるワゴニアの突き抜けると予測される価格、さらには次期ラングラーも相まって、どうやらこの価格帯をキープする、らしい、と。もちろん、新型コンパスの価格帯もあってのことで、つまり、コンパスの上に位置するチェロキーが499.5万円〜、下となるレネゲードが297万円〜ですから、コンパスのトップグレードで400万円台になるだろうことが妄想されます。そう、あくまでも妄想。ボトムグレード(FF)は350万円を下回って……、こないでしょうね、と、これも完全なる妄想ですが。
 で、どうしてこんな展開をしようとしているのか、購入する身になって考えてみました。考えたら、分かりました。簡単でした。キーは、まさに日本的な理由、自動車税というハードル。以前よりも排気量が下がっているとはいえ、たとえば、チェロキーのV6/3.2Lとなると自動車税は5万8000円。そうなのです、それを躊躇なく払える方々ってのは、実際、車両本体価格が500万円になったところで、購入できる方々。しかし、その額、5万8000円を払うに躊躇してしまう、無理しなきゃならん人にとっては、たとえ車両本体価格が300万円であったとしても、購入には至りません(できません)、という方が、今は大半、かと。ほら、先行き感がこれほどにまで暗くなかった時代には、どうにかなるさ的な勢いもあって、直6/4.0Lモデルを購入した方(自分含む)も多くいましたが、今はありませんわな。ならば、購入してくれる層向けに商品(価格)を展開するのは、商売としては自然ともいえる流れ。ということで、そこに必要なイメージは、アッパークラス感であり、つまり、ギリギリをイメージさせるようなカジュアル感は、消し去り去っておかねばなりません、と。なるほどね、なるほど。といいつつ、そう考えると、やっぱり、自ら、自然淘汰された感を覚えるわけで、そこに寂しさを覚えますけどね。
 そういえば、導入しないままに次期モデルへスイッチさせるのかと思った、グランドチェロキーの最後のフェイスリフトモデル、先日、日本発売がアナウンスされました。ただ、そこに見る価格展開は抑えよう、もしくは、止めようといった印象を強く感じるもの。いちばん驚いたのは、実質的な最上級モデルであるサミットのエンジンをV8/5.7LからV6/3.6Lへと落とし、さらにはドライブトレインもQUADRA DRIVEⅡ(E-LSD)を諦めており、これじゃリミテッドと大きく変わらないですね、仕様に。現行型グランドチェロキーについては、商品的にアッパークラスへと移行させるに十分な内容だと感じていますが、現行型のイメージが付き過ぎているんでしょかね、なかなか難しいようです。って、その移行は、ガラリと変わる次期型の登場時に目論んでいるんでしょうね。

このブログの人気の投稿

#1297 イチオシに変わりなかった、ルノー ルーテシア ゼン MT。

#1113 5年目にして……、トラブルではなかった、後付けサンルーフのあれこれ。

#1735 快適すぎるし、愉しすぎる。想像していたその先に到達していた、プジョー308。