#1417 自ら大幅に進化し、アドバンテージを数多くもっていた、セレナ。

 さて、これからは新車インプレッションが続くことになると思います。試乗会が連続していますので。というわけで、まずは、セレナから。後日、取材でロングインプレッションしてきますので、細かなことはまた後日にして、ここではファーストインプレッションを記していきましょかね。
 ミニバンというカテゴリーは個人的には惹かれません。仕事は別で、個人的には、って話です。そう、あくまでも個人的には。お気付きのようにヨシダが、このホームページでクルマの善し悪しを語る際、走行性能を最優先といいますか、それだけで語っています。ライターという仕事はさておき、個人的に、クルマに対して最も惹かれるポイントは、やはり走りにあります。それは、速度ではなく、楽しさがあるかどうか。極端な話、パッケージやらに求めるものは少なく、どちらかといえば、そのクルマに自分を合わせてしまえばいいと考えているので、荷物が積めるとか、人が乗れるとか、それらは、まさに二の次となります。個人的なクルマに対する興味として、ね。ですので、ついつい、装備や使い勝手を優先させたこの手のモデルであっても、それらを省いて、走行性能についてあれこれと語っています。先日、自動車評論家の大先輩から、ホームページで、なぜに使い勝手を語らないのか、と問われたことがありますが、先に書いた理由から、ここで書く際には二の次になっています。
 ということで、このセレナも走行性能という観点で眺めますと、やはりですね、無理がある。いや、それは国産のこの手のモデル、すべてに言えることで、セレナのみのウィークポイントではありません。それは何か。やっぱりですね、開口部を大きく確保しなきゃならんとか、多彩なアレンジを求められるシートといった要件をクリアしながらも、コストを大きくは掛けられないという、そのジレンマが走りに出てきます。
 現時点で、ライバルよりも最新を謳うセレナであっても、ある速度域において、フロアからの振動があり、それがシートにまで伝わってくる。ま、気にならないレベルといえば、気にならないレベルですが、ロングドライブでは積もっていきますから、それが疲労感となってしまいます。
 と、いきなりマイナスポイントを語りましたが、上質と快適を掲げて、大幅にステップアップを果たしていました、セレナ。たとえば、アイポイントを高くし、ゆとりをあたえて座れるようになったサードシートでは、リアタイヤからのノイズが少なくなりましたし、そもそも、キャビンに居る心地よさを作り上げており、ライバルたちよりも一歩先を感じました。ま、訊けば、昨今は、ファミリーの域が広がっており、それは旦那さんの両親やら兄弟だけに止まらず、奥さんの両親やら兄弟やらまで、幅広く含められるそうで、そういったファミリーに対応できるクルマとして作り上げたとか。そんな話を訊きますと、なるほどな、が多くあります。あ、感心したのは、リアゲートの上部上開きでしょうな。これが、この手のモデルのリアゲート開閉方法の解だと思います。走りの面では、リアの応答遅れが少なくなっており、というか、この乗り味を考えると、満点近いフィーリングを得ておりまして、とても好印象。エンジンパワーも不足はないんですが、低回転域で静かなのに(遮音性含めて)、高回転域で頑張っているサウンドが立ち上がってくるところが、惜しい。って、先の要件やら価格やらあれこれ考えると、消し去るのは、無理なんですけどね。
 プロパイロットも試してきました。技術の話はもう少し乗り込んでからにしますが、ま、10kmほど試したところでは、不満もなく、感心もなくといった感じでした。それよりも、あえて自動運転技術と謳ってしまうところに、自動車メーカーたるスタンスとして、それこそ、やり過ぎ、行き過ぎを感じます。自動運転とは言っていません、自動運転技術なんですと言われても、一般の人には分かりやすくは伝わっていませんから。もっと言いますとね、個人的には、クルマの場合の、やっちゃえ、ってそういうことではないと思うのです。
 さて、詳細のあれこれは、ロングインプレッション後に、また。

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