#1474 能登の海苔だけのお雑煮に教えられた、素・ばらしさ。

 年末年始の能登の話、そのほかを。今回、ひたすらに感心したのは、先にも書きましたが、素に敵うものはないといった、あれこれでしょうか。そんなひとつが、元旦の朝食にプラスされた地元のお雑煮でした(写真右)。そうなんです、海苔のみ。いや、餅も入っていますけど。ただ、これ、能登で一般的なスタイルではなく(能登のお雑煮はほかの地域と大きく変わらないそう)、宿があるこの地区のみのスタイルだそうです。
 ほほぅ、やっぱりここいらは岩礁が広がっていて海苔が採れますから、海苔をこれでもかとアピールしているのかと思ったら違うそうで。実は、この宿がある地区、能登の中で豊かではない地域だったとかで、つまりですね、それは食に関しても同様に。そして、雑煮についても、ほかの具材を加えるゆとりがなかったために、あるものでどうにか賄った、そんな内容だったそうです。そう、あるもの……、つまり、海苔だけ。ところがですね、この海苔だけのお雑煮、これでもかといわんばかりのパワーがありまして、というか、それはパンチですな、磯の香りがあふれる雑煮とかそんなレベルを超えていまして、素材(海苔)が持っている力だけが前面、全面に出ている、そんな逸品となっていました。それは、何かを組み合わせる必要がない、そんな力強さであり、まさに、素に敵うものはない、を感じたわけです。これぞ、スバラシサ、素・晴らしさですな。
 訊けば、この海苔、いくつかを組み合わせているそうですが、そんなアレンジもあったとはいえ、それだけで十分、これだけで十二分、をトコトン感じました。それは、余計なものはいらない、飾らなくていいという、シンプルさに通じますし、これは以前にも書いていますが、能登の良さは、このシンプルさにあることを改めて痛感しました。
 そうなんですね、能登は、着飾らなくていいことを、むしろ、着飾らないことがもたらす愉しさを、改めて教えてくれます。と、書いていたら、とっととまた能登へといかねば、という気になってきました。これからかなり強い寒波が到来するようで……、と思って、安房トンネルのライブカメラをみたら、すっかり雪景色に……。ますます、出掛けたくなってきました。

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