#1487 新型スイフトにも存在する、基本性能に長けているというアドバンテージ。

 さてと、スズキのスイフトです。まじめと言いましょうか、ストレートにクルマの基本性能を突き詰めていて、好印象が多いモデルですが、室内スペース、特にリアシートスペースやらをつつかれると、少々とはいえ分の悪さがあります。ですから、勝手にスイフトはCセグへと移行するのかと妄想していました。ところが、Bセグのままどころか、過大の室内スペースについてはホイールベースを延長して、ほんのわずかに増やしながら、全長は、は? え? -10mm? そうなんですね、全長はなんと先代よりも短い3840mm。ま、それ以上が欲しいならば、バレーノがありますからって、この強気なスタンス、なかなか好印象です。それにしても、すごいですな、Bセグモデルを2機種用意してしまう、スズキって。
 肝心なインプレッションですが、好印象は変わらず。って、わりと#1340で書いた、バレーノと似ています、というか、ほぼ同じ。意図的にスポーティに仕立てられた印象はありますけど、決して強くはなく、むしろ生真面目さがさらに際立っているといいましょうか、分かりやすく表現すると、そんな感じ。さらには、バレーノで感じた軽量化によるウィークポイントである細かな挙動が落ち着かないことまでも、同様に存在していました。たとえば、石畳の路面では、速度域によってNVHがわずかに大きくなるような、つまりは、共振しているかのような点があって、といっても、それが強烈に目立つわけではないんですが、ボディが軽いどころか、軽すぎるといった印象を与えるところがありまして、云々。あ、ウィークポイントといってもですね、まずは、軽量化がもたらすメリットが強く感じられ、つまりは、すべてにおける軽快感をプラスに捉えられた上で……、という前提あってのウィークポイントですので。
 そのあたり、ダンパーのセッティングで、もう少し減衰に豊かな表現を与えられると、わりとごまかせるんじゃないか、と感じつつ、って、ま、ダイレクトにコストに繋がるところですから、難しいのは承知の上ですが……。ま、そうすることで、しっとりとした動きが加わることで質感が高められるだけではなく、軽快感もさらに感じられるんじゃないかな、なんてことを感じました。って、そんなことを考えたのは、ヨーロッパ仕様のサスペンションを奢ったRSに乗った時のこと。なんかね、そもそものベースの基本性能が高いもんですから、RSのポジションが分かり辛いなと感じながら乗っていましてね。つまり、誰も体感できる、違い、差、が、少ない。先代に比べれば、随分とコンフォートになりました(RS)から、購入してから、あれ違うといった感は先代よりは少ないと思います。思いますけど、なにかが足りない。ヨーロッパ云々をあえて語り、スポーティさをイメージづけたいならば、質感を加えることでそのあたりはもっと強められるんじゃないか、やがて出てくるだろうスイフトスポーツを含めた、ほかグレードとの違いを、より明確にできるのではないか、と。いうまでもありませぬ、広義のスポーティですな、この場合のスポーティは。その中での方向性の話ですな。
 あ、今回は、ターボとマイルドハイブリッドのRS系、さらにはMT(RS)、マイルドハイブリッドとターボのレギュラーモデルに試乗しました(で、いいんだっけかな)が、好印象は、MT。そう、RSというよりは、MT。あのですね、このシャシーとパワーユニットの良さは、MTで、大きく引き上げられます(引き出せるといったほうが的確かも)。エンジンのトルク感とシャシーのしやなかさと素直な操縦性と……。あ、RSだから、乗り心地を心配するでしょうけど、しなやかなサスペンションによって、それほどには気になりません。ま、そんな観点からしますとね、CVTとATでは、やっぱりCVTって物足りないよね……、といいましょうか、つまりはATって、いいよね、を、あらためて感じました。

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